【愛犬のための防災ガイド】vol.03 その避難経路、本当に通れる?災害発生から避難までwithわんこのロードマップ

ペットと防災の記事を読んで、「事前の準備やルールはわかったけれど、いざ災害が起きた時は具体的にどう行動したらいいんだろう?」とあらためて考えて不安になってしまう飼い主さんもいるかもしれません。

今回は【災害発生】から【避難】まで、わんこを守るための具体的な行動を解説します。

災害発生!その時どうする?

たとえば地震を例にとってみましょう。普段、地震が起きた時の愛犬の様子はどうでしたか?怖がって震える子、意外に気にしない子、わんこによってさまざまですよね。
水害などの場合は大きなサイレンや、災害情報を知らせる無線放送がひっきりなしに流れることもあります。わんこの中には、大きな音が苦手で怖がってしまう場合もあるでしょう。
地震やサイレンの音などが苦手なわんこは、抱っこしたり、横で体に触れてあげたりして安心させてあげましょう。
避難が必要になった場合はフリーにせず、クレートやハウスに入れて、その間に避難準備をしてください。地震時に怖がって家具の隙間などに逃げ込んでしまうと、転倒や落下物などで怪我する恐れがあります。
平常時からクレートやハウスを、家具の転倒や落下物、窓ガラスの破損などの危険がない安全な場所に設置しておきましょう。そこで休む習慣をつけておけば、わんこの負担も少なく飼い主さんもスムーズに行動できます。

わんこと一緒の避難は警 戒レベル3から

内閣府の「避難情報に関するガイドライン」によると、大雨や洪水などの災害時に自治体が5段階の警戒レベルで防災情報を提供することになっています。
わんこと一緒の避難は想定外のことも多く、人間だけで避難するときと比べて時間がかかります。警戒レベル4の「危険な場所から全員避難」ではなく、高齢者などの「避難に時間を要する人は避難」警戒レベル3で避難を開始する方がよいでしょう。

参照:気象庁防災気象情報と警戒レベルとの対応について

しかし、すでに周囲が浸水していたり建物の倒壊の恐れがない場合などは、避難所よりも自宅の二階以上に避難する方が安全なこともあります。状況に応じて判断するようにしてください。

避難時、飼い主さんは両手を空けて

避難時は、瓦礫などで怪我してしまう可能性があります。小型犬はキャリーバッグなどに入れて避難するようにします。その際、飼い主さんの両手が空くようにリュックタイプのものがオススメです。
大型犬で靴に慣れている子は、避難時に履かせてあげてもよいでしょう。靴に慣れていないわんこはかえって危ないので無理に履かせないように。
また、わんこは足の裏で情報を得たり、爪をつかって踏ん張ったりしています。瓦礫の上は通常とは違うため、靴を履くことで滑ったり思わぬ怪我をしやすくなる可能性もあります。靴に慣れているわんこでも、歩きにくそうにしていると感じたらスグに脱がせてあげてください。

避難時のパターンを想定しておく

避難時は防災バッグなどの避難用品も持って移動します。キャリーバッグを背負っていたり、リードを持っていたりする状況で、実際に運べる重さを想定して準備するようにします。
また、災害はいつ起きるかわかりません。家族で分担して荷物を運べる場合もあれば、自分とわんこだけしかいない時もあるでしょう。
避難する時のパターンをいろいろと想定しておくと安心です。

避難経路をお散歩コースに組み込もう

いざ、避難する時に知らない道よりも、歩き慣れている道の方が飼い主さんもわんこも安心できます。毎日のお散歩コースに避難経路を組み込んでおきましょう。

散歩の時に災害時をイメージする

避難経路を散歩するときは、周りの景色を意識して見てください。たとえば、川沿いや海の近くの場合は、川の氾濫や津波によってその道が通れなくなる可能性もあります。
ガラス窓の多いビルがある場所は、割れたガラスが散乱している道を歩くことになるかもしれません。狭い道に建物が密集している道では、倒壊した建物の瓦礫で道が埋もれてしまって通行できなくなることもあります。
街中で浸水がある場合、水位が低いからと無理に通るとマンホールや側溝等への転落のおそれがあり大変危険です。
普段なにげなく歩いている道を、避難経路としてあらためて見てイメージすることで、必要な準備や避難経路をどうするかが見えてきます。

避難経路は複数想定しておく

想定していた避難経路が通行止めになってしまう可能性もあります。事前にハザードマップを確認して、安全な避難経路を複数シミュレーションしておくといいですね。
ハザードマップが自宅にない場合や、出先で被災した場合などは、ハザードマップポータルサイトが便利です。スマホなどにブックマークしておきましょう!

国土交通省「ハザードマップポータルサイト」

散歩コースで会う飼い主さんとコミュニケーションを取ろう

災害発生時は、公共機関による「公助」の他に、自ら守る「自助」と近隣の人たちと助け合う「共助」があります。わんこの飼い主さん同士で情報を共有して助け合う「共助」は、災害前からコミュニケーションをとることで負担が少なく行えます。

避難訓練に参加してみよう

ペットが一緒に参加できる避難訓練を実施している自治体もあります。実際に荷物を持って移動したり、避難所での行動を体験するとこれまで気がつかなかった問題点も見えてきます。機会がある飼い主さんは、ぜひ参加してみてください。

ワンコと防災

今日からできる防災準備3

わんこと一緒の避難をイメージしてお散歩してみる

避難経路をお散歩コースに組み入れるだけでも、立派な防災準備です!
いざという時に慌てないためにも、複数の経路をお散歩してみましょう。

nowa writer

村田 幸音 Sachine Murata

ワンコとニャンコ、ハムスターに金魚や鳥たち、ウサギと亀の大家族と育ったフリーライター。現在は、超絶マイペースな柴犬との暮らしを満喫中です。ワンコ愛が高じて、ペット災害危機管理士と犬の管理栄養士の資格を取得。ワンコも飼い主さんも、みんながHAPPYになる情報をお伝えしていきます!

村田 幸音

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