本記事は獣医師やペット栄養管理士が執筆・監修を行っております。
犬はさくらんぼを食べても大丈夫です。
今回は犬へさくらんぼを与える場合の注意点や与える量、そして犬のさくらんぼアレルギーなどについて解説しますので、是非参考にしてくださいね。
ANSWER
さくらんぼは犬に食べさせても大丈夫です。
さくらんぼは愛犬に食べさせても大丈夫な果物です。
基本的に「さくらんぼ」は愛犬に食べさせても大丈夫な果物です。ただし、さくらんぼの種や茎は「アミグダリン」という、消化器内で青酸カリと同様の成分に変換される成分が含まれているため犬には絶対に与えてないように気をつけましょう。
さくらんぼに限らずですが、もちろん与えすぎは禁物です。愛犬のサイズに合わせながら、愛犬とコミュニケーションを取りつつあげるのもよいでしょう。
さくらんぼの主な成分や栄養素
カリウム
体内の水分調整を行い、ナトリウム(塩分)を体外に排出する働きがある成分。血圧を下げる効果や、腎臓病の予防効果が期待できます。
β-カロテン
βカロテンは、犬の体内でビタミンAに変換されて活用されます。ビタミンAは、おもに視力、皮膚、被毛を健康な状態に保つほか、丈夫な粘膜や歯をつくるのに役立ちます。
アントシアニン
アントシアニンは、犬の体内で抗酸化力を発揮し、健康をサポートしてくれます。
犬にさくらんぼを与える際の注意点
さくらんぼのおすすめの与え方
適量を与える
さくらんぼには糖分が含まれているため、摂りすぎは肥満の原因につながります。特に、さくらんぼの加工品には基本的に砂糖や着色料が多量に使用されているため、健康維持のために控えましょう。
そのため、以下の量を目安にし、適量を与えてください。
| 小型犬の場合 | 1個~2個 |
|---|---|
| 中型犬の場合 | 2個~5個 |
| 大型犬の場合 | 5個~10個 |
種や茎は必ず取り除く
犬にさくらんぼを与える際は、種と茎を必ず取り除き、果肉部分のみを与えるようにしましょう。
さくらんぼの種と茎には、有毒物質である「アミグダリン」が含まれています。この成分が犬の体内に入り消化されると、微量の青酸が発生するとされ、呼吸困難や虚脱、痙攣などの中毒症状が引き起こされる危険があるのです。
花や葉っぱは食べさせない
花や葉には、肝毒性や腎毒性があり「クマリン」という成分が含まれています。
よく桜の花や葉を塩漬けにしたものが和菓子などに使用されていますが、人間が食べても体に害があらわれる前に分解されます。
しかし、体の小さな犬には害があるため与えないようにするのが賢明です。
様子を見ながら、少量ずつ与える
さくらんぼに対するアレルギーを持っている犬もなかにはいます。
ですので、初めてさくらんぼを与えるときは、アレルギー反応がないか確認しながら、少しずつ与えましょう。万が一、下痢や嘔吐、皮膚のかゆみなどのアレルギー症状が出た場合は、すぐに動物病院を受診してください。
こんな時は犬に柿を食べさせないこと
さくらんぼにはカリウムが多く含まれており、心臓や腎臓に持病のある犬には制限が必要です。特に、腎臓病などで腎臓の働きが低下すると、さくらんぼに含まれるカリウムを正常に排出できず、高カリウム血症などを引き起こすこともあります。
また、糖分を多く含むため、糖尿病や肥満傾向の犬に与えるのは控えた方が良いでしょう。
まとめ
犬にさくらんぼを与える際は、種や茎、葉、花は取り除き、小さくカットしてあげましょう。丸ごと食べると、喉に詰まったり腸閉塞を起こしたりする恐れもあり危険です。
また、カリウムが豊富なため、持病のある犬やシニア犬は獣医師に相談し、無理に与える必要はありません。
Supervisor
西岡 優子 にしおか ゆうこ
獣医師。北里大学獣医学科卒業後、香川県の動物病院に就職。結婚を機に、都内の獣医師専門書籍出版社にて勤務。現在は、パート獣医として働く傍ら、犬・猫・小動物系のライターとして活動。ペット栄養管理士としても活躍中。

















