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夏野菜の一つであるピーマンは、独特の青臭い香りと苦みが特徴です。色もさまざまで、緑色だけでなく赤色や黄色のピーマンもあります。
ピーマンは全国各地で作られており、1つの株から平均40〜50個、多ければ100個以上の実を収穫することができます。夏の暑さに強いピーマンは比較的育てやすいため、家庭菜園に挑戦してみたい人におすすめの野菜です。私たち日本人はピーマンを炒めて食べることが多く、和風の味付けにしたりお肉と合わせて中華風の味付けにしたりして食べます。
はたして、ピーマンは犬に与えても大丈夫な食べ物なのでしょうか。
ANSWER ピーマンは犬に食べさせても大丈夫です。
ピーマンには犬にとって有害となる成分が含まれていません。そのため、犬に与えても良い野菜です。犬にとって必要な栄養素がたくさん含まれており、ピーマンを摂取することで体に良い効果をもたらすことが期待できます。
しかし、人間のように野菜を消化するための機能が十分整っていないため、与えすぎには注意が必要です。犬が欲しがるようでなければ、無理に与える必要はありません。
この記事では、ピーマンに含まれる栄養素や与え方の注意点などを紹介します。ぜひ、参考にしてくださいね。
ピーマンの主な成分や栄養素
ビタミンC
ビタミンCには身体が錆びるのを防ぐ抗酸化作用があり、解毒やホルモン代謝、骨や腱のコラーゲンの生成をサポートする働きがあるといわれています。さらに、鉄分の吸収を促進する働きがあり、貧血防止にも役立つと考えられています。
ビタミンCは肝臓での体内合成が可能です。しかし、ストレスや加齢、肝機能の低下によって合成が追い付かないこともあるため、食べ物から継続的に摂取する必要があります。
βカロテン
βカロテンは体内でビタミンAに変換し、皮膚や粘膜の健康維持や視力維持をサポートします。また、ビタミンAとして働くだけではなく、βカロテン自身も抗酸化作用を持ち、活性酸素の発生を抑えたり免疫を強くしたりするなど、老化を防ぐ働きも期待されています。
クロロフィル
クロロフィルとは、光合成をおこなう生物がもっている化学物質のこと。活性酸素から体を守ってくれる抗酸化作用を持ち、血中コレステロールの低下や血栓の予防などの効果も期待されています。
また、消臭殺菌効果があることから、人間用の歯磨き粉や口臭予防サプリメントに含まれていることが多い成分です。
ピラジン
ワタや種に多く含まれるピラジンは、ピーマンの香りや苦味のもととなる成分です。血液をサラサラにする効果が期待されており、その他にも血栓予防や冷え性対策に効果的な成分であるといわれています。
ピーマンを犬が食べた際の犬への効果・影響
ピーマンには抗酸化作用を持つビタミンCやβカロテンなどの栄養成分が含まれており、これらの成分は犬の健康に役立つと考えられています。また、血液サラサラ効果や血栓予防などの効果も期待できます。犬がピーマンを欲しがるようであれば少しずつ与えてみてください。
犬に与えてよいピーマンの量は?
小型犬の場合 | 15~24g(約半分) |
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中型犬の場合 | 25~44g(半分~1個) |
大型犬の場合 | 45~70g(1~2個) |
子犬の場合 | 消化器官が未熟な状態の子犬には与えない方が良い |
老犬の場合 | 少量ずつ与える |
犬にピーマンを与える際の注意点
ピーマンのおすすめの与え方
ヘタと種は取り除いてから与えよう
ヘタと種は消化しづらい部分なので、犬にピーマンを与える際は取り除きましょう。そもそも食物繊維を多く含むピーマンは、犬の胃や腸に負担をかける食べ物ともいえます。消化しやすいように、細かくカットしてから与えてくださいね。
ピーマンは炒めて与えよう
ピーマンの独特な苦みは、炒めることで軽減します。それだけでなく、火を通すことで柔らかくなり、甘みが増します。熱々の状態で与えてしまうと火傷をするおそれがあるので、冷ましてから与えましょう。毎日与えているドッグフードに興味を示さなくなったときなど、愛犬の嗜好性をアップさせる目的で与えるのもおすすめです。
生のピーマンは避ける
シャキシャキとした食感を好む愛犬もいるかもしれませんが、ピーマンを生のまま与えるのは控えましょう。犬は食物繊維の消化が苦手なので、下痢や嘔吐を起こす危険性があります。愛犬がどうしても食べ応えのあるものを欲しているようであれば、犬用のおやつなどで代用しましょう。
初めて与える際は少しずつ
初めてピーマンを与えるときは、アレルギー反応がないか確認するために、少しずつ与えましょう。たとえ愛犬がもっと欲しいと要求してきたとしても、愛犬の様子を見ながらゆっくり与えるのがポイントです。市販で購入できるほとんどのドッグフードは、健康を維持するために必要な栄養素が揃っている総合栄養食です。愛犬がピーマンを欲しがらないようであれば、無理に与える必要はありませんよ。
こんな時は犬にピーマンを食べさせないこと
ピーマンには、関節炎を引き起こすアルカロイドが微量含まれています。骨が弱い超小型犬や高齢犬には、ピーマンを食べさせないようにしてください。
また、以前ナス科の野菜(ナス・トマト・じゃがいも)を食べてアレルギーを引き起こしたことがある愛犬にも、与えないほうが良いでしょう。もしも誤って食べてしまった場合は、愛犬の様子を確認し、気になる症状が現れた場合はすぐに獣医師に相談しましょう。
まとめ
犬の健康を促進する働きが期待できる栄養素が豊富に含まれているピーマンは、犬に与えても大丈夫な野菜です。
しかし、たくさん摂取するほど体に良いというわけではありません。愛犬にピーマンを与える際は、ぜひ今回紹介した与え方や注意点を参考にしてくださいね。
Adviser
ペットフーディスト 佐々木なるみ
愛犬の偏食をきっかけに資格を取得。これまでに4匹のわんちゃんと暮らしてきた。動物愛護に関心を寄せ、犬を含む多くの動物が幸せに暮らせる日本を目指している。