トイプードルに代表されるプードル種には、4種類のサイズがあります。気品ある優雅な姿とは裏腹に運動神経抜群のスタンダードプードル。本来、水猟犬として活躍していたスタンダードプードルは、全犬種中トップクラスの賢さを持っています。また、日本では13年連続人気ランキング 1位に君臨しているトイプードルやサイズ違いのミニチュアプードル、ミディアムプードルもスタンダードプードルを基礎犬として作出された犬種です。どのプードルも容姿の美しさはもちろん、毛が抜けにくく、体臭が少ない上、豊富なカットスタイルがあることも人気の秘密と言えます。
トイプードル(プードル)の基本データ
原産国 | フランス |
---|---|
サイズ | 中型犬・小型犬 |
犬種グループ | 愛玩犬グループ(家庭犬、伴侶や愛玩目的の犬G) |
飼いやすさ・しつけのしやすさ | 比較的初心者でも挑戦しやすい |
運動量 | 中程度 |
トリミング | 必要(月1回程度) |
ブラッシング | 毎日 |
お散歩 |
プードル:1日2回×1時間程度 トイプードル:1日2回×30〜40分程度 |
飼育費用 | 月2〜4万(医療費別途) |
かかりやすい病気・怪我 | 膝蓋骨脱臼、骨折、涙やけ、クッシング症候群 |
トイプードル(プードル)の歴史
トイプードルの原種は、大型犬のスタンダード・プードルです。プードルの発祥は、ロシアまたは中央アジア北部ではないかと推測されていますが、その後フランスへ渡り、フランス原産とされることが多くなっています。
いつ頃トイプードルに品種改良されたのかは明確ではありませんが、15世紀のドイツの画家が小さなプードルを描いていることから、15世紀頃ではないかと考えられています。
トイプードル(プードル)の大きさ・体高と体重
体長と体高がほぼ同じスクエア形のバランスのとれた体型で、特徴的な縮れた被毛は巻き毛もしくは縄状毛になっています。優雅で誇らしげな印象を与える犬種です。
プードルの種類 | プードルの体重 |
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スタンダード・プードル | 16〜29kg |
ミディアム・プードル | 8〜15kg |
ミニチュア・プードル | 5〜8kg |
トイ・プードル | 3kg前後 |
プードルの種類 | プードルの体高 |
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スタンダード・プードル | 45cm〜60cm |
ミディアム・プードル | 35cm〜45cm |
ミニチュア・プードル | 28cm〜35cm |
トイ・プードル | 24cm〜28cm |
プードルのスタンダードについて
ここでは、プードルのスタンダード「スタンダードプードル」の起源についてご紹介します。
フランスでは国民的人気を持つスタンダードプードルは、フレンチプードルとも呼ばれ、フランス原産の犬と言われています。一方で、プードルという名は、水をはねかけるという意味のドイツ語が起源とされていることから、ドイツが原産ではないかと推測するケネルクラブもありますが、詳細はわかっていません。また、スタンダードプードルの祖先は中央アジアにいた巻き毛の犬だったとも言われています。この巻き毛の犬が、アジアからかポルトガルへ渡り、フランス、ハンガリー、ロシアなどへ広がり、水中作業を得意とする犬と交配した結果、現在のスタンダードプードルが誕生したとも考えられています。
諸説あるトイプードルの起源
泳ぎの能力と賢さを併せ持ったスタンダードプードルは、16世紀にはフランスでカモ猟を使役として活躍していました。このことからフランスでは、プードルではなく「カニッシュ」(カモを獲る犬)と呼ばれています。また、水猟犬としてだけではなく愛玩犬として、フランスはじめヨーロッパの貴族からも絶大な人気を得ていました。一説には、この時代に、スタンダードプードルを小さくし、愛玩犬としてふさわしいサイズのトイプードルが誕生したと言われています。
また、訓練性能の高さから、サーカス団で「トリックドッグ」としても活躍していたスタンダードプードルは、イギリスに渡り、優れた嗅覚を生かしトリュフ探知犬として能力を発揮。トリュフを掘りだすために小型化されたという説もあります。さらに、20世紀に入りアメリカに渡ったスタンダードプードルが、アメリカの家庭犬に向く犬として小型化され、トイプードルが誕生したと言う説など諸説ありますが、現在のFCIでの登録は原産国がフランスとなっています。
プードルの性格
フランス人に愛されフランスの国犬となっているスタンダードプードルですが、実は原産国はドイツ。ドイツ語で水しぶきを表す言葉「プデリン」がプードルの由来です。ドイツで水猟犬として作出されたスタンダードプードルは、高い水泳能力、知的で明晰な頭脳を持つことで知られています。外見はエレガントですが、飛び跳ねるように走り、時にはテーブルの上まで垂直跳びで乗ってしまうほどの運動能力を持ち合わせています。子犬の頃から、賢さと高い運動能力を発揮し、時にはいたずらで飼い主の頭を悩ませるところもスタンダードプードルの魅力です。
プードルのサイズの種類について
プードルは大きく分けるとスタンダード、ミディアム、ミニチュア、トイの4タイプ。この中で、最も古くから存在していたのがスタンダードプードルで、次に古い犬種のトイプードルはスタンダードプードルを小型化した犬種だと言われています。このほかに、トイプードルより少し大きいミニチュアプードルやスタンダードプードルよりやや小さいミディアムプードルも犬種として認められています。どのタイプも同じプロポーションを持っていることが特徴です。
なお、小さいことから注目を集めているタイニープードルやティーカッププードルは、JKC(ジャパンケネルクラブ)、AKC(アメリカンケネルクラブ)、FCI(国際畜犬連盟)などの犬種団体から犬種として認められていません。
スタンダードプードルのサイズ
小さな子犬の頃は、トイプードルとそっくりなスタンダードプードルは、ミディアム、ミニチュア、トイの基礎犬となっている犬種です。そのため、スタンダードプードルの特徴である均整のとれたスクエアな体つきや体高と体長がほぼ同じといったプロポーション、細い手足、小さめの頭部はどのサイズのプードルにも受け継がれています。
体重と体高
標準的なスタンダードプードルの体重はオスが約27〜約32kg、メスでは約18〜約22.6kgとされています。また、体高はオス、メスどちらも45cm〜60cm程度が理想とされています。
ミディアムプードルのサイズ
1700年代、フランスでスタンダードプードルを改良して作出されたのがミディアムプードルです。アメリカでは、最も人気のあるサイズがこのミディアムプードルですが、AKC(アメリカンケネルクラブ)では公認されていません。なお、日本では、アメリカと同様にミディアムプードルと呼ばれていますが、ヨーロッパではフランス語で中間のサイズを表す「モワイヤン」または同じ意味のドイツ語で「クライン」と呼ばれています。
体重と体高
標準的なミディアムプードルの体重は約9〜約13kgとされています。また、体高はオス、メスどちらも38cm〜50cm程度が理想とされ、スタンダードプードルとミニチュアプードルの中間に位置するサイズです。
ミニチュアプードルのサイズ
知能の高さと訓練のしやすさからフランスで注目を集めたスタンダードプードルですが、より家庭犬として飼いやすいサイズへと改良されたのがミニチュアプードルです。現在では都市で飼育するのに適したサイズながら、スタンダードプードルの特徴を強く残している犬種として欧米で人気があります。
体重と体高
標準的なミニチュアプードルの体重は約3〜約13kgと幅広い大きさが認められています。また、体高はオス、メスどちらも28cm〜38cm程度が理想とされ、トイプードルについで小さいサイズです。
トイプードルのサイズ
ぬいぐるみのような可愛らしさからフランスのルイ16世、アン女王にも愛されたトイプードル。日本でも抜群の人気を誇っている犬種です。カールした巻き毛と大きな瞳、愛らしい顔立ちがトイプードルの魅力です。公認されているプードル種の中で最も小さいサイズがトイプードルです。
体重と体高
標準的なトイプードルの体重は約3〜5kg、体高25cm〜28cmがスタンダードとされています。ミニチュアプードルと同時期に、スタンダードプードルを改良して作出された犬種です。
プードルの毛の色の種類について
日本で人気のある小型犬種トイプードルの原型でもあり、プードル種の中で最も古い歴史を持つスタンダードプードルは、元来、ハンターが撃ち落とした水鳥を泳いで回収してくる役割を担っていました。ラブラドール・レトリバーやゴールデン・レトリバーと同じ回収犬としての使役を担っていたスタンダードプードルとレトリバー種との大きな違いが豊富な毛量とクルクルと巻いた被毛です。また、強い巻毛のため抜け毛が少ないこともレトリバー種との大きな違いです。カットしやすい柔らかい被毛を持つスタンダードプードルですが、生涯にわたって被毛が伸び続けることが大きな特徴です。
プードルの被毛カラーはバリエーションが豊富
多彩な毛色が認められているプードル。JKCでは、どのサイズも単色であることが望ましいとしています。JKCが公認している被毛カラーは、ブラック、ホワイト、ブラウン、グレー、フォーンの5色。この他にも、AKCではブラウン&アプリコット、カフェオレ、ホワイト&レッド、ブラック&タンなどさまざまな配色も認めています。ここでは、JKCが公認する被毛カラーについてご紹介します。
ブラック
スタンダードプードルで、よく見かけるカラーがプードルの基本の被毛カラーでもあるブラックです。プードルは、遺伝子にブラックの要素を持っている犬種のため、ブラックの被毛を持って生まれることが多いと考えられています。ブラックの被毛のプードルは、ブラックプードルとも呼ばれアイライン、爪、唇など全身が色素の濃い真っ黒で覆われています。なお、ブラックのプードルは、年齢とともにブラックからグレーに退色していくことがあります。
ブラウン
プードルが本来持っている被毛カラーの優生遺伝子の一つがブラウンです。プードルのブラウンはレバーブラウンと呼ばれる赤みがかった茶色で、全身が均一に濃いレバーブラウンで覆われています。JKCでは、ブラウンには深みがあり、均一で温かみがあるべきであるとし、ベージュ及びそこから派生した明るい色は認められないとしています。さまざまな被毛カラーがあるプードルの中でも、最も美しい色の一つがこの被毛カラーで、目の色も他の色のプードルとは異なる琥珀色をしています。また、アイライン、唇、肉球、爪なども被毛と同じレバーブラウンであることが特徴です。ブラックプードルと同じように、成長とともに退色していくことがあります。
ホワイト
プードルといえばホワイトのイメージが強くある被毛カラーですが、実は被毛の色素の形成をブロックする劣性遺伝子の作用によって発現する色なのです。ブラック、ブラウンについで多いホワイトのプードルは、その美しさと賢さから古くから著名人にも愛されてきたことで、プードル=ホワイトのイメージが定着したと考えられます。ホワイトのプードルは、鼻、アイライン、唇は黒く、爪の色は黒または白、瞳は暗い色であることが求められています。なお、ホワイトの毛色が持つ遺伝子的な要因から聴覚障害を発症するリスクが高いとされています。
グレー(シルバー)
日本で圧倒的に人気のある被毛カラーがシルバーと呼ばれることもあるグレーです。スタンダードプードルにはあまり見られないグレーは、劣勢の遺伝子によって生まれた色で、ミニチュアプードルに多く見られます。トイプードルはミニチュアプードルからグレーの遺伝子を引き継いだと考えられています。繁殖が難しいグレーのプードルですが、グレーのプードルの大きな特徴は、生まれた時は足回りは白く、これ以外はブラックであること。生後6週齢になると、グレーが目立つようになり、最終的に全身がグレーのプードルになります。なお、人気のあるグレーですが、鼻、アイライン、唇、爪の色は黒であることが求められています。
フォーン
フォーンとは、小鹿色を表す呼び名で金色がかった色をさします。薄い黄金色(ペールフォーン)から濃い黄金色まで、フォーンには数種類のバリエーションがあり、それぞれ名前が付けられています。フォーンの中で最も人気のある色がレッドフォーンで、一般にアプリコットと呼ばれています。フォーンは、瞳、鼻、唇、アイライン、肉球などにしっかりと色素が沈着していることが求められています。
トイプードル(プードル)の寿命
遺伝子的持病がなく、病気にかかりにくい丈夫な体を持つトイプードルの平均寿命は12〜15歳といわれていて、比較的長生きできる犬種です。最高寿命は20歳298日で、ギネス世界記録に認定されています。
日頃からストレスをためにくい飼育環境を整え、健康状態をチェックし、病気にかからないように気遣ってあげることが寿命を延ばす秘訣です。
プードル(トイプードル)の人間に換算した場合の年齢は下記の表をご参照ください。
犬の年齢 | 人間に換算した年齢 | 成長ステージ |
---|---|---|
3か月 | 4歳 | 子犬 |
6か月 | 7歳半 | |
9か月 | 11歳 | |
1歳 | 15歳 | |
1歳半 | 19歳半 | |
2歳 | 23歳 | 成犬 |
3歳 | 28歳 | |
4歳 | 32歳 | |
5歳 | 36歳 | |
6歳 | 40歳 | シニア犬 |
7歳 | 44歳 | |
8歳 | 48歳 | |
9歳 | 52歳 | |
10歳 | 56歳 | |
11歳 | 60歳 | |
12歳 | 64歳 | |
13歳 | 68歳 | |
14歳 | 72歳 | 高齢犬 |
15歳 | 76歳 | |
16歳 | 80歳 | |
17歳 | 84歳 | |
18歳 | 88歳 | |
19歳 | 92歳 | |
20歳 | 96歳 |
トイプードル(プードル)の飼い方・飼う際の注意点
一緒にたくさん遊んであげよう!
コミュニケーションが好きなので、たくさん遊んであげましょう。原種のプードルは、水鳥猟で獲物を回収する狩猟犬のルーツを持っています。そのため、トイプードルも水遊びやボールなどのおもちゃを投げて飼い主さんのところまで持って来る遊びが大好きです。
睡眠をしっかりとらせてあげよう!
成犬の1日の睡眠時間は、合計で12~15時間確保できるのが理想とされています。子犬やシニアは、もっと長い睡眠時間が必要です。
餌は粒が小さいものをあげよう!
トイプードルは口が小さく噛み砕く力も弱いため、粒が小さいタイプのフードを与えましょう。トイプードルに特化したフードも販売されています。ドライフードが苦手な子は、ウェットフードや手作りご飯をあげてみてください。
お散歩は毎日必須!運動意欲を満たしてあげましょう
プードルは活発で運動が大好きな犬種です。高い運動能力と筋肉質な体形から、かなりの運動量を必要とします。1日2回、1時間程の散歩に連れて行くのが理想的です。休日にはドッグランなどで思いっきり走らせてあげましょう。知能と運動能力が高いので、ドッグスポーツにチャレンジするのもおすすめです。
骨折や、膝蓋骨脱臼に注意し、環境を整えてあげましょう
トイプードルは骨が細い犬種です。滑りやすい床材の場合、高いところから飛び降りたり走ったりすると滑ってしまい、骨折や脱臼の原因になることもあります。滑りにくい材質の床にするなど、工夫しましょう。
歯と目のケアをこまめにしてあげよう!
プードルは涙やけができやすい⽝種です。⽬ヤニやあふれ出た涙は、湿らせたコットンやお⼿⼊れシートでまめに拭き取ってあげましょう。⼝腔環境も悪くなりやすいので、毎⽇の⻭磨きはしっかりとしてあげましょう。
トイプードルの毛並みをトリミングとブラッシングで美しく保ってあげよう!
オーダーで人気のカットスタイルトイプードルのトリミングには、さまざまなデザインがあります。人気No. 1はテディベアカットです。子熊のようなかわいいカットで、どんな毛色の子にも似合います。
口まわりの毛を大きく丸く残すピーナッツカット(ムスタッシュ)や、ブルマーを履いているようなスタイルのおパンツカット(ミツバチカット)も定番です。お顔全体をふんわり丸くした、インパクト大のアフロカットもおすすめですよ。
また、足を細くカットして体は羊のように寸胴にもっこりさせたユニークな羊カットのほか、バルーンスタイル、マイアミカット、コンチネンタルクリップなどがあります。