独特の苦みが特徴のゴーヤはウリ科の植物で、和名を「ツルレイシ」といいます。「ゴーヤ」という呼び名は、沖縄県で使われていたものが定着したもので、他にも「ニガウリ」という呼び方もあります。
生産量1位は沖縄県、2位は宮崎県、3位は鹿児島県と、温かい地域での生産量が多いのが特徴です。
私たち日本人は炒めたり和えたりして食べますが、はたして犬に与えても大丈夫なのでしょうか。
ANSWER ゴーヤは犬に食べさせても大丈夫です。
ゴーヤは、犬に与えても大丈夫な食材です。
ただ、食物繊維が多いことから、与え方に注意が必要です。
この記事では、ゴーヤの栄養と、正しい与え方を紹介します。愛犬にゴーヤを与えてもいいのか気になっている人は、ぜひ参考にしてくださいね。
ゴーヤの主な成分や栄養素
食物繊維
食物繊維は水に溶けやすい水溶性食物繊維と水に溶けにくい不溶性食物繊維に大きく分けることができます。腸内環境鵜を整えたり蠕動運動を活発化して排便を促進したりする働きがあります。過剰摂取すると、消化不良を引き起こす可能性があるため与える量に注意が必要です。
ビタミンC
ビタミンCには、活性酸素が細胞を傷つけるのを防ぐ作用があり、解毒やホルモン代謝、骨や腱のコラーゲンの生成をサポートする働きがあるといわれています。さらに、鉄分の吸収を促進する働きは、貧血防止にも役立つと考えられています。
ビタミンCは肝臓での体内合成が可能です。しかし、ストレスや加齢、肝機能の低下によって合成が追い付かないこともあるため、食べ物から継続的に摂取する必要があります。
カルシウム
摂取したカルシウムのうち約99%は、骨や歯に使われています。カルシウムは体内で合成ができないため、食べ物から補う必要がありますが、カルシウムを摂取することで吸収が阻害される栄養素もあることから、与える量には注意が必要です。
モモルデシン
モモルデシンとは、植物が紫外線や虫の脅威から身を守るために生み出す「ファイトケミカル」のことです。傷ついた胃腸の粘膜を守り、血糖値・血圧を下げる効果が期待できます。さらに、胃液の分泌を促す作用は食欲増進につながり、夏バテ防止や疲労回復に役立つと考えられています。
ゴーヤを犬が食べた際の犬への効果・影響
犬がゴーヤを食べることで、胃の働きを助け、夏場の食欲減退を解消することが期待できます。
犬に与えてよいゴーヤの量は?
小型犬の場合 | 約0.5本 |
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中型犬の場合 | 約1本 |
大型犬の場合 | 2~3本 |
子犬の場合 | 与えないほうが良い |
老犬の場合 | 約0.5本 |
犬にゴーヤを与える際の注意点
ゴーヤのおすすめの与え方
加熱してから与えよう
消化しやすいように、加熱してから与えましょう。油で炒めると脂質を取り過ぎるおそれがあるため、茹でるか電子レンジで温めるのがおすすめです。
細かくカットorすりおとして与えるのがおすすめ
加熱するだけでなく、細かくカットしてから与えることも、胃腸に負担をかけずに消化するうえで大切なことです。
ゴーヤは食物繊維が多い野菜なので、ミキサーにかけて繊維を切るのもおすすめです。カットする場合と比較して、さらに栄養素を吸収できるようになることもポイントです。
ゴーヤは繊維が多く、そのまま与えると消化されないおそれがあります。みじん切りや薄切りよりも、すりおろしたものや絞り汁を与えるほうが、愛犬にも負担がかからないのでおすすめです。
種とワタは必ず取り除こう
ゴーヤ中には、種とワタが入っています。これらは、犬にとって消化しにくいものなので、必ず取り除いてから与えましょう。
種を飲み込むと、のどに詰まらせてしまうおそれがあります。特に超小型犬・小型犬・子犬・老犬にゴーヤを与える際は注意しましょう。
ゴーヤをカットしたら、先に種とワタを取り除いておけば、間違って与えてしまうことがないので安心ですよ。
香りを嫌がる犬もいるから無理に与えない
苦みのあるゴーヤは、香りも独特です。この香りを嫌う犬もいるため、愛犬が香りを嫌がるようであれば、無理に与える必要はありません。
嫌いな食べ物を無理やり食べさせられると、他の食べ物も食べなくなるおそれがあります。愛犬の好き嫌いを尊重することも、関係性を築いていくうえで大切なことです。
こんな時は犬にゴーヤを食べさせないこと
胃腸の調子が悪い愛犬や、下痢気味の愛犬にゴーヤを与えるのは控えましょう。ゴーヤは食物繊維と水分が多い野菜です。
ゴーヤを食べることでさらに胃腸に負担をかけてしまうおそれがあります。
また、何かしらのアレルギーを持っている愛犬にも注意が必要です。初めてゴーヤを食べる際は、体調の変化をしっかり観察してくださいね。
まとめ
ゴーヤには犬にとって害となる成分が含まれていないので、与えても大丈夫です。ただ、食物繊維が多い野菜なので、加熱し、細かくカットしてから与えましょう。胃腸への負担を軽減できますよ。
犬に食材を与える際の注意点
その食材が犬に与えて良いものかどうかを調べましょう。
食材には以下の4つのパターンがあります。食材を与える際にはそれがどれにあたるかを把握する必要があります。
01.中毒・アレルギーを起こす絶対に与えてはいけない食べ物。
犬に与えると「テオブロミン」という成分が、嘔吐や下痢などの中毒症状を引き起こすチョコレート、「アリルプロピルジスルフィド」という成分が、貧血症状や下痢、嘔吐を引き起こすねぎや玉ねぎ。それ以外にもぶどう・レーズンや、アボカド、マカダミアナッツ・クルミ、キシリトールなど、食材の中には犬に与えると重篤な症状を引き起こすものがあります。
犬に手作りご飯や食材トッピングなどをする際は必ずこの犬に与えてはいけない食材を把握しておくようにしましょう。下記の記事でも詳しく解説しておりますので、参考にしてみてください。
02.与える際に注意が必要な食べ物
食材の中には基本的には与えても大丈夫ですが、与え方によっては注意が必要なものがあります。例えばじゃがいも。じゃがいもは犬に与えても大丈夫ですが、じゃがいもの芽や皮には「ソラニン」「チャコニン」という毒素が含まれていますので、与える際には芽や皮をしっかり取り除く必要があります。また、豚肉や刺身なども犬に与えて良い食材ですが、生の豚肉を食べると細菌やウイルスに感染してしまうリスクがありますし、人間用として処理された刺身は犬に与えても大丈夫ですが、食中毒などの危険性があるため、なるべく加熱してから与える方が良いでしょう。
それ以外にも、魚を与える際は骨をとる、野菜・果物を与える際は種やヘタを取り除くなど、食べられる食材の中にも与え方によって注意が必要な食べ物もあります。
03.人用に加工された食べ物
たとえば、その食材自体は食べさせられるものであったとしても、ジュースや缶詰、ドライフルーツ、ジャーキーなど人用に加工されたものは、油や調味料、糖分などが多く含まれており、犬に与えない方が良いものがほとんどです。食材は与えて大丈夫なものでも、与える前には人用に加工されたものではないか確かめるようにしましょう。
04.健康な成犬に与えても大丈夫な食べ物
犬に与えても大丈夫な食べ物もあります。ただし、子犬や老犬に与える際には小さく刻んだり、茹でて柔らかくして与えてあげましょう。また持病のある犬については特に注意が必要です。新しい食材を与える前にはかかりつけの獣医師さんに相談してから与えるようにしましょう。また、元気な成犬でも与える量については注意が必要です。どんな食べ物も食べ過ぎには注意しましょう。適度な量を愛犬に合わせて少しずつ与えてあげるようにしましょう。
フードに食材をトッピングする際の注意点
いつものフードに食材をトッピングしている飼い主さんも多いのではないでしょうか?トッピングがうまく活用することで足りない栄養素を補えたり、愛犬のフードの食いつきを高めることができます。ただし、与える際には下記のことに注意が必要です。注意すべき食材や栄養バランス、摂取量に十分注意しながら、上手にバランスの良い食事を心がけましょう!
処理やサイズなど与え方に注意を。
特にトッピングする際には、愛犬が喉に詰まらせないよう食べやすい大きさにカットして与えるようにしましょう。固い野菜などは茹でて柔らかくしてかけてあげたり、すりおろしてあげるのもおすすめです。また果物や野菜をトッピングする際には、皮や芯、種やヘタをしっかり取り除いてからあげましょう。特に種や芯には、犬が中毒を引き起こす成分が含まれる場合があるのでしっかりした下処理が大切です。
フードと合わせたカロリーバランスを考える。
フードに混ぜて、トッピングする場合のトッピングの適正量は多くても1日の摂取カロリーの10%までといわれています。
愛犬に与えているフードのカロリーや栄養素を調べ、愛犬の体重と年齢などに合わせ1日の栄養・カロリーがトッピングと合わせてバランスよくなるように調整することが大切です。心配な場合は与えている量とトッピングの内容をかかりつけ動物病院の先生に相談してみましょう。
初めて与える食材は少しずつ
どんな食材でも犬によってはアレルギーを起こす可能性があります。初めて与える食材の場合は少量を与え体調の変化がないかを見るようにしましょう。特に持病のある犬については特に注意が必要です。新しい食材を与える前にはかかりつけの獣医師さんに与えて大丈夫か相談してから与えるようにしましょう。
Adviser
ペットフーディスト 佐々木なるみ
愛犬の偏食をきっかけに資格を取得。これまでに4匹のわんちゃんと暮らしてきた。動物愛護に関心を寄せ、犬を含む多くの動物が幸せに暮らせる日本を目指している。