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カボチャはその昔、戦国時代にポルトガルから持ち込まれたものといわれており、今では主に日本カボチャ・西洋カボチャ・ペポカボチャの3種類が日本で栽培されています。
ペポカボチャは収穫してすぐに食べることができますが、日本カボチャと西洋カボチャは約3ヶ月ねかせて食べるのが一般的。夏から初秋にかけて収穫したカボチャをねかせることで、甘みが増し、水分量もアップするのです。
私たち日本人はカボチャを煮たり焼いたりして食べますが、はたして犬に与えても大丈夫なのでしょうか。
ANSWER かぼちゃは犬に食べさせても大丈夫です。
カボチャはビタミン豊富で健康促進効果が期待できるため、犬に与えてもよい野菜です。さらに、甘いものを好む愛犬にはご褒美としてあげるのも良いでしょう。
ただ、皮や種などのどに詰まらせる危険性があるため、与え方に注意が必要です。この記事では、カボチャに含まれる栄養素や与え方について詳しく解説します。犬にカボチャを与えようとしている飼い主さんは、ぜひ参考にしてくださいね。
かぼちゃの主な成分や栄養素
ビタミンE
脂溶性ビタミンであるビタミンEは、体内の脂質の酸化を抑制する抗酸化作用を持ちます。細胞の老化を防ぐ効果も期待できることから、免疫力の向上や動脈硬化予防につながるといわれています。
β-カロテン
βカロテンは、必要量のみ犬の体内でビタミンAに変換され、皮膚や粘膜の健康維持や視力維持をサポートします。また、ビタミンAとして働くだけではなく、βカロテン自身も活性酸素の発生を抑えたり免疫を強くしたりするなど、アンチエイジング効果も期待されています。
ビタミンB群
ビタミンB群とは、ビタミンB1・B2・B6・B12・ナイアシン・パントテン酸・葉酸・ビオチンの8種類を指します。エネルギー代謝の補酵素を担うため、いくらエネルギーとして働くタンパク質や脂質を摂取しても、ビタミンB群が不足していては意味がありません。
ビタミンB群は水に溶けやすい水溶性ビタミンなので、尿と一緒に排出されてしまう特徴があります。ビタミンB群は継続的に、そしてまんべんなく取る必要があります。
食物繊維
食物繊維は水に溶けやすい水溶性食物繊維と水に溶けにくい不溶性食物繊維に大きく分けることができます。カボチャにはどちらもバランス良く含まれており、腸内環境鵜を整えたり蠕動運動を活発化して排便を促進したりする働きがあります。過剰摂取すると、消化されずに腸に残った食物繊維が便と一緒になってどんどん膨れ上がります。結果として、消化不良を引き起こす可能性があるため与える量に注意が必要です。
かぼちゃを犬が食べた際の犬への効果・影響
かぼちゃにはビタミンが豊富に含まれており、これらの栄養素は細胞の酸化を抑制したりエネルギー代謝を後押ししたりする働きが期待できます。また、かぼちゃ含有の食物繊維は水溶性食物繊維と不溶性食物繊維がバランスよく、腸内環境にも良い影響を与えてくれるでしょう。
犬に与えてよいかぼちゃの量は?
小型犬の場合 | 2切れ(約50gまで) |
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中型犬の場合 | 3切れ(約75gまで) |
大型犬の場合 | 4切れ(約100gまで) |
子犬の場合 | 少量ずつ与える |
老犬の場合 | 少量ずつ与える |
犬にかぼちゃを与える際の注意点
かぼちゃのおすすめの与え方
味付けなしでも十分甘い
カボチャはそもそも味がしっかりしている野菜なので、砂糖・醤油・塩などの調味料を入れて調理する必要はありません。「味がしないのでは」と思うかもしれませんが、味付けしなくてもしっかりカボチャの甘みを感じることはできます。
人間が食べる感覚で味付けしてしまうと塩分・糖分過多になるおそれがあるので、シンプルにそのまま与えてくださいね。
茹で・蒸しがベストな与え方
カボチャは、カットするときに全体重をかけるほど固い野菜です。生のまま与えると消化不良を引き起こす危険性があるため、しっかり加熱してから与えましょう。
おすすめは、茹でたり蒸したりして調理する方法です。余分な油を加えて調理する必要がなく、カボチャの中心部分までしっかり柔らかくなります。小さめにカットして調理すれば、そのまま愛犬に与えることができるのでとっても楽ですよ。ご飯のトッピングやおやつとして与えてみてくださいね。
種や皮はなるべく与えない
種や皮には、オメガ3やオメガ6、βカロテンなどの栄養素が豊富に含まれています。栄養面でいえば与えたほうが良いですが、種や皮はのどに詰まらせる危険性があるので、なるべく与えないようにしてください。
カボチャの加工品はNG
人間用に作られているクッキーやケーキなどのカボチャの加工品は、犬に与えてはいけません。これらの加工品は添加物が多く含まれているため、過剰に塩分や糖分を摂取してしまう場合があります。犬用のおやつであれば犬の体に合わせて作られているため、与えても問題ありませんよ。
こんな時は犬にかぼちゃを食べさせないこと
かぼちゃに対してアレルギー反応を示す犬もいます。特にイモ類の野菜を食べてアレルギー症状が出たことのある愛犬であれば、カボチャを食べさせないほうが良いでしょう。
もしもカボチャを食べて下痢や嘔吐などの症状が出た場合は、すぐに与えるのを止め、気になるようであれば獣医師の診察を受けてくださいね。
まとめ
カボチャは犬に与えて良い野菜です。栄養価が高く甘い野菜なので、健康促進効果はもちろんのこと、食欲低下がみられる愛犬の食いつきにも変化があらわれることが期待できます。
カボチャはとても固い野菜ですので、しっかり加熱して小さくカットしてから与えてくださいね。
Adviser
ペットフーディスト 佐々木なるみ
愛犬の偏食をきっかけに資格を取得。これまでに4匹のわんちゃんと暮らしてきた。動物愛護に関心を寄せ、犬を含む多くの動物が幸せに暮らせる日本を目指している。