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【犬の内分泌系疾患】原因や症状を藤間先生が解説

【犬の内分泌系疾患】原因や症状を藤間先生が解説

愛犬の不調は飼い主さんにとって一番の心配事。健康診断や日々の食事での健康管理はもちろん大切ですが、愛犬の気になる変化や症状に飼い主さんがいち早く気づいてあげることもとても大事ですよね。
獣医の藤間先生解説による「犬の病気ガイド」では、犬の体の部位別に多い病気をご紹介しています。一緒に犬の病気を学び、気になる症状がある際や、今後の予備知識としてご活用いただけたらと思います。

今回はクッシングや糖尿病など犬に多い「内分泌系疾患」について藤間先生に解説していただきました。

クッシング症候群(副腎皮質機能亢進症)

病気の原因と症状

副腎という臓器から作られるホルモンが過剰に分泌してしまう病気です。
原因は様々ありホルモンの司令塔である脳の一部が腫瘍化して調節がおかしくなってしまったり、副腎自体が腫瘍化して指令を無視して過剰に分泌してしまっている場合もあります。
また、ステロイド剤を長期的に投与したことによって起こることもあります。
特に犬ではヒトや猫よりも圧倒的に発症率が高い重要な内分泌疾患です。主な症状は水をたくさん飲み、たくさんおしっこをする、お腹が常に張っている、全身の皮膚が薄くなり左右対照的に脱毛したり荒れてしまうことなどが挙げられます。

予防と治療

予防方法は現時点で見つかっていません。治療方法は原因によって異なります。基本的にはお薬での治療となります。場合によっては放射線治療や外科手術を選択する場合もあります。どの方法も一長一短であるので獣医師によく相談し、治療方法を決めることが大切です。

この病気に注意が必要な犬種と年齢

5歳以上の犬に高確率で発症し、トイプードルやダックスフンド、ボストン・テリア、ボクサー、ポメラニアンが特に罹りやすいと言われています。

甲状腺機能亢進症

病気の原因と症状

気管に隣接する甲状腺が過剰に働いてしまう病気です。この異常の原因は腫瘍によるものや免疫の異常によって起こるもの、原因もなく突発的に起こるものなど様々です。
症状は嘔吐や下痢を長期的に繰り返したり、水をたくさん飲んでたくさんおしっこをしたりします。他にも呼吸が速くなりやすい、興奮しやすい、攻撃的な性格になった、常に落ち着きがないなどが見られます。

予防と治療

この病気の予防方法は現時点ではありません。
主な治療方法は薬による治療、食事による治療、外科的治療です。
一つ目は甲状腺からのホルモンの過剰な産生を抑える薬を服用する方法です。
この方法が最も一般的で副作用などの面を見ながら服用量を調節していきます。
二つ目はホルモンを産生するために必要なヨウ素を抑制することで甲状腺の働きを抑えることができます。
三つ目はこの病気の原因が腫瘍であった場合に腫瘍を手術で取り除きます。
どの治療方法も定期的に甲状腺ホルモン濃度を測定する必要があります。

この病気に注意が必要な犬種と年齢

5歳以上(特に8歳以上)の雌犬に多いですが、犬より猫の方が圧倒的に発症率が高いです。

甲状腺機能低下症

病気の原因と症状

原因は甲状腺自体の異常から甲状腺ホルモンの減少が起こることによります。
症状は元気がない、疲れやすい、体温低下、肥満、左右対称の脱毛、皮膚の乾燥などがあります。

予防と治療

予防方法はありません。
治療方法は甲状腺ホルモン製剤を使用してホルモンの増加を促します。

この病気に注意が必要な犬種と年齢

4~6歳くらいのゴールデン・レトリーバーやシェルティなどの大型犬や中型犬が特に罹りやすいです。

糖尿病

病気の原因と症状

血糖値を下げるインスリンというホルモンの不足や欠乏によって起こります。
症状はたくさん水を飲み、たくさんおしっこをします。さらにご飯を食べる量が増えるにも関わらず体重が減少していきます。

予防と治療

予防方法はバランスの良い食事と適度な運動を心がけることがとても重要です。治療方法は血糖値を下げ一定に保つ必要があるので毎回の食事の後に血糖値を下げる働きをするインスリンを注射し血糖値をコントロールします。

この病気に注意が必要な犬種と年齢

7歳以上の雌犬に多く、トイ・プードルやヨークシャー・テリア、ダックスフンド、ミニチュア・シュナウザーなどの犬種が罹りやすいと言われています。


Adviser

藤間 友樹院長

バンブーペットクリニック院長。大学卒業後、都内の動物病院などで経験を積み、2014年にバンブーペットクリニックを開院。飼い主に病状や治療計画、投薬などを丁寧に説明することをモットーとしている。飼い主の間では「手術の痕がきれい」と評判。

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