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犬はポカリスエットを飲んでも大丈夫?正しい与え方と注意点【獣医師監修】

犬はポカリスエットを飲んでも大丈夫?正しい与え方と注意点【獣医師監修】

本記事は獣医師やペット栄養管理士が執筆・監修を行っております。

ポカリスエットは犬に与えても大きな問題はありませんが、人間用は犬にとって濃度が高く、普段使いで飲ませることはあまりおすすめできません。そのため、人間用のポカリスエットは、犬が熱中症や低血糖症に陥った場合の応急処置として考えておくほうがよいでしょう。

今回は、愛犬にポカリスエットを与える際の与え方や注意点について解説します。

ANSWER

ポカリスウェットはあえて犬に与える必要はありません。

人間では、熱中症や胃腸炎になった時の水分補給にいいとされているポカリスエットですが、人間の体液に近い成分を含んだ電解質(イオン)溶液で作られているため、犬に日常的に与えるのは控えましょう。

脱水症状予防にどうしても愛犬にポカリスエットをあげたいという飼い主さんは、犬用のポカリスエットを与えるようにしてください。

ただ、人間用のポカリスエットでも、含まれる成分が犬の熱中症や低血糖の一部の症状に有効な場合があるといえます。

ポカリスェットの主な成分や栄養素

糖分

人間用のポカリスエットには、糖分が多く含まれています。

少々糖分を摂り過ぎたからといって、すぐに犬に何らかの症状が起こることはほとんどありません。また、低血糖の応急処置にも役立ちます。

しかし、長期的に与えると肥満や糖尿病などのリスクにつながるので注意が必要です。

塩分

人間の体液に近い成分が含まれる人間用のポカリスエットには、塩分が含まれています。犬も人間と同じように、過剰に塩分を摂取すると血圧は上昇し、腎臓に負担をかけ、高血圧や心臓疾患のリスクを高める可能性があるのです。

また、犬の塩分の過剰摂取は、食塩中毒を引き起こしてしまう可能性もあるため注意しなければいけません。

⽝がポカリスウェットを⾷べた際の⽝への効果・影響

犬が熱中症で汗や嘔吐などの症状があった場合は、水以外にも失われた電解質を補給する必要があります。そのため、人間のポカリスエットでも、含まれる成分が犬の熱中症の一部の症状に有効な場合があるといえます。

また、犬が低血糖になった場合も、人間用のポカリスエットには糖分が含まれているため、有効と考えられています。

犬にポカリスウェットを与える際の注意点
ポカリスウェットのおすすめの与え方

できるだけペット用を選ぶ

人間用のポカリスエットは、人間の体液に近い成分が含まれているため、犬の体に負担を与えることがないとは言い切れません。
そのため、ペット用として販売されているポカリスエットをできるだけ購入し、緊急時や災害時などのために用意しておきましょう。

脱水の原因が分からない時には与えない

犬に熱中症の症状が見られた場合は、人間用のポカリスエットによる水分補給により、一部の症状に改善が見られる場合があります。
しかし、脱水の原因がわからない場合には、水のみにし、ポカリスエットをあげることは避けましょう。

様子を見ながら、少量ずつ与える

突然人間用のポカリスエットを与えると、犬の体質によっては下痢などの消化器症状などが現れる場合があります。
ですので、初めてポカリスエットを与えるときは、犬が飲んでくれるか確認しながら、少しずつ与えましょう。

万が一、下痢などの消化器症状が出た場合は、動物病院を受診するようにしてください。

様子を見ながら、少量ずつ与える

ピーナッツに対するアレルギーを持っている犬もなかにはいます。
ですので、初めてピーナッツを与えるときは、アレルギー反応がないか確認しながら、少しずつ与えましょう。

万が一、下痢や嘔吐、皮膚のかゆみなどのアレルギー症状が出た場合は、すぐに動物病院を受診してください。

犬に与えてよいポカリスェットの量は?

小型犬の場合 応急処置として1日の最適カロリー量の10%以内
中型犬の場合 応急処置として1日の最適カロリー量の10%以内
大型犬の場合 応急処置として1日の最適カロリー量の10%以内
子犬の場合 子犬は腎機能が未熟なため犬用のポカリスエットを与える
老犬の場合 高齢犬は腎機能が衰えているため犬用のポカリスエットを与える

こんな時は犬にポカリスウェットを食べさせないこと

腎臓や腎臓に疾患がある犬に、塩分が含まれた人間用のポカリスエットを摂取すると、血圧は上昇し、腎臓に負担をかけ、高血圧や心臓疾患のリスクを高める可能性があります。

また、食塩中毒になると、脳神経症状や肺水腫、腎機能障害などを引き起こし、最悪の場合には死亡するリスクもあるのです。

まとめ

人間のポカリスエットは犬が飲んでも問題のない飲み物です。ですが、人間用のポカリスエットは糖分や塩分が多いため、あくまでも熱中症や低血糖症の応急処置として考え、日常的に飲ませないようにしましょう。

犬用のポカリスエットであれば問題はないため、緊急時や災害時のために用意しておくことも検討してみてください。

Supervisor

西岡 優子 にしおか ゆうこ

獣医師。北里大学獣医学科卒業後、香川県の動物病院に就職。結婚を機に、都内の獣医師専門書籍出版社にて勤務。現在は、パート獣医として働く傍ら、犬・猫・小動物系のライターとして活動。ペット栄養管理士としても活躍中。

西岡 優子
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