セツサチアキのワンコが読む絵本 Onestory 第27話ワンコの時間と人の時間

「ねぇマスター」

「実は虹の橋で不思議なことがあったんだ」「不思議なこと？」

いつものように虹の橋組のみんなと追いかけっこしていたんだ「いやっほー」

「今日も僕が一番だ！」

「あれ？」

「こんなところにドア？」

ガチャ

「え？なにこれ？」

「時計！？」

「人間とワンコ？」

「え？ワンコの時計は針の回転が早い！」チクタクチクタク

「もしかしてこれは命の時計？」

うちのママがよく言っていた「どうしてあなた達の時間はそんなに早いの」

この時計の針をゆっくりにしたら、たくさんのワンコや人が喜ぶかも・・・

よし！ワンコの時計を巻き戻して・・・

「それはダメだよ」

「だれ？」

「ワンコは残される方が辛いよ」「残される？」

想像してごらん、ある日突然飼い主が帰ってこない

それでも今日こそは帰ってきてくれると

ひたすら待ち続ける

そして最後にもう一度会いたかったと思いながら

「虹の橋を渡る悲しさを・・・」

「ぼくたちが残されてしまう方が人もワンコも辛いと思うよ」

おーい「あ！お父さんだ！」

「じゃまたね！」

「散歩に行くぞハチ」「ワン！」

「ハチ？あのハチ？」

「不思議だけど素敵なお話ですね」「そうなんだ」

「それでね・・・信じることにしたんだ」

「ぼくもいつかきっとママに会えるって！」「ハチさんみたいにね」

ハチ公像「ワン！」