鮮やかなオレンジ色とほどよくのった脂が食欲をそそる鮭。秋に旬を迎える鮭は川で生まれ、海へと下って成長し再び生まれた川に戻って卵を産むのが特徴です。日本であれば主に北海道で獲ることができますが、海外であればノルウェーやチリ産のものが日本でもよく出回っています。
私たち日本人は焼いたり煮たりして鮭を食べますが、はたして犬に与えても大丈夫なのでしょうか。
ANSWER 鮭は犬に食べさせても大丈夫な食べ物です。
鮭には犬の健康を促進する栄養素が豊富に含まれているため、犬に与えても良い食べ物です。しかし、寄生虫が寄生している危険性や過剰摂取によって下痢や嘔吐などを引き起こすおそれがあり、与え方に気をつける必要があります。
「愛犬に鮭を食べさせたいけれど与え方が分からない」という飼い主さんは、ぜひこの記事を参考にしてくださいね。
鮭の主な成分や栄養素
タンパク質
タンパク質は体の筋肉や皮、臓器を作るうえで欠かせない成分です。タンパク質の摂取不足は免疫機能や抵抗力の低下を引き起こす可能性があるため、毎食摂取することを心がける必要があります。
ビタミンD
カルシウムの吸収をサポートする役割があり、骨の健康維持に役立つ成分です。犬は体内でビタミンDをほんの少ししか作ることができないため、食事で補う必要があります。
アスタキサンチン
サケやエビ、カニなどに多く含まれている赤色の天然色素、カロテノイドの一種。ビタミンEの100~1000倍、ビタミンCの約6,000倍もの優れた抗酸化作用を持つといわれており、体内の余分な活性酸素を除去する働きが期待されています。
EPA・DHA
オメガ3脂肪酸(n-3脂肪酸)であるEPAと DHAは、体内生成できないため食事から摂取しなければなりません。DHAは脳を活発化することが期待されており、EPAは体内のコレステロールや脂肪分を減らし、血管の流れを良くする働きがあると考えられています。
鮭を犬が食べた際の犬への効果・影響
鮭にはさまざまな種類の栄養素が含まれており、骨の健康や細胞の酸化の抑制、血液の流れを良くする効果などが期待できます。
犬に与えてよい鮭の量は?
小型犬の場合 | 30~50g |
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中型犬の場合 | 50~100g |
大型犬の場合 | 100~145g |
子犬の場合 | 10gほど |
老犬の場合 | 少量ずつ与える |
犬に鮭を与える際の注意点
鮭のおすすめの与え方
味付けなしで加熱してから与えよう
ついつい塩などの調味料を使って魚を調理したくなりますが、犬用であれば味付けなしで調理しましょう。また、しっかり加熱して与えるのも大事なポイント。生の鮭にはアニサキスという寄生虫が寄生している危険性があり、誤って摂取してしまうと激しい腹痛や嘔吐などの症状が出る可能性が高いです。アニサキスは熱に弱く、60度で1分以上の加熱で死滅するといわれています。愛犬に鮭を与える際は、中心部分までしっかり温めてくださいね。
鮭の皮は与えてもOK
鮭の皮にはコラーゲンが豊富に含まれています。犬の関節の動きをスムーズにすることが期待できるため、与えても良いでしょう。ただ、ウロコが付いていると消化不良を起こす場合があるので、ウロコを取り、細かく刻んでから与えるのがベスト。フードプロセッサーを使用すると、より体内吸収しやすくなりますよ。
鮭フレークなどの加工品は与えてはいけない
鮭フレークなどの人間が食べる加工品は、添加物が多く含まれています。塩分・糖分の過剰摂取は健康を害する危険性があるため、人間用の加工品は与えないようにしましょう。
また、スーパーなどで販売されている鮭の切り身の中には、塩などの調味料で味付けされているものもあります。塩鮭・醤油漬け・みりん干しなどの商品は人間用の食べ物なので、味付けがされていない鮭を購入して犬に与えてくださいね。
骨を取り除いてから与えよう
鮭には大きい骨もあれば小さな骨もあります。愛犬がのどに詰まらせてしまうと危険なので、加熱した鮭をほぐし、骨をすべて取り除いてから与えましょう。手でほぐすと骨を見つけやすいですよ。
こんな時は犬に鮭を食べさせないこと
鮭を食べてアレルギー反応を示すことが稀にあります。初めて愛犬に鮭を与える際は、少しずつ様子を見ながら食べさせてみてください。もしも嘔吐や下痢などの症状が見られたら与えるのをすぐにやめてください。症状が長く続くようであれば、獣医師の診察を受けましょう。
まとめ
鮭にはバラエティー豊富な栄養素が豊富に含まれており、犬の健康を促進することが期待できるため、犬に与えても良い食べ物です。食べさせる際は、しっかり加熱して骨を取り除いてくださいね。
ドッグフードのトッピングにしたりおやつとして少量与えたりするのがおすすめです。
Adviser
ペットフーディスト 佐々木なるみ
愛犬の偏食をきっかけに資格を取得。これまでに4匹のわんちゃんと暮らしてきた。動物愛護に関心を寄せ、犬を含む多くの動物が幸せに暮らせる日本を目指している。