INDEX
チンゲンサイは日本で最も多く食べられるようになった中国野菜の1つで、シャキシャキとした歯ごたえとほのかな甘みが特徴です。
最近では年中いつでも手に入れられるようになりましたが、春と秋に旬を迎えます。
チンゲンサイの生産量日本一は茨城県で、国内シェアは約30%です。次いで2位が静岡県、3位が愛知県となります。
中華風の味付けにして食べるのはもちろんのこと、和食や洋食としてもアレンジしやすいチンゲンサイ。はたして、犬に与えても大丈夫なのでしょうか。
ANSWER チンゲンサイは犬に食べさせても大丈夫です。
チンゲンサイは、犬に害のある成分が含まれていないため与えても良い野菜です。カリウムやβカロテンなどの成分が豊富に含まれており、健康を維持するうえでもおすすめの野菜です。ただ、健康に良いからといって毎日与えると、かえって犬の健康を害するおそれがあります。
愛犬にチンゲンサイを与えても良いのか気になっている飼い主さんは、今回紹介するチンゲンサイの与え方を参考にしてみてくださいね。
チンゲンサイの主な成分や栄養素
カリウム
体内に溜まった余分な塩分を尿と一緒に排出する働きを持ち、血圧の安定・維持に効果的だといわれています。また、心筋や筋肉の機能維持、さらには神経刺激の伝達などの働きもあります。
しかし、血中カリウム濃度が上昇する高カリウム血症の危険性から、過剰摂取に注意しなければなりません。
カルシウム
摂取したカルシウムのうち約99%は、骨や歯に使われています。カルシウムは体内で合成ができないため、食べ物から補う必要がありますが、カルシウムを摂取することで吸収が阻害される栄養素もあることから、与える量には注意が必要です。
βカロテン
βカロテンは、必要量のみ犬の体内でビタミンAに変換され、皮膚や粘膜の健康維持や視力維持をサポートします。また、ビタミンAとして働くだけではなく、βカロテン自身も活性酸素の発生を抑えたり免疫を強くしたりするなど、アンチエイジング効果も期待されています。
ビタミンC
ビタミンCには、活性酸素が細胞を傷つけるのを防ぐ作用があり、解毒やホルモン代謝、骨や腱のコラーゲンの生成をサポートする働きがあるといわれています。さらに、鉄分の吸収を促進する働きは、貧血防止にも役立つと考えられています。
ビタミンCは肝臓での体内合成が可能です。しかし、ストレスや加齢、肝機能の低下によって合成が追い付かないこともあるため、食べ物から継続的に摂取する必要があります。
チンゲンサイを犬が食べた際の犬への効果・影響
チンゲンサイを食べることで、皮脂や粘膜が健康になり、免疫力がアップすることが期待できます。カルシウムはほうれん草の約2倍、にんじんの約3倍含まれていることから、チンゲンサイは骨や歯の機能維持にも役立つでしょう。
犬に与えてよいチンゲンサイの量は?
小型犬の場合 | 20~60g程度 |
---|---|
中型犬の場合 | 60~120g程度 |
大型犬の場合 | 120~140g程度 |
子犬の場合 | 少しずつ与える |
老犬の場合 | 15~20g程度 |
犬にチンゲンサイを与える際の注意点
チンゲンサイのおすすめの与え方
茹でてから与えよう
チンゲンサイには、尿石症の原因となるシュウ酸がたくさん含まれおり、犬の下部尿路疾患の約20%は尿石症が原因といわれています。茹でることでシュウ酸は溶け出すため、愛犬に与える際は焼いたり電子レンジで温めたりして調理するのではなく、お湯で茹でてから与えましょう。
特にシュウ酸カルシウム尿石症を引き起こしやすいミニチュア・シュナウザー、ヨークシャー・テリア、ポメラニアン、シーズートイ・プードルには注意が必要です。
食べ合わせに要注意
チンゲンサイには硝酸という成分が含まれています。硝酸に有毒性はありませんが、食べ合わせによって発がん性物質に変換する危険性があります。
アミン成分が多く含まれる肉や魚と、納豆などの細菌を利用した発酵食品をチンゲンサイと一緒に摂取するのは避け、なるべくチンゲンサイ単体で食べさせましょう。
愛犬の様子を確認しながら与えよう
愛犬の健康状態によっては、チンゲンサイを食べると下痢や嘔吐、痒みなどの症状が出る場合があります。「初めて与えたときに問題なかったから大丈夫」と思わず、必ず愛犬の様子を終始確認しながらチンゲンサイを与えましょう。
細かく刻んで与えるのがベスト
犬は食べ物を噛む習慣がないため、チンゲンサイをそのまま飲み込んでしまうおそれがあります。細かく刻んでから与えましょう。
細かく刻むことで、チンゲンサイに含まれる栄養素の吸収率もアップしますよ。
こんな時は犬にチンゲンサイを食べさせないこと
甲状腺機能に病気がある愛犬には、チンゲンサイを与えないようにしましょう。
チンゲン菜などに含まれるグルコシノレートを過剰に摂取すると、甲状腺機能低下症や甲状腺腫瘍、甲状腺癌のリスクが高まります。
調理法や与える量に気をつければ問題ないともいえますが、リスク0とは言い切れません。ドッグフードで必要な栄養素は摂取できるので、チンゲンサイを無理に与える必要はありませんよ。
まとめ
チンゲンサイには有毒性のある成分が含まれていないため、犬に与えても問題ない野菜です。ただ、チンゲンサイにはシュウ酸がたくさん含まれているので、お湯で茹で、細かく刻んでから与えると良いでしょう。
甲状腺機能に病気がある愛犬には与えないよう気をつけましょう。
Adviser
ペットフーディスト 佐々木なるみ
愛犬の偏食をきっかけに資格を取得。これまでに4匹のわんちゃんと暮らしてきた。動物愛護に関心を寄せ、犬を含む多くの動物が幸せに暮らせる日本を目指している。