柴犬と豆柴の特徴の違いを学ぼう!
日本古来の犬種であり、愛らしい姿が人気の柴犬と豆柴。国内のみならず、近年では海外でも多くのファンに親しまれています。
そんな柴犬と豆柴ですが、体の大きさ以外の違いがあるのはご存知でしょうか?
この記事では、それぞれの外見から性格、飼いやすさの違いまで詳しくご紹介します。これから柴犬か豆柴を迎え入れたいと考えている方の手助けになれば幸いです。
01柴犬と豆柴のサイズと外見の特徴の違い
柴犬
平均サイズ | |
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オス | 体高40cm前後/体重10kg前後 |
メス | 体高37cm前後/体重8kg前後 |
日本犬6種の中では唯一の小型犬に分類されますが、外見のサイズ感は中型犬といっても良いでしょう。
均整がとれた骨格の良い体は筋肉質で俊敏な動きを可能にします。ピンと立った三角形の耳とアーモンド形の黒い瞳が特徴的です。また、その顔だちは「キツネ顔」と「タヌキ顔」に大別され、縄文時代から続くキツネ顔は、面長で体は細身でありオオカミを連想させるようなスタイリッシュな出で立ちです。
一方、タヌキ顔は愛嬌たっぷりの丸顔で体つきもコロンと丸みを帯びていることが特徴です。尻尾も「左巻」「右巻」など6種類存在し、「太刀尾」や「薙刀尾」といった日本刀から名が付いた尻尾もありとてもユニークです。
豆柴
平均サイズ | |
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オス | 体高32cm前後/体重6kg前後 |
メス | 体高30cm前後/体重4kg前後 |
外見的特徴は柴犬と同じでありながら「豆柴」という名前の通り、一回り小さい体格を持ちます。
柴犬の精悍な表情に比べ、体格に比例した小さな顔だちは丸みを有し愛らしさを感じます。
02柴犬と豆柴の毛色と被毛(毛色)の違い
柴犬
犬種登録団体であるJKC(ジャパンケネルクラブ)によると、柴犬の毛色は赤・黒褐色・胡麻・赤胡麻・黒胡麻の5色ですが、非公認ながら白も存在します。
公認されている5色は、背中を表と見たときに裏となるあご下から胸、おなかにかけてと尾の裏側が白いのが特徴です。これは一般に「裏白」と呼ばれています。
個体数が多いのは赤であり、胡麻は渋みのある色合いから根強い人気があるものの、出生数は最も少なく中々産まれません。黒い毛色の柴犬の中には、目の上にある白っぽい毛が「マロ眉」と呼ばれ、チャームポイントとなっています。
被毛は、下毛はフワフワで柔らかく、上毛はストレートで硬い短毛のダブルコートです。春と秋の換毛期に毛が生え変わるため、フワフワとした大量の抜け毛が発生します。
豆柴
豆柴の毛色や被毛の特徴は柴犬と同じです。
毛並みの上手なお手入れ方法
美しい毛並みを保つためには、定期的なお手入れが欠かせません。
ブラッシングは換毛期には毎日、換毛期以外でも週に2~3回は行うと良いでしょう。
普段使いしやすい「スリッカーブラシ」を日常使用し、抜け毛が多い換毛期には、抜け毛・ムダ毛をしっかり取り除ける「ファーミネーター」がおすすめです。
しかし、ファーミネーターの先端刃で皮膚を傷つけてしまうこともありますので、優しく撫でるように使用します。ただし、皮膚がデリケートな子や皮膚疾患がある場合は使用を控えましょう。
ブラッシングとともに欠かせないのがシャンプーです。
柴犬は皮膚がデリケートな子が多い犬種なので、低刺激の犬用シャンプーを使い、洗う頻度は月に1~2回程度が目安です。
シャンプー前にブラッシングをし不必要な毛を取り除きます。しっかり泡立てたシャンプーで優しく洗った後、液が残らないよう入念にゆすぎましょう。
大切なのはシャンプー後にしっかりと乾かすことです。
表面は乾いても下毛が濡れたままだと、皮膚が蒸れて細菌感染へつながる場合があります。また、ドライヤーは熱による皮膚ダメージを与えないよう、温度調節できるものがベストです。
03柴犬と豆柴、抜け毛が多いのはどっち?
柴犬より体の小さい個体を「豆柴」と総称しているので、体のつくりも同じですし、豆柴も被毛は上毛と下毛の2重構造からなるダブルコートです。
体が小さい分、豆柴の方が抜け毛の量は減るかもしれませんが、どちらであっても大量に毛が抜けます。
短毛であるその見た目から抜け毛は少ないと思われる方もいますが、抜け毛のケアが柴犬を飼って最も大変だと感じる飼い主も多くいます。抜け毛が多いとアレルギー反応も出やすいので、迎え入れる前に家族のアレルギー検査をおすすめします。
換毛期は春と秋の2回ですが、一定の温度が保たれている室内で飼育されている場合は、季節の変化を感じにくいため長期間抜け毛が続くことがあります。
04柴犬と豆柴の平均寿命の違い
柴犬
アニコム損害保険株式会社の2022年の調査によると、柴犬の平均寿命は14.8歳であり、2016年調査時より0.3歳延びています。
登録されている40種の犬種の中でも第4位に位置しており、十分に長寿犬種といえるでしょう。
日本の気候風土に土着しその中で育った柴犬は、病気にかかりにい傾向にあり体は丈夫だといえます。室内飼いを始めとする飼育環境の改善や、獣医学の発展により今後も犬全体の寿命は延びていくといわれています。
17、18年生きる柴犬も珍しくないため、これから柴犬を飼おうと考えている方は、20年近くお世話をする心づもりで迎え入れてください。
豆柴
豆柴は昭和25年頃から柴犬愛好家が、標準より小さな柴犬を豆柴の名称で繁殖に取り組んだのが始まりです。
(※日本社会福祉愛犬協会KCジャパンより)縄文時代よりともに暮らしてきたといわれる柴犬と比べるとその歴史が浅く統計が少ないため、豆柴の平均寿命は10~12歳といわれています。
その一方で、15~16歳という説もあり、やはり豆柴の寿命に関する厳密なデータはないようです。
豆柴だから長生き、もしくは短命であるという根拠はありません。寿命の差は飼育環境によるものが大きく、個体差もあると認識しておきましょう。
05柴犬と豆柴の性格の違い
柴犬
柴犬と聞くと賢く主人に忠実なイメージがあるのではないでしょうか。事実その通りであり、利口で物覚えが良く飼い主に従順です。
また、柴犬を含む日本犬は綺麗好きな子が多いのも特徴です。これは、匂いで自分の居場所を悟られないようにするため、という野生時代の本能を強く残しているためです。
飼い主さんや家族以外にはあまり興味を示さず、深い愛情と忠誠心を持っています。
その一方で、自己主張がはっきりしており頑固な一面もあるため、信頼関係を築けていないとトレーニングに苦労する場合もあります。
さほど吠える犬種ではありませんが、強い縄張り意識から警戒して吠えることもあるので、必要に応じてしつけが必要となります。
柴犬は猟犬として野山を駆け回っていたルーツがあるため、活発で運動好きな子が多いでしょう。
豆柴
豆柴とは体の小さな柴犬のことなので、その性格も柴犬に準じます。
豆柴というと「おとなしい」「穏やか」といったイメージを持つ方もいるかもしれませんが、前述の通り、その性格は柴犬と変わりません。
ただ、小型化されることによって依存心が強くなる傾向にあるので、甘えん坊な個体が多いかもしれません。
06柴犬と豆柴、飼いやすいのはどっち?
柴犬の魅力
柴犬の魅力は凛々しくバランスの取れた体つきに加え、三角形のピンと立った耳やクルンと丸まった尻尾、つぶらな瞳といった素朴な可愛らしさが惹かれる要素ではないでしょうか。
他の人にはよそよそしいのに飼い主には心を開いて従順というギャップも大きな魅力です。
柴犬には俗に「柴距離」という、人や他の犬に対して一定の距離を取る習性があります。
柴犬はこのつかず離れずの距離感を好む子が多いので、べったり甘えてくれるのではなく、お互いの時間を大切にしたい方におすすめの犬種です。
豆柴の魅力
豆柴も外見的特徴や性格は柴犬とほとんど同じです。
ただ、前述のように体が小型化されているため、柴犬に比べ甘えん坊な個体が目立ちます。
柴犬と同じである凛々しい見た目に反して、飼い主に甘えてくる仕草は非常に可愛らしいものです。膝に乗ったり、抱っこしたりと犬と積極的にスキンシップを取りたい方に、豆柴は心地よい癒しとなるでしょう。
体が小さい分、食事量や抜け毛の量も柴犬に比べ抑えることが可能です。近年は室内飼いが増えているため、比較的メンテナンスがしやすい豆柴の方が飼いやすいといえるかもしれません。
しかし、体が小さいからといって必要な運動量に大きな差はありません。狩猟犬としてのルーツは変わりませんので、ストレスが溜まらないようしっかりと運動させる必要があります。
まとめ
日本古来より愛されてきた柴犬と、近年の住宅事情や飼い主の高齢化などライフスタイルの変化に合わせて人気が高まっている豆柴。
どちらもその小さな体にとても大きな魅力を持ち合わせた犬種です。
どちらが飼いやすいということは一概にいえません。ご家族の状況や環境によって変わるものです。
柴犬・豆柴どちらを迎え入れても、絆を深め信頼関係を築くことにより、一生大切なパートナーとなり得るでしょう。
ご家庭やご家族に合わせてフィットする犬種を選び、幸せな愛犬ライフを満喫してください!