INDEX
大型犬の長毛種の毛が抜ける問題
大型犬の中でも絶対長毛種がいい!長毛種に思い切り顔をうずめたい!
しかしここで一つ問題が、大型犬ですから、小型犬に比べ毛が生える面積も広く抜け毛の量は倍以上!そんな長毛種の大型犬はお手入れは大変そうと思いますよね?
大型犬のお手入れにかかる時間も費用も小型犬の3〜5倍で、トリミングサロンでシャンプーを依頼すれば1万円を越えることも珍しくありません。今回は大型犬の長毛種の被毛タイプとそれぞれのお手入れ法についてご紹介していきます!
そもそも長毛種とは?
長毛種とは長い被毛を持つ犬のことでロングヘアードと呼ばれることもあります。長毛の中にも直毛の犬種や、巻毛の犬種、シルクのような毛質の犬種など様々あります。また長毛種の中には、被毛が伸び続けるトイプードルやマルチーズのようなタイプと、ある一定の長さまでしか伸びないタイプがいます。
長毛種とは逆に毛の長さが短い犬を短毛種といいます。長毛種の方が毛が抜けるイメージがありますが、実は日々の抜け毛の量は短毛種の方が多いといわれています。これは毛が短いかわりに、周毛期も短いためです。
実は一番毛が抜けにくいのはシングルコートの長毛種?
次に、ダブルコート(二重毛)、シングルコート(単毛)とと言われる被毛のタイプについてご説明します。実は毛が抜けるか抜けにくいかは、毛の長さではなくこの被毛タイプが大きく影響しています。
被毛が、固くて太めの長く紫外線、外部の刺激から皮膚を守る上毛「オーバーコート」と綿毛のように柔らかくて短い下毛の「アンダーコート」、両方が生えている犬種はダブルコートと呼ばれ、上毛の「オーバーコート」だけ生えている犬種をシングルコートと呼びます。
下毛のアンダーコートは防寒の役割をも果たしており、寒い地方が原産の犬種の多くはダブルコートとなっています。逆にシングルコートの犬は暖かい地域出身であることが多いのが特徴です。
ダブルコートの犬には、春と秋の2回「換毛期」と呼ばれる毛の生え変わり時期があり、その時期にはアンダーコートがごっそりと抜け落ち、しっかりとブラッシングでケアをしないと家の中を毛がまったり、服が毛だらけになったりします。この換毛期には、約1ヶ月ほどかけて大量の毛が抜け落ち、新しい毛が生えてきます。
対してシングルコートは、普段の抜け毛も少なめで換毛期が少ない犬種も多いことから、抜け毛の処理という点では、ダブルコートよりもお手入れが楽と言われています。個体差や例外となる犬種はあるものの、被毛のぬけにくいのは下記の順と考言われています。
毛の抜けにくい順
-
長毛種のシングルコート
トイプードル、ヨークシャテリア、マルチーズなど -
短毛種のシングルコート
ミニチュアピンシャー、ウィペット、イタリアングレーハウンドなど -
長毛種のダブルコート
ボーダーコリー、ポメラニアン、ゴールデンレトリバーなど -
短毛種のダブルコート
コーギー、ビーグル、柴犬、ラブラドールレトリバーなど
いかがでしょう?犬の毛・被毛のタイプと毛の抜けにくさについて学んだところで、次はいよいよ大型犬の場合についてご説明していきたいと思います!
大型犬の長毛種で毛が抜けにくい犬種と抜けやすい犬種
大型犬の長毛種にも抜け毛が多いタイプと、抜け毛がほとんど無いともいわれるほどに抜け毛の少ないタイプがいます。これは、前段でお話した通り、被毛タイプが関係しています。
大型犬の長毛種 1抜け毛が多い大型犬長毛種のダブルコート
- ゴールデンレトリバー
- ジャーマン・シェパード・ドッグ
- グレートピレニーズ
- ボルゾイ
抜け毛が多い犬種の代表例で、これらの犬種は換毛期には大量の抜け毛が発生しますので、ブラッシングなどのお手入れをふだん以上にこまめに行う必要があります。
大型犬の長毛種 2抜け毛が少ない大型犬長毛種のシングルコート
- スタンダードプードル
- ゴールデンドゥードル(ゴールデンレトリバーとスタンダードプードルのMIX)
- ジャイアントシュナウザー
上記の犬種などが、大型犬でも毛の抜けない犬種の代表例です。
抜け毛の多い、少ないの違いは「被毛が生え変わるサイクル」で決まります。
ゴールデンレトリバーの様に一定の長さまでしか被毛が伸びないタイプは短期間で被毛が自然と抜け落ち、生え変わりを繰り返します。
一方のスタンダードプードルの様に定期的なカットが必要なタイプは、カットしなければどこまでも被毛が長く伸び続けます。つまり一本の被毛が抜け落ち、生え変わるまでのサイクルが数年単位と長いので、日常的な抜け毛を少なく感じます。
大型犬長毛種のお手入れ毛が抜けにくい犬種も日々のお手入れは重要
室内に抜け毛が飛び散らない、家族の洋服に抜け毛が着くことがほとんど無いと聞くと、大型犬の長毛種を飼うなら、抜け毛の少ないタイプがいいと感じる方も多いでしょう。でも抜け毛が少ないということは、定期的なカットが必要という意味でもあります。
もし定期的なカットを怠ってしまうと
- 毛玉
- もつれ
- 悪臭
- 皮膚トラブル
など愛犬の健康に深刻な問題が起こりかねません。その上、スタンダードプードルのシャンプー、カットをプロトリマーに依頼する場合、トリミング料金の相場は2万円前後です。この金額が1〜2か月に1回必要になります。
もちろんスタンダードプードルのトリミングを自宅で済ませることも出来ますが、プロトリマーでも3〜4時間かかる作業を毎月自宅で済ませるのはなかなか簡単なことではないでしょう。
抜け毛が少ないタイプを選ぶということは、掃除や抜け毛取りの手間がかからない分、出費がかさむということは知っておいてください。
大型犬長毛種のシャンプー毛が抜けやすい犬種は自宅シャンプーでもOK
ゴールデンレトリバーやグレートピレニーズももちろん毎日のブラッシングや1〜2か月に1回のシャンプーは欠かせません。シャンプーには抜け落ちずに被毛に絡まっている抜け毛や埃を取り除き、皮膚被毛の通気性を向上させる効果もあるので、必ず習慣化してゆきましょう。
ゴールデンレトリバーをトリミングサロンでシャンプーする場合の相場は1万円前後です。グレートピレニーズやバーニーズ、セント・バーナードとサイズが大きくなればその分料金も加算され、2万円前後ということも珍しくありません。
ただこのタイプはカットが必要ないので、自宅でシャンプーを済ませ、生乾きの無いようしっかり乾燥をするという方法でも十分お手入れは可能です。
例えば普段は自宅でシャンプーを済ませ、春と秋の抜け毛が増える換毛期にだけトリミングサロンを利用するという方法もオススメです。
大型犬長毛種のブラシ大型犬の長毛種におすすめのブラシ
ゴールデンレトリバーやグレートピレニーズなど、大型犬長毛種の抜け毛をお手入れする際に、おすすめのブラシについてご紹介します。
犬の皮膚の角質層は薄く、人の3分の1から5分の1程度の厚さしかないといわれています。人は毛がない分皮膚が厚く、犬は被毛で覆われているため皮膚が薄くとてもデリケートです。
抜け毛を一気に取ろうとしてブラシで皮膚を傷めてしまわないように、十分気を付けましょう。
強くやりすぎても、犬がブラッシングを嫌いになってしまいますので、初めての際は優しくなでるようなブラシを体にならすことから初めてみましょう。
またシャンプーをするときに抜け毛が多いと毛が絡みついてしまったり毛玉になり、ドライヤーで乾かしてから、または乾かしながらのブラッシングがとても大変になります。しっかりブラッシングをして抜け毛を取り除いてからシャンプーするようにすると後のお手入れが楽になります。
長毛種の普段のお手入れから換毛期のお手入れまで万能なスリッカーブラシ
スリッカーブラシは普段のブラッシングにとても適しています。ピンが多いので毛量が多い犬種でも綺麗にとかす事ができ、もつれや毛玉の除去に大変役立ちます。また、同時に抜け毛も一緒に取り除いてくれます。
特に長毛で毛量が多い犬(トイプードルやポメラニアン、その他の毛量が多くて毛玉が出来やすい犬種)には必須のアイテムと言っても過言ではありません。春や夏、お散歩で足などにくっついた細かい枯葉やタネ類(おみやげと呼んでいます笑)を取るときにも大活躍してくれます。
ピンの先は針金のようになっているため、皮膚に押し付けながらブラッシングをしてしまうと、皮膚に傷がついてしまいます。ですのでスリッカーブラを使うときに一番大切な事は、皮膚に押し付けずにとかすことです。皮膚とスリッカーが平行になるようにして、優しくリズム良くとかしていくのがコツになります。とかした部分がふわふわになるのを実感できます。
皮膚が弱い子、または脱毛が見られる場合には先丸ピンといってスリッカーのピン先が丸くコーティングされているものや、ピンブラシを使うと安心です。
長毛種の中でも毛がとても長い犬のお手入れにおすすめピンブラシ
こちらのピンブラシも普段のブラッシングに適しています。どんな犬種にも向いているのですが、特に向いているのは
- 長毛種の中でも毛がとても長い犬
- 毛量が少ない犬
- 皮膚に異常がある犬や脱毛が見られる犬
毛をフルコートに伸ばしている犬でのブラッシングにぴったりです。毛量が少な目で、櫛を入れたときにスーっとなでるくらいの毛の長さがある犬であればピンブラシを選んでみましょう。
ピンブラシはピン先が丸くなっているため、スリッカーブラシよりは気軽に使用できます。女性の長い髪の毛をとかすように優しくスーっとブラシをかけてあげましょう。愛犬にはスリッカーブラシが良さそうだけどちょっと怖いな・・・と思う時には練習がてら、まずはピンブラシから始めてみるのもおすすめです。
大型犬長毛種のストレス・病気ストレスや病気が原因の抜け毛には御用心!
犬は過度なストレスで抜け毛が増えたり、病気によっても抜け毛が急激に増えることもあります。
もし、いつもより抜け毛が増え、愛犬の様子がおかしいと思ったら病気を疑って動物病院を受診することが大切です。抜け毛を伴う病気の多くはアレルギー性皮膚炎やアトピー性皮膚炎、脂漏症など皮膚の病気ですが、甲状腺機能低下症やクッシング症候群など皮膚以外の病気のこともあります。
大型犬長毛種と暮らすには大型犬の長毛種はお手入れ方法も考えておきましょう
大型犬の長毛種との暮らしは、毎月のお手入れ方法をどうするか?誰が担当するのか?費用の負担に無理が無いか?などもしっかりと考えてから家族に迎えましょう。
nowa writer
大谷 幸代
大学在学中にイギリスへドッグトレーニングの勉強のため、短期留学。生体販売・ペットショップ店長・トリマー・トレーナー・新規事業開発・成田空港内ペットホテル開業に伴うプロジェクトリーダー・ペット関連用品の開発など、国内最大手のペット関連企業において経験。独立開業後は、WEBサイト、雑誌などへコラム執筆や企業顧問、商品開発、各種マーケティング業、専門学校講師を勤めています。
ゴールデンレトリバー(サーフ&海)、チワワ、猫と全員元保護犬、猫達とペットライフがもっと楽しく、もっと快適になるよう目指しています。
保有資格
愛玩動物飼養管理士、トリマー、トレーナー、アロマセラピスト、ホリスティックケアカウンセラー、ペット食育士、ペット災害危機管理士、マウスケアメンター、一般社団法人日本ペット用品工業会認定、ペット用品販売士、ペットロスケアアドバイザー