豆腐は日本食になくてはならない食べ物で、食べ応えや美味しさだけでなく、栄養価が高いことでも人気を集めています。豆腐と一口に言っても、木綿豆腐や絹ごし豆腐、焼き豆腐など作る工程によって種類が分けられ、季節に関係なく年中作られていることから、毎日の食事に取り入れているご家庭も少なくないでしょう。そのまま醤油かけて食べるだけでなく、お肉や卵、野菜と一緒に炒めたり、煮たりすればバリエーションが広がります。
豆腐は大豆を使った加工品ですが、はたして犬に与えても大丈夫なのでしょうか。
豆腐は犬に与えても大丈夫!
豆腐は犬が食べても大丈夫なものです。
豆腐には健康を害する成分が含まれていないため、犬に与えても大丈夫な食べ物です。
タンパク質をはじめとするさまざまな栄養素が、犬にとっても効果的に働くことが期待できるからです。しかし、意外と脂質も含まれているため、今与えているドッグフードや体重と比較して与える量を調整する必要があります。
豆腐の栄養や愛犬に与える際に注意するポイントについて詳しく紹介するので、ぜひこの記事を参考にしてみてください。
タンパク質
タンパク質は皮膚や筋肉を作り、エネルギー源になることから、犬にとって必要不可欠な栄養素です。豆腐に含まれているタンパク質は植物性タンパク質で、動物性タンパク質と比べて低カロリーなので、肥満が懸念される愛犬にも与えやすい栄養素です。
カルシウム
骨や歯の形成を担い、体内の約99%のカルシウムが骨や歯に使われていると考えられています。筋肉の収縮作用も持ち、筋肉がスムーズに伸びたり縮んだりするサポートをしてくれます。ただし、カルシウムは相性の悪い栄養素があり、カルシウムの濃度が低下したり上昇したりすると、その他の栄養素の吸収が阻害される可能性があるため、与える量には注意が必要です。
大豆イソフラボン
大豆イソフラボンは大豆に含まれるポリフェノールの一種で、骨粗鬆症や循環器系の疾患を予防すると考えられています。その他にも、細胞を酸化させる活性酸素の働きを抑える抗酸化作用を持ち、大豆イソフラボンによる血流の改善が期待されています。
サポニン
サポニンは配糖体一種で、配糖体とは糖と糖以外の有機化合物が結合した状態のことを指します。抗酸化作用の他にも、脂肪の蓄積を抑えたり血管に付着した脂肪の吸収を抑えたりする働きがあるといわれています。
豆腐を犬が食べた際の犬への効果・影響
- 抗酸化作用
- 身体をつくる
- 骨粗鬆症や循環器系の疾患を予防
犬に与えてよい豆腐の量は?
小型犬の場合 | 30~40g 豆腐1丁(350~400g)の1/10 |
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中型犬の場合 | 50g程度 豆腐1丁の1/6~1/8 |
大型犬の場合 | 150g程度 豆腐半丁 |
子犬の場合 | 10g(与えなくてもよい) |
老犬の場合 | 10~20g 豆腐1丁の1/20 |
犬に豆腐を与える際の注意点
豆腐のおすすめの与え方
絹ごし豆腐と木綿豆腐どちらを与えてもOK
豆乳を凝固剤で固めて作る絹ごし豆腐や木綿豆腐を犬に与えても問題ありません。木綿豆腐よりも絹ごし豆腐のほうが水分が少し多くなるため、与える際は水分過多にならないように量を調節する必要があります。
しかし、卵豆腐や胡麻豆腐、ピーナッツ豆腐は、食感や見た目が豆腐と似ていることから豆腐と名付けられただけなので、豆腐とは原料が異なります。豆腐と似ている商品や材料の一部に大豆が含まれているだけの商品が多数あるため、必ず原材料を確認してから与えるようにしましょう。
大豆が苦手な犬種もいる
大豆アレルギーが存在するように、豆腐が全ての犬に好まれるわけではありません。
犬種でいえば、シベリアンハスキーやアイリッシュセッター、シャーペイなどが大豆の耐性が低いといわれており、不安な場合は無理に与える必要はありません。大豆アレルギーかどうか気になる場合は、動物病院でアレルギー検査を受けることができます。
常温に戻してから与えよう
私たち人間は豆腐を冷やして冷奴として食べることが頻繁にあります。さっぱりしていて美味しいですが、犬にとっては冷たすぎる可能性があります。胃に負担をかけないためにも、冷たすぎず熱すぎない常温で与え、もともと胃腸が弱い愛犬には与えないほうがいいでしょう。
ダイエット食としての落とし穴
豆腐は植物性タンパク質が豊富で低カロリーなので、肥満気味の愛犬の食事に混ぜてあげるとダイエット効果が期待できます。しかし、意外と脂質も含まれており、鶏ささみと比べても脂質量は上回り、ヘルシーだからといって大量に与えると体調を崩す可能性があります。
豆腐は腹持ちが良いため、与えすぎるとドッグフードを食べなくなったりご飯の時間のサイクルが崩れてしまう恐れがあるため、トッピング程度にご飯と一緒に混ぜ、与える量に注意してください。
こんな時は犬に豆腐を食べさせないこと
大豆アレルギーの犬には豆腐を与えてはいけません。大豆アレルギーの愛犬やその疑いがある愛犬に豆腐を与えると、下痢や嘔吐、体を痒がるなどの症状が現れます。与えるのを止めても症状が治まらない場合は、すぐに獣医師の診断を受けましょう。
また、腎臓が弱い愛犬にも与えてはいけません。タンパク質にはリンが豊富に含まれており、腎臓病の犬には負荷がかかり、病気の進行を早めます。腎臓機能が低下し始めた老犬にも様子を見ながら、与える量を調節した方がいいでしょう。
まとめ
栄養価の高い豆腐は、犬に与えても大丈夫な食べ物です。植物性タンパク質が豊富で低カロリーなので、ダイエット食としてドックフードに混ぜたりおやつの代わりに与えたりするといいでしょう。
しかし、意外と脂質が多く含まれているので、愛犬の体調や体重に合った量を与え、与えすぎには注意してください。大豆アレルギーの愛犬や腎臓機能が低下している愛犬に与えるのは控えましょう。豆腐を与えて何か異変を感じれば、すぐに獣医師に相談することをおすすめします。
Adviser
ペットフーディスト 佐々木なるみ
愛犬の偏食をきっかけに資格を取得。これまでに4匹のわんちゃんと暮らしてきた。動物愛護に関心を寄せ、犬を含む多くの動物が幸せに暮らせる日本を目指している。