みょうがは、ショウガ科ショウガ属の宿根性の多年草です。高知県での生産が盛んで、日本の生産量の約90%を占めています。
みょうがは生でも加熱しても食べられますが、他の食材と一緒に食べたり薬味として食べたりすることが多いです。
みょうがは独特の香りがありますが、はたして犬に与えても大丈夫なのでしょうか。
ANSWER みょうがは犬に与えないほうが良いです。
みょうがには、犬にとって害となる成分が含まれていません。ただ、大量に摂取すると健康被害をおよぼすおそれがあることから、愛犬に与えることをおすすめしません。
この記事では、愛犬におすすめしない理由について、詳しく紹介します。
みょうがの主な成分や栄養素
食物繊維
食物繊維は水に溶けやすい水溶性食物繊維と水に溶けにくい不溶性食物繊維に大きく分けることができます。腸内環境鵜を整えたり蠕動運動を活発化して排便を促進したりする働きがあります。過剰摂取すると、消化不良を引き起こす可能性があるため与える量に注意が必要です
カリウム
体内に溜まった余分な塩分を尿と一緒に排出する働きを持ち、血圧の安定・維持に効果的だといわれています。また、心筋や筋肉の機能維持、さらには神経刺激の伝達などの働きをしています。
しかし、血中カリウム濃度が上昇する高カリウム血症の危険性から、過剰摂取に注意しなければなりません。
アントシアニン
アントシアニンとはポリフェノールの一種で、みょうがの赤色の色素の成分にあたります。生活習慣病や老化の予防に役立つ抗酸化作用があります。
α-ピネン
α-ピネンは、みょうがの独特の香りを出している香り成分です。リラックス効果や発汗、血行促進、食欲増進などの働きがあるといわれています。
みょうがを犬が食べた際の犬への効果・影響
犬に与えないほうがいいです。
犬に与えてよいみょうがの量は?
小型犬の場合 | 与えないほうが良い |
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中型犬の場合 | 与えないほうが良い |
大型犬の場合 | 与えないほうが良い |
子犬の場合 | 与えないほうが良い |
老犬の場合 | 与えないほうが良い |
犬にみょうがを与える際の注意点
みょうがのおすすめの与え方
みょうがを大量に食べた場合の健康被害
みょうがを多量に摂取すると、体温上昇による下痢や嘔吐をしてしまうおそれがあります。ひどい場合は貧血や血便になるおそれもあるので、少量だから大丈夫と思わず、愛犬には与えないでください。
みょうがが推奨できない理由
みょうがに含まれるミョウガジアールが健康被害をおこすおそれがあることから、愛犬には与えないほうがいいといわれています。
ミョウガジアールとは、ミョウガに含まれる辛味成分で、抗菌作用や解毒作用があり、風邪予防や喉の痛みなどを和らげる働きがあるといわれています。辛味成分といってもトウガラシのカプサイシンの約1/100程度ではありますが、みょうがを過剰に摂取すれば愛犬の体に負担がかかることが予想できます。
愛犬が誤って食べないよう保存場所に注意しよう
みょうがは高温に弱いため、冷蔵庫保存が適しています。そのため、「みょうがを常温保存していたら愛犬が取って食べてしまった」なんとことはあまりないでしょう。
ただ、購入してきたみょうがをすぐに冷蔵庫に入れずに放置したり、使う予定でキッチンに出していたりすると、愛犬が食べてしまうおそれがあります。カットされていないみょうがを食べてしまうと大量摂取になるので、体にも良くありません。みょうがの出しっぱなしには注意しましょう。
また、料理のトッピングに使う際、その料理の香りにそそられて愛犬がみょうがを一緒に食べてしまう場合もあります。料理ができあがったら、愛犬の鼻や口、手が届かない場所に置くよう心がけましょう。
みょうがを少し食べてしまったときの対処法
愛犬がみょうがを少量食べてしまった場合は、まずは愛犬の様子を観察してください。5~10分ではなく、その日1日そばにいて、変化がないか見守りましょう。どのくらいの量を食べたら体に影響が出ると一概に決まっているわけではないので、食べた量にかかわらず、しっかり観察してくださいね。
変化が見られないようであれば、少量食べたからといって急いで病院に連れていく必要はありませんよ。
こんな時は犬にみょうがを食べさせないこと
どの犬にも、みょうがを与えることはおすすめしません。もしも大量摂取により下痢や嘔吐などを引き起こしたら、すぐに獣医師の診察を受けましょう。
まとめ
みょうがには、犬にとって害となる成分は含まれていません。ただ、大量摂取で下痢や嘔吐、ひどい場合は貧血や血便になるおそれから、与えないほうがいいです。 もしも愛犬がみょうがを食べてしまった場合は、体調の変化をしっかり観察して、なにか異変があれば病院に連れていきましょう。
犬に食材を与える際の注意点
その食材が犬に与えて良いものかどうかを調べましょう。
食材には以下の4つのパターンがあります。食材を与える際にはそれがどれにあたるかを把握する必要があります。
01.中毒・アレルギーを起こす絶対に与えてはいけない食べ物。
犬に与えると「テオブロミン」という成分が、嘔吐や下痢などの中毒症状を引き起こすチョコレート、「アリルプロピルジスルフィド」という成分が、貧血症状や下痢、嘔吐を引き起こすねぎや玉ねぎ。それ以外にもぶどう・レーズンや、アボカド、マカダミアナッツ・クルミ、キシリトールなど、食材の中には犬に与えると重篤な症状を引き起こすものがあります。
犬に手作りご飯や食材トッピングなどをする際は必ずこの犬に与えてはいけない食材を把握しておくようにしましょう。下記の記事でも詳しく解説しておりますので、参考にしてみてください。
02.与える際に注意が必要な食べ物
食材の中には基本的には与えても大丈夫ですが、与え方によっては注意が必要なものがあります。例えばじゃがいも。じゃがいもは犬に与えても大丈夫ですが、じゃがいもの芽や皮には「ソラニン」「チャコニン」という毒素が含まれていますので、与える際には芽や皮をしっかり取り除く必要があります。また、豚肉や刺身なども犬に与えて良い食材ですが、生の豚肉を食べると細菌やウイルスに感染してしまうリスクがありますし、人間用として処理された刺身は犬に与えても大丈夫ですが、食中毒などの危険性があるため、なるべく加熱してから与える方が良いでしょう。
それ以外にも、魚を与える際は骨をとる、野菜・果物を与える際は種やヘタを取り除くなど、食べられる食材の中にも与え方によって注意が必要な食べ物もあります。
03.人用に加工された食べ物
たとえば、その食材自体は食べさせられるものであったとしても、ジュースや缶詰、ドライフルーツ、ジャーキーなど人用に加工されたものは、油や調味料、糖分などが多く含まれており、犬に与えない方が良いものがほとんどです。食材は与えて大丈夫なものでも、与える前には人用に加工されたものではないか確かめるようにしましょう。
04.健康な成犬に与えても大丈夫な食べ物
犬に与えても大丈夫な食べ物もあります。ただし、子犬や老犬に与える際には小さく刻んだり、茹でて柔らかくして与えてあげましょう。また持病のある犬については特に注意が必要です。新しい食材を与える前にはかかりつけの獣医師さんに相談してから与えるようにしましょう。また、元気な成犬でも与える量については注意が必要です。どんな食べ物も食べ過ぎには注意しましょう。適度な量を愛犬に合わせて少しずつ与えてあげるようにしましょう。
フードに食材をトッピングする際の注意点
いつものフードに食材をトッピングしている飼い主さんも多いのではないでしょうか?トッピングがうまく活用することで足りない栄養素を補えたり、愛犬のフードの食いつきを高めることができます。ただし、与える際には下記のことに注意が必要です。注意すべき食材や栄養バランス、摂取量に十分注意しながら、上手にバランスの良い食事を心がけましょう!
処理やサイズなど与え方に注意を。
特にトッピングする際には、愛犬が喉に詰まらせないよう食べやすい大きさにカットして与えるようにしましょう。固い野菜などは茹でて柔らかくしてかけてあげたり、すりおろしてあげるのもおすすめです。また果物や野菜をトッピングする際には、皮や芯、種やヘタをしっかり取り除いてからあげましょう。特に種や芯には、犬が中毒を引き起こす成分が含まれる場合があるのでしっかりした下処理が大切です。
フードと合わせたカロリーバランスを考える。
フードに混ぜて、トッピングする場合のトッピングの適正量は多くても1日の摂取カロリーの10%までといわれています。
愛犬に与えているフードのカロリーや栄養素を調べ、愛犬の体重と年齢などに合わせ1日の栄養・カロリーがトッピングと合わせてバランスよくなるように調整することが大切です。心配な場合は与えている量とトッピングの内容をかかりつけ動物病院の先生に相談してみましょう。
初めて与える食材は少しずつ
どんな食材でも犬によってはアレルギーを起こす可能性があります。初めて与える食材の場合は少量を与え体調の変化がないかを見るようにしましょう。特に持病のある犬については特に注意が必要です。新しい食材を与える前にはかかりつけの獣医師さんに与えて大丈夫か相談してから与えるようにしましょう。
Adviser
ペットフーディスト 佐々木なるみ
愛犬の偏食をきっかけに資格を取得。これまでに4匹のわんちゃんと暮らしてきた。動物愛護に関心を寄せ、犬を含む多くの動物が幸せに暮らせる日本を目指している。