この記事はワンコnowa編集部が監修・執筆を行っています。
マスティフの基本データ

原産国 | イギリス(イングランド) |
---|---|
サイズ | 超大型犬 |
犬種グループ | 使役犬 |
飼いやすさ・しつけのしやすさ | 上級 |
運動量 | 中 |
トリミング | 不要 |
ブラッシング | 週2回 |
お散歩 | 1日30分~1時間程度 |
飼育費用 | 月3~5万(医療費別途) |
かかりやすい病気・怪我 | 眼瞼外反症、股関節形成不全、胃捻転 |
マスティフの歴史
その場にいるだけでみんなの注目を集める、超大型犬種のマスティフは歴史が古い犬種です。
チベタン・マスティフを祖先の持つと言われ、紀元前700年頃の古代バビロンのレリーフには、マスティフがライオン狩りに使われているようすが描かれていてとても古い歴史を持つ犬種だということが分かります。
軍用犬としても人気があったマスティフは、古代ローマの政治家、軍人でもあったジュリアス・シーザーがイングランドへ遠征したときにマスティフを持ち帰り、ライオンと格闘させたとも言われています。
熊や牛とマスティフを闘わせる闘犬も人気がありましたが、1800年代前半にイギリスで闘犬が禁止され、1900年代に入ってからはアメリカへ持ち込まれ、屈強な体格を持つマスティフはブリーダーの間で人気となり、家庭犬として広まりました。
現在は家庭犬、番犬として、友好的に改良され、闘犬として使われていた頃に比べると大人しく性格的に落ち着いているマスティフが多いです。
マスティフの性格と特徴・飼いやすさ

長い歴史を持つマスティフですが、大きな体格を持ち、パワーもあるため、しっかりとお世話の時間をかけられる人や、マスティフのわんちゃんのためのスペースを確保できる住環境がある人に向いています。
飼い主さんに向けられる愛情は深く、家族のことも大切にします。体が大きいため、思いがけず物を破壊してしまったり、小さな子どもが一緒に過ごしたりする場合には注意が必要です。
子犬の頃から家族として迎え入れる場合は飼い主さんや家族がしっかりとコントロールできるようにしておくことが大切です。
シャンプーやブラッシングもほかのわんちゃんと比べると時間がかかりますが、番犬としてはもちろん、また、その体格同様に大きな愛情で家族を包んでくれることでしょう。
マスティフの被毛と種類
マスティフの被毛はとても短くお手入れの手間はあまりかかりません。被毛のカラーはアプリコット・フォーン、シルバー・フォーン、フォーン、ダーク・フォーン・ブリンドルとカラーバリエーションに富んでいます。
どのカラーであっても、マズル(鼻のまわり)と耳、鼻、目の周辺はブラック、両目の間も上に向かってブラックであることが一般的です。
- アプリコット・フォーン
- シルバー・フォーン
- フォーン
- ダーク・フォーン・ブリンドル
マスティフの大きさ・体高・体重
体格ががっしりしたマスティフはどの角度から見ても頭のアウトラインは正方形で、胴体に合わせ足は長方形に位置しているのが特徴です。
体は頑健であり幅が広く、筋肉質です。マスティフにとってはサイズとともに体高と体躯のバランスがとれていることが重要です。
体重は成人男性の平均体重よりも重くなることもあり、マスティフの存在感を際立たせます。
マスティフの体重 | マスティフの体高 |
---|---|
60~80kg | 60~75cm |
マスティフの平均寿命と人間年齢
マスティフの平均寿命は6~10年です。体格が大きいため、一緒に暮らすにはハードルが高い犬種と言えますが、とても愛情深く家族を守ってくれます。
人間に換算した場合の年齢は下記の表をご参照ください。
犬の年齢 | 人間に換算した年齢 | 成長ステージ |
---|---|---|
1歳 | 10歳 | 子犬 |
1歳半 | 15歳半 | |
2歳 | 19歳 | |
3歳 | 29歳 | 成犬 |
4歳 | 39歳 | |
5歳 | 49歳 | シニア犬 |
6歳 | 59歳 | |
7歳 | 69歳 | |
8歳 | 79歳 | 高齢犬 |
9歳 | 89歳 | |
10歳 | 99歳 | |
11歳 | 109歳 | 超高齢犬 |
12歳 | 119歳 |
こちらの表は、
- 小型犬・中型犬「24+(犬の年齢-2)×4=人間に相当する年齢」
- 大型犬「12+(大型犬の年齢-1)×7=人間に相当する年齢」
の方式に基づいて計算しています。詳しくは、下記の記事をご覧ください。
マスティフのかかりやすい病気
マスティフのかかりやすい病気 1 眼瞼外反症
下まぶたの粘膜部分がむき出しになった状態が続く病気です。目やにが増えたり、目が充血したりといった症状で気づくことが多いです。
症状に気付いたら動物病院を受診しましょう。マスティフのような顔の皮膚が垂れている犬種に多い病気です。
マスティフのかかりやすい病気 2 股関節形成不全
大型犬に多い遺伝性疾患です。成長期の急激な体重増加に股関節が耐えられず、炎症が起きる病気です。
分かりやすい症状としては後肢のふらつきですが、歩くことを嫌がる、歩き方に違和感がある、段差を嫌がる、車から飛び降りることができない、散歩の途中で座り込んでしまうといった異変がある場合は動物病院で診察を受けましょう。
治療は炎症を抑える内服薬を飲んだり、症状が深刻な場合は外科的手術をして治療します。
マスティフのかかりやすい病気 3 胃捻転
何らかの原因により、胃の中でガスが発生しそのガスが胃に充満することで胃がねじれてしまう病気です。
この時、ほかの臓器を圧迫したり、血液循環を妨げることが多く、すぐに処置しなれければ高確率で命を落としてしまう病気です。
主な症状は腹部が膨れる、吐こうとするが何も出ない、大量のよだれ等ですが、すぐに病院へ行き処置をする必要があります。
食後すぐに運動をしたり、早食いも原因になりやすいため、ゆっくり食べさせるようにしたり、運動や散歩は必ず食事の前に行いましょう。
マスティフの飼い方・飼う際の注意点

マスティフの飼い方・飼う際の注意点 1 毎日のお散歩をゆっくりと楽しむ
思いっきり走らせたり、ジャンプさせたりといった運動は必要ありませんが、運動量が少ないと筋肉を維持できないため、関節への負担が大きくなってしまいます。毎日のお散歩をマスティフのわんちゃんと一緒にゆっくり歩いて楽しみましょう。
また、体重を増やしすぎないように日頃から気を付けてあげましょう。
マスティフの飼い方・飼う際の注意点 2 よだれケアはかかせない
日常的によだれが出やすい犬種のため、絞った濡れタオルでお顔を拭き、よだれをそのままにしないようにケアしましょう。
また、お顔や首まわりのしわの間の汚れも同じように拭いてケアをするようにしましょう。
よだれや、しわの間の汚れをそのままにしておくとニオイの原因になったり、皮膚炎の原因になってしまうことも。体が大きいからこそ細かいところのケアは欠かせません。
マスティフの飼い方・飼う際の注意点 3 思いがけない破壊に注意
体が大きく存在感抜群のマスティフですが、その大きさで思いがけず何かを壊してしまうこともあり得ます。マスティフのわんちゃんが生活するスペースには壊れやすいものを置かないようにしましょう。
また、おもちゃは、たやすく破壊されてしまうものや、誤飲できてしまうサイズのもは使用せず、おもちゃで遊んだあとは片づけてそのままにしないようにしましょう。
また股関節形成不全のリスク軽減のために段差や階段の少ないスペースにいさせてあげるようにしましょう。
マスティフの飼い方・飼う際の注意点 4 子犬のころからトレーニングをしっかりしよう
骨格が大きなマスティフはパワーもあるため、女性1人だと制御が難しいこともあります。子犬の頃から家族みんなでトレーニングを欠かさず行い、力で制御するだけでなく、号令やコマンドで指示を聞けるようにしておくと一緒に暮らす上で役立ちます。
基礎を飼い主も一緒に学ぶためにはしつけ方教室へ一緒に通うのがおすすめです。
マスティフは落ち着いていて、まったりした性格も持っているため、焦らずマイペースにトレーニングを継続していけると良いですね。
マスティフの飼い方・飼う際の注意点 5 マスティフの歴史を知っておく
現在のマスティフは家庭での飼育やドッグショーにあわせ、温和な性格へと改良がされていますが、長らく闘犬として活躍していたというバックも忘れてはなりません。
マスティフのわんちゃんと一緒にはじめての場所へ行ったり、ストレスがかかるような環境へ出たりする場合は注意をして、コントロールができるように準備としつけをしっかりしておきましょう。
マスティフをお迎えする方法
ブリーダーさんからお迎えする
マスティフ専門の優良ブリーダーをネットなどで検索してみましょう。ブリーダーから子犬をお迎えする場合は両親が明らかなので、毛色や体格、性格などがわかるメリットがあります。
また、お迎え後もブリーダーさんに困った時に相談ができたり、兄弟犬の輪が広がったりとサポートしてもらえる繋がりがもてるのも心強いポイントです。
保護犬のマスティフを探して里親になる
動物保護施設や動物愛護ボランティア団体などでは、繁殖犬を卒業して保護された子や、飼い主の事情で手放されて保護されているマスティフを見つけられるかもしれません。事前にサイトやSNSなどで探してみてくださいね。
マスティフの値段・価格の相場
価格相場は60~80万円です。流通が少ない犬種のため、価格が高めであることが多いです。
まとめ
そこにいるだけで存在感と風格にあふれるマスティフは家族思いで番犬としても活躍してきました。一緒に暮らすためには、お世話の費用やスペースの広さがしっかりと確保できることが大切です。小型のわんちゃんと暮らすよりはハードルは高く、気を付けないといけないことも多いですが、一緒に過ごした日々は人生の中で輝かしい時間になることでしょう。
Writers
ワンコnowa 編集部
愛犬飼育管理士/ペットセーバー/犬の管理栄養士の資格を有し、自らもワンコと暮らすワンコnowa編集部ライターチームが執筆を行なっています。
チワワのような小型犬からゴールデンレトリーバーのような大型犬まで、幅広い犬種と暮らす編集部スタッフたちが、それぞれの得意分野を生かし飼い主視点でわかりやすい記事を目指しています。
