本記事は獣医師やペット栄養管理士が執筆・監修を行っております。
犬にピーナッツバターを与えても特に問題はありません。
しかし、市販のピーナッツバターは、非常にカロリーが高かったり、添加物やキシリトールなど犬に有害な成分が含まれていることがあるため選ぶ際には注意が必要です。
愛犬にピーナッツバターを与える際には、今回紹介した選ぶポイントや与え方の注意点を是非参考にしてくださいね。
ANSWER
ピーナッツバターは犬に食べさせても大丈夫です。
ピーナッツバターには犬に危険な成分は含まれていないため、適切な選び方や分量を守ることで安心して与えることができます。
さらに、ピーナッツバターには、犬の健康に良い影響を与える成分も含まれています。
ピーナッツバターの主な成分や栄養素
オレイン酸(オメガ-9脂肪酸)
オレイン酸は抗炎症作用があり、関節炎や慢性疾患の症状を和らげる効果が期待されています。
また、コレステロール値を調整することで心血管系の健康をサポートしたり、皮膚の乾燥を防いで被毛をつややかに保つ効果がある成分です。
ビタミンE
ビタミンEは強力な抗酸化作用があり、細胞を酸化ストレスから保護し、免疫力を高め、感染症や老化の進行を遅らせる効果が期待できます。
また、皮膚の健康を維持し、炎症やかゆみを軽減してくれる作用がある成分です。
ナイアシン(ビタミンB3)
ナイアシンとはビタミンB3のことで、犬は体内でナイアシンを合成できますが、その量は1日の必要量に満たない程度のため、食餌からもナイアシンを摂る必要があります。
ナイアシンの働きは、他のビタミンと合わせセラミドの合成を助け、皮膚のバリア機能のサポートすることです。
また、皮膚以外にも、消化器や精神の健康維持、糖質や脂質、タンパク質の代謝にも役立っています。
⽝がピーナッツバターを⾷べた際の⽝への効果・影響
ピーナッツバターは犬にとって、コレステロール値を抑えることで動脈硬化・高血圧を予防する効果が期待されています。
また、皮膚や被毛の健康を保ったり、免疫力を高めたり、感染症や老化の進行を遅らせる効果があるともいわれているのです。
犬にピーナッツバターを与える際の注意点
ピーナッツバターのおすすめの与え方
無添加のものを選ぶ
ピーナッツバターには無糖と加糖のものがあり、肥満のリスクが高くなるため無糖を選ぶようにしましょう。
また、糖分以外にも、塩分やパーム油などの植物油脂が多く含まれている場合もあるため、原材料に配慮された無添加のピーナッツバターを犬に与えるようにしましょう。
適量を与える
無添加のピーナッツバターであっても、高カロリーで脂分も多いため、食べ過ぎは嘔吐や下痢、肥満のリスクがあります。
ですので、犬に与える際には、適量を守るようにしましょう。
子犬やシニア犬に与えない
特に、無添加ピーナッツバターを与える際には、脂分に注意が必要です。 無添加のピーナッツバターは、脂分が多く消化に悪いので、子犬やシニア犬に与えることは避けましょう。
様子を見ながら、少量ずつ与える
ピーナッツに対するアレルギーを持っている犬もなかにはいます。
ですので、初めてピーナッツを与えるときは、アレルギー反応がないか確認しながら、少しずつ与えましょう。
万が一、下痢や嘔吐、皮膚のかゆみなどのアレルギー症状が出た場合は、すぐに動物病院を受診してください。
犬に与えてよいピーナッツバターの量は?
| 小型犬の場合 | 体重4kgで10g |
|---|---|
| 中型犬の場合 | 体重10kgで20g |
| 大型犬の場合 | 体重25kgで39g |
| 子犬の場合 | 与えてはいけない |
| 老犬の場合 | 与えてはいけない |
こんな時は犬にピーナッツバターを食べさせないこと
ピーナッツバターは高カロリーな食品なため、肥満傾向の犬には適していません。
また、胃腸が弱い犬、胆のうや膵臓に疾患がある犬には、脂分が負担になることがあります。
まとめ
ピーナッツバターには犬の健康に役立つ成分が含まれています。
愛犬に与える際には、原材料をしっかりチェックし、加糖でなく無添加のものを選ぶようにしましょう。
そして、ピーナッツバターは与えすぎるとカロリー過多や消化不良を引き起こす可能性があるため、投薬の補助のために使用するなど少量ずつ活用するのがおすすめです。
正しい知識を持って、ピーナッツバターを是非活用してみてくださいね。
Supervisor
西岡 優子 にしおか ゆうこ
獣医師。北里大学獣医学科卒業後、香川県の動物病院に就職。結婚を機に、都内の獣医師専門書籍出版社にて勤務。現在は、パート獣医として働く傍ら、犬・猫・小動物系のライターとして活動。ペット栄養管理士としても活躍中。

















