セツサチアキのワンコが読む絵本 Onestory 第15話ぬいぐるみじゃないよ、ボクたちは

世界が大きく様変わりし、マスク生活に疲れ始めた時

心の癒しを求めて、多くの人たちがやってきた。

中にはいっときの癒しとして…。「もふもふでぬいぐるみみたい！」

「じゃあ買っちゃおうか」「ありがとうございます」

でもぼくはぬいぐるみと違って、どんどん大きくなるし力も強くなる。「離しなさい！」ぐいぐい

声だって大きなるし、反抗期もやってくる。「ワンワンワンワンワン」

ぬいぐるみとして迎えられたぼくは人と暮らすマナーを知らずに成長し…。「ガツガツ」

こらー！

イタッ！！

「相性が合わないので引き取ってもらえませんか？」

「スピースピー」

その日からぼくは色のない世界にいた。

あの人が現れるまでは…。

「こんにちは、ハンサムくん」

「今日からここが君のうちだよ」ガチャ

ぼくは人と暮らすマナーを教えてもらった。「グッドボーイ！いい子♪」

そして手作りの蝶ネクタイをプレゼントしてもらい「似合う似合う」

楽しくお手伝いもした。「いい子♪」

ぼくはもうぬいぐるみなんかじゃない。ぼくたちは家族なんだ。「zzz…」

たとえ今は遠く離れていても

「必ず元気になって帰ってくるから。いっぱい手紙書くから。」その言葉を信じて

今日もネクタイをつけます。

「そろそろかな」

「え？マスター。そろそろって？」「うふふ」

「え？うふふって？気になる〜」ポトッ

パタン