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オクラといえば、特徴的なあのネバつき。さらに、シャキシャキとした食感とクセのない味は、料理に使いやすい一面もあります。オクラの主な産地は鹿児島や高知県で、主に温かい地方で作られます。6〜9月に旬を迎えるオクラはひとつの株にたくさんの実をつけるため、長く収穫を楽しむことができるのです。
私たちはオクラを茹でたり炒めたりして食べますが、はたして犬に与えても良い野菜なのでしょうか。
ANSWER オクラは愛犬に食べさせても大丈夫です。
オクラには、犬にとって害となる成分が含まれていません。そのため、犬が食べても大丈夫な野菜です。
しかし、オクラを丸々一本与えてしまうと、喉に詰まらせたり胃や腸に負担をかけたりする危険性があります。健康に良い成分を効率よく摂取するためにも、与え方や与える量に注意しましょう。
オクラの主な成分や栄養素
水分
水分は生命維持に欠かせない成分で、オクラには約90.2%の水分が含まれています。
βカロテン
βカロテンは犬の体内でビタミンAに変換して活用され、皮膚や粘膜の健康維持や視力維持をサポートします。また、ビタミンAとして働くだけではなく、βカロテン自身も抗酸化作用を持ち、活性酸素の発生を抑えたり免疫を強くしたりするなど、老化を防ぐ働きも期待されています。
カリウム
カリウムにはナトリウムを身体の外に出しやすくする作用があり、塩分の摂り過ぎを調節するのに役立ちます。また、心筋や筋肉の機能維持に役立つとも考えられています。カリウムは少なすぎても多すぎてもいけないので、摂取量に注意が必要です。
ペクチン
ペクチンとは水溶性食物繊維の一種で、オクラのネバネバのもとになっている成分です。小腸での栄養素の吸収速度を緩やかにし、食後の血糖値の上昇を抑える働きがあります。また、便を柔らかくしたり腸内環境を整えたりするなど、日々の排便に良い影響をもたらすと考えられています。
オクラを犬が食べた際の犬への効果・影響
オクラには、整腸作用が期待できるペクチンや、体内の塩分量を調節するカリウムなどの栄養素が豊富に含まれています。正しい方法で正しい量のオクラを与えれば、犬の健康維持に貢献するでしょう。また、オクラは水分が多い野菜なので、暑い時期の水分補給目的で与えるのも良いでしょう。水を飲みたがらない愛犬におすすめです。
犬に与えてよいオクラの量は?
小型犬の場合 | 10g(約1本) |
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中型犬の場合 | 30g(約3本) |
大型犬の場合 | 50g(約5本) |
子犬の場合 | 少量ずつ与える |
老犬の場合 | 少量ずつ与える |
犬にオクラを与える際の注意点
オクラのおすすめの与え方
生でも加熱でもOK
オクラは生のままでも犬に与えて良い野菜です。愛犬がシャキシャキした食感を好むようであれば、小さく刻んだ生のオクラを与えてみてください。
一方、オクラは湯がくことで柔らかくなり、より食べやすくなるメリットがあります。なるべく胃や腸に負担をかけないご飯を与えたい場合は、加熱して食べさせると良いでしょう。ただ、加熱しすぎると水分中に栄養素が溶け出してしまうため、1〜2分を目安に湯がいてくださいね。
ヘタ部分は与えてはいけない
オクラのヘタ部分は固くて噛みにくいため、与えないようにしましょう。湯がいた後にカットすると良いですよ。また、オクラの中に詰まっている白い種は、そのまま与えて問題ありません。
しっかり洗ってから調理しよう
オクラの表面にはうっすらと産毛が生えています。産毛自体は問題ないのですが、防虫剤や殺虫剤などの薬剤が産毛に付着して残っているおそれがあります。薬剤を口にすると犬の健康に悪影響をおよぼす危険性があるため、調理前にしっかり洗ってくださいね。
ご飯のトッピング程度の量がベスト
オクラにはさまざまな栄養素が含まれていますが、オクラを主食にして与えるのはやめましょう。刻んだオクラをご飯の上にトッピングして与えると良いでしょう。
そもそも多くの飼い主さんが愛犬に与えているドッグフードは総合栄養食と呼ばれており、このフードと水を食べるだけで健康を維持するための栄養素を摂取できるといわれています。無理にオクラを食べさせる必要はないため、もしもオクラが大好きな愛犬であれば、与えすぎないように注意してくださいね。
こんな時は犬にオクラを食べさせないこと
腎臓が悪い愛犬には与えないほうが良いでしょう。オクラに含まれるミネラルを処理するのは腎臓なので、腎臓疾患の犬に与えると体に負担がかかってしまいます。
愛犬がオクラを誤食した場合は、愛犬の様子に変化がないか確認し、下痢や嘔吐などの症状が現れたときは速やかに獣医師に相談しましょう。
まとめ
オクラは犬に与えても良い野菜です。栄養素が豊富に含まれているため、健康を維持するのに役立つことが期待できます。しかし、オクラを丸ごと与えたりご飯の上に大量にトッピングしたりすると、消化不良を起こす危険性があります。
オクラに含まれる栄養素を効率良く摂取するためにも、今回紹介した与え方や与える量をぜひ参考にしてくださいね。
Adviser
ペットフーディスト 佐々木なるみ
愛犬の偏食をきっかけに資格を取得。これまでに4匹のわんちゃんと暮らしてきた。動物愛護に関心を寄せ、犬を含む多くの動物が幸せに暮らせる日本を目指している。