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トマトには数え切れないほどの種類があり、色やサイズはさまざま。トマトは春から初夏にかけて旬を迎えますが、ハウス栽培の発展により年中食べられるようになりました。
私たち人間はトマトをそのまま食べたり炒めたりするなど、もはや日本食に欠かせない食材です。はたして、犬にトマトを与えてもいいのでしょうか。
ANSWER 基本的にトマトは愛犬に食べさせても大丈夫です。
トマトは犬に与えても大丈夫な食べ物です。しかし、未熟な青いトマトやヘタには犬に害のある成分が含まれているため、与え方に注意する必要があります。
「愛犬がトマトを欲しがるけれど正しい与え方が分からない」という飼い主さんは、ぜひこの記事を参考にしてくださいね。

トマトの主な成分や栄養素
水分
水分は生命維持に欠かせない成分で、トマトには90~94%の水分が含まれています。水分補給を目的としてトマトを与えてもいいでしょう。
リコピン
ほとんどの植物に存在する色素成分ポリフェノールの一種であるリコピン。野菜の中でも、特にトマトに多く含まれていることで有名です。リコピンは強力な抗酸化作用を持ちます。アンチエイジング効果や血管の老化を防ぐなど、さまざまな働きが期待されている栄養素です。
ビタミンC
ビタミンCは、身体が錆びるのを防ぐ抗酸化作用を持ち、骨や腱のコラーゲンの生成をサポートします。私たち人間は体内でビタミンCを作り出せませんが、犬は体内合成が可能です。しかし、ストレスや加齢、肝機能の低下によって合成が追い付かないこともあります。食べ物からも継続的に摂取する必要があります。
βカロテン
βカロテンは、必要量のみ犬の体内でビタミンAに変換され、皮膚や粘膜の健康維持や視力維持をサポートします。また、ビタミンAとして働くだけではなく、βカロテン自身も活性酸素の発生を抑えたり免疫を強くしたりするなど、アンチエイジング効果も期待されています。
トマトを犬が食べた際の犬への効果・影響
トマトを摂取すると、リコピンやビタミンC、βカロテンなどを効率よく摂取することができます。特にトマトには水分が豊富に含まれているため、夏の熱い時期の水分補給として役立ちます。水分を欲しがらない老犬に、水分補給目的で与えるのもいいでしょう。

犬に与えてよいトマトの量は?
小型犬の場合 | 7~15g |
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中型犬の場合 | 15~36g |
大型犬の場合 | 36~78g |
子犬の場合 | 少量ずつ与える |
老犬の場合 | 少量ずつ与える |
犬にトマトを与える際の注意点
トマトのおすすめの与え方
完熟したトマトを与えよう
「ジャガイモの芽には有害物質であるソラニンが含まれているから食べてはいけない」と聞いたことのある人は多いでしょう。未熟なトマトには、このソラニンと似た構造を持つ成分「トマチン」が多く含まれています。
微量摂取であれば問題ありませんが、過剰に摂取すると嘔吐や下痢になる可能性があります。必ず完熟したトマトを与えるようにしましょう。また、トマトのヘタや花にもトマチンは含まれているため、必ずヘタを取って洗ってから与えてくださいね。
加熱することで吸収率アップ
トマトを加熱することで、リコピンの吸収率がアップします。さらに火を通すことでやわらかくなるため、犬にとっても食べやすくなるでしょう。お湯で茹でれば、消化しにくい皮を簡単に剝けますよ。
ただ、トマトは水分が多いため、温かい状態で食べると火傷する危険性があります。一度食べ物で嫌な思いをすると、他の食べ物にも拒否反応を示す可能性があるため、注意してくださいね。
トマトジュースやケチャップは与えないほうが良い
トマトジュースやケチャップなどの加工品は、トマト以外の調味料が含まれています。糖分の過剰摂取になる危険性もあるため、ドッグフードのトッピング目的でも与えないほうが良いでしょう。
トマトに含まれる栄養素を効率よく与えたいのであれば、トマトをそのまま食べさせましょう。
ミニトマトをそのまま与えると危険
「ミニトマトは小さいからそのまま与えても大丈夫」と思っている人は多いのではないでしょうか。しかし、ミニトマトをそのまま与えると丸呑みしようとしてのどに詰まらせる危険性があります。また、丸呑みしてしまうとなかなか消化できず胃や腸に負担をかけることもあるため、サイズに関係なくカットして与えましょう。

こんな時は犬にトマトを食べさせないこと
アレルギー持ちや腎臓の弱い愛犬には、トマトを与えてはいけません。トマトに含まれるカリウムを過剰に摂取すると、正常に排出できず高カリウム血症を引き起こしてしまう可能性があります。
また、何かしらのアレルギーを持っているからといって、トマトにも反応するとは限りませんが、食物アレルギーは命に関わる問題なので、なるべく与えないようにしてくださいね。
トマトを食べて下痢や嘔吐、ふらつきなどの症状が見られた、すぐに獣医師の診察を受けることをおすすめします。
まとめ
トマトは犬に与えても良い食べ物です。しかし、完熟していないトマトやヘタにはトマチンと呼ばれる有害物質が含まれているため、与え方に注意が必要です。
トマトは、加熱することで栄養成分リコピンを効率よく摂取できます。愛犬がトマトを気に入ったのであれば、温めたトマトを小さくカットして与えてみてくださいね。
Adviser
ペットフーディスト 佐々木なるみ
愛犬の偏食をきっかけに資格を取得。これまでに4匹のわんちゃんと暮らしてきた。動物愛護に関心を寄せ、犬を含む多くの動物が幸せに暮らせる日本を目指している。
