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七草粥とは、セリ(芹)・ナズナ(薺)・ゴギョウ(御形)・ハコベラ(繁縷)・ホトケノザ(仏の座)・スズナ(菘)・スズシロ(蘿蔔)の春の七草を使用して作られたお粥のことを指します。一年の無病息災や、五穀豊穣を願って1月7日に食べます。
作り方はとっても簡単で、サッと茹でた七草とご飯にお湯を足し、火にかけるだけです。味付けは塩だけで素材の味を楽しむのがポイントです。
行事食である七草粥を、はたして犬に与えても大丈夫なのでしょうか。
ANSWER 七草粥は犬に食べさせても大丈夫です。
七草粥には、犬に食べさせてはいけない食材が入っていないので、与えても問題ありません。ただ、犬にとって食べたことのない野菜が含まれているなど、あまり好んで食べない場合もあるでしょう。
この記事では、七草粥の栄養や与え方について解説します。「愛犬が七草粥に興味を持っている」「ドッグフードを食べないからお粥を与えてみたいと思っている」といった場合は、ぜひこの記事を参考にしてくださいね。
七草粥の主な成分や栄養素
タンパク質
七草粥のゴギョウやハコベラには、タンパク質が豊富に含まれています。
タンパク質は体の筋肉や皮、臓器を作るうえで欠かせない成分です。タンパク質の摂取不足は免疫機能や抵抗力の低下を引き起こす可能性があるため、毎食摂取することを心がける必要があります。
ビタミンA
七草粥のゴギョウやハコベラ、スズナには、ビタミンAが豊富に含まれています。
脂溶性ビタミンであるビタミンAは、皮膚や粘膜、目、骨の健康を維持する働きがあります。欠乏すると食欲不振や成長不良を引き起こし、反対に過剰摂取すると肝臓に蓄積されるため、欠乏よりも過剰に注意が必要です。
鉄分
七草粥のセリ・ナズナ・ハコベラ・スズシロには、鉄分が豊富に含まれています。
血液中の赤血球を作るヘモグロビンの材料で、不足すると貧血になります。吸収を促進するビタミンCなどと成分と一緒に摂取すると、より吸収率が高まるといわれています。
ビタミンB群
七草粥のセリ・ナズナには、ビタミンB群が豊富に含まれています。
ビタミンB群とは、ビタミンB1・B2・B6・B12・ナイアシン・パントテン酸・葉酸・ビオチンの8種類を指し、エネルギー代謝をサポートする補酵素として働きます。
ビタミンB群は水に溶けやすい水溶性ビタミンなので、尿と一緒に排出されてしまう特徴があります。継続的に、そしてまんべんなく取りましょう。
七草粥を犬が食べた際の犬への効果・影響
七草粥には、三大栄養素のタンパク質だけでなく、ビタミンやミネラルなどが豊富に含まれています。皮膚の健康や貧血の予防など、さまざまな健康促進効果が期待できるでしょう。
犬に与えてよい七草粥の量は?
小型犬の場合 | 大さじ3~5 |
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中型犬の場合 | 大さじ6~10 |
大型犬の場合 | 約大さじ12 |
子犬の場合 | 大さじ1~2 |
老犬の場合 | 大さじ3~5 |
犬に七草粥を与える際の注意点
七草粥のおすすめの与え方
冷ましてから与えよう
私たち人間は熱々の七草粥をいただきますが、犬だと火傷してしまう危険性があります。食べ物で嫌な経験をするとトラウマになり、その食材だけでなくドッグフードなども食べなくなることがあります。
「このくらいで大丈夫かな?」ではなく、実際に食べて温度を確かめてから与えてくださいね。
味付けなしで与えよう
基本的に、七草粥は塩を入れて味付けします。私たち人間は薄いと感じることがありますが、犬にとっては塩分過多になってしまうおそれもあります。塩だけでなく、醤油や顆粒出汁を入れないようにしましょう。
ご飯を温めるだけでも風味が出るので、味付けなしでも食べてくれるでしょう。愛犬の食いつきがよくない場合は、煮干しなどで取っただしを少し加えると良いですよ。
七草は細かくカットしてから与えると食べやすい
犬は食べ物を噛む習慣がありません。飲み込んだ七草の消化に時間がかかり、場合によっては消化不良を起こすこともあります。
七草全て約1cm幅にカットし、しっかり加熱してから与えてくださいね。
食欲不振の愛犬におすすめ
七草粥はサラリとしていて食べやすい食べ物です。お湯を入れて加熱することでお米の風味もアップするので、食欲不振の愛犬におすすめです。
また、水分補給が苦手な愛犬に与えてみるのも良いでしょう。ご飯と一緒に水分も補給できるので、一石二鳥です。
ただ、七草粥は人間にとって消化の良い食べ物ですが、犬は食物繊維の吸収が得意ではありません。大量の七草粥を与えるのは控えましょう。
こんな時は犬に七草粥を食べさせないこと
甲状腺機能低下症など、甲状腺に問題がある愛犬に七草粥を与えるのはNGです。七草の1つナズナはアブラナ科で、このアブラナ科に含まれるゴイトロゲンという成分が、甲状腺に負担をかけるといわれています。
七草粥を食べて嘔吐や吐き気などの症状がみられた場合は、すぐに与えるのをやめ、症状が長引くようであれば獣医師の診察を受けましょう。
まとめ
七草粥には、犬の健康を害する成分が含まれていないので、与えても大丈夫な食材です。七草を細かくカットし、冷ましてから少しずつ与えましょう。
七草の1つであるナズナには甲状腺に負担をかける成分が含まれています。甲状腺に問題がある愛犬に七草粥を与えないようにしてくださいね。
Adviser
ペットフーディスト 佐々木なるみ
愛犬の偏食をきっかけに資格を取得。これまでに4匹のわんちゃんと暮らしてきた。動物愛護に関心を寄せ、犬を含む多くの動物が幸せに暮らせる日本を目指している。