レタスは玉レタスやサニーレタスなどさまざまな種類があり、どれも生で食べられる野菜です。
日本では1年を通して販売されていますが、主な収穫期は春と秋です。
私たち人間は、生のままサラダやお肉を包んで食べたり、レタスチャーハンのように火を通して食べたりします。
葉野菜の中でも特に歯切れのよい食感なので、小さな子供でも食べやすくアレンジしやすいのも特徴です。
シャキシャキとした食感なのでレタスを欲しがる愛犬もいますが、はたして犬に与えても大丈夫なのでしょうか。
レタスは犬に与えても大丈夫!
レタスは犬が食べても大丈夫なものです。
レタスの約96%が水分でできていますが、その他にも栄養素がたくさん含まれており、犬にあげても大丈夫な食材です。
しかし、食べ過ぎると体の不調につながる可能性があるため、愛犬が欲しがるからといって与えすぎてはいけません。
この記事では、レタスの栄養価の他にも犬に与える際の注意点と与えてもいい目安の量を紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
レタスの主な成分や栄養素について解説
食物繊維
食物繊維には、水に溶けやすい水溶性食物繊維と水に溶けにくい不溶性食物繊維があり、レタスにはそれぞれ水溶性が0.1g、不溶性が1.0g含まれています。
食物繊維は犬の消化酵素では消化されないため、栄養素として吸収できませんが、腸内環境鵜を整えたり蠕動運動を活発化して排便を促進したりします。
ただ、摂取しすぎると便が大きくなりすぎて消化不良を引き起こす可能性があるため注意が必要です。
ビタミンC
身体が錆びるのを防ぐ抗酸化作用を持ち、骨や腱のコラーゲンの生成をサポートします。
私たち人間は体内でビタミンCを作り出せませんが、犬は肝臓で体内合成が可能です。
しかし、ストレスや加齢、肝機能の低下によって合成が追い付かないこともあるため、食べ物からも摂取する必要があります。
カリウム
体内に溜まった余分な塩分を尿と一緒に排出し、ナトリウムとのバランスを調節することで、細胞内液の浸透圧の調整や血圧の安定・維持に効果的に働きます。
しかし、血中カリウム濃度が上昇する高カリウム血症の危険性から、カリウムは多すぎてもいけないので、摂取量に注意が必要です。
また、心筋や筋肉の機能維持に役立つとも考えられています。
ラクチュコピクリン
レタスの芯をカットすると出てくる白い液体のこと。
軽い鎮静作用や催眠促進効果がある苦み成分で、過剰摂取は危険ですが少量であればリラックス効果が期待できるといわれています。
レタスを犬が食べた際の犬への効果・影響
水分量の多いレタスは、夏の熱い時期や水分不足になりがちな老犬のための水分補給としておすすめです。
食べ過ぎは禁物ですが、シャキシャキとした食感を好む犬も多いため、食欲低下がみられる愛犬にあげてみるといいでしょう。
低カロリーな上に犬にとって必要な栄養素が豊富に含まれているので、日々のおやつにぴったりです。
犬に与えてよいレタスの量は?
小型犬の場合 | 50g~60g(約2枚) |
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中型犬の場合 | 100g~110g(約1玉の4分の1) |
大型犬の場合 | 110g~130g(約1玉の半分) |
子犬の場合 | 消化器官が未熟な状態の子犬には与えない方がいいでしょう。 |
老犬の場合 | 腎臓病がある場合は避け、健康な犬であっても少量ずつ与えましょう。 |
犬にレタスを与える際の注意点
レタスのおすすめの与え方
キシリトール中毒に注意
虫歯予防の目的としてガムやタブレットにキシリトールが含まれていることがほとんどですが、レタスにもキシリトールが含まれています。
体重1kg当たり100mg以上の摂取で中毒症状が出る恐れがあり、犬を使った実際では低血糖などの症状が確認されています。
しかし、レタスに含まれるキシリトールの量はごく微量で、中毒症状が出ると危険視されているキシリトール量はレタス約5個以上摂取しなければ出ないと考えられています。
目安量をきちんと守れば問題ないため、まずは少量ずつ与えてみてください。
水に浸けすぎ茹ですぎ注意
レタスに含まれるビタミンなどの栄養素は、茹でると水の中に溶け出します。
加熱せず水に浸けるだけでも栄養素が失われていく可能性があるため、洗ったり火にかけたりする場合はさっと短時間で済ませましょう。
一方、結石の原因であるシュウ酸は水に溶けやすい特徴を持ちます。
一度でも結石になったことのある犬であれば、なるべく食べさせない、どうしても与える際は茹でて水にさらすといいでしょう。
身体を冷やす
水分の過剰摂取で体を冷やす可能性があるため、冬場にたくさん与えるのは控えましょう。また、寒さの苦手な愛犬にはあまり与えない方がいいでしょう。
芯も与えてOK
欲しがるようであれば、レタスの芯の部分も与えても大丈夫です。
しかし、のどに詰まらせたりうまく嚙み切れなかったりする可能性があるため、犬の大きさに関わらず小さく刻んで与えてください。
生レタスのまま頻繁に与えると体を冷やす危険性があるため、生で与えたり茹でて与えたり調整してみるといいかもしれません。
ドッグフードに茹で汁をかけてレタスを一緒に与えるのもいいですね。
また、毎日与えているドッグフードがあれば、それで栄養は確保できるため、レタスを与えすぎて栄養が偏らないようにしましょう。
こんな時は犬にレタスを食べさせないこと
レタスには微量のタンパク質が含まれているため、アレルギー反応を引き起こす可能性があります。
例えば、下痢、嘔吐、目や口の周りの痒み、脇や手足の痒みや炎症などです。もともとアレルギー持ちの愛犬であれば十分注意し、初めて与える際には少量ずつ食べさせましょう。
また、腎臓病や腎臓の機能が衰えている愛犬はレタスに含まれるカリウムがうまく排出できないおそれがあるため、与えてはいけません。もしも食べた場合は様子を確認し、不安な場合は獣医師の診断を受けてください。
まとめ
レタスは犬にとって必要な栄養素が含まれているため、与えても大丈夫です。
しかし、中毒症状を引き起こすキシリトールが微量ですが含まれているため、食べ過ぎには注意して目安摂取量をきちんと守りましょう。
水分量が多い野菜なので、夏の熱い時期や水分不足が気になる愛犬にぜひ与えてみてください。
Adviser
ペットフーディスト 佐々木なるみ
愛犬の偏食をきっかけに資格を取得。これまでに4匹のわんちゃんと暮らしてきた。動物愛護に関心を寄せ、犬を含む多くの動物が幸せに暮らせる日本を目指している。