INDEX
香り高くシャキシャキとした食感が特徴のセロリ。古代から親しまれている野菜で、昔は肉の臭い消しとして使われていました。
日本でも多くの地で栽培されており、長野では夏から秋にかけて、静岡では冬から春にかけてなど、通年を通して手に入る野菜です。
私たち人間はスープに入れたり、そのままスティック野菜として食べたりしますが、はたして犬に与えても大丈夫なのでしょうか。
この記事では、セロリの栄養や、セロリの与え方などを紹介。愛犬にセロリを与えていいのか気になっていた人は、ぜひこの記事を参考にしてくださいね。
ANSWER 基本的にセロリは愛犬に食べさせても大丈夫です。
セロリには犬にとって有害な毒は含まれていないため、与えても大丈夫な食材です。
しかし、犬は食物繊維の消化が苦手なので、茎の表面の太くて固いスジは胃に負担をかけてしまうおそれがあります。また、セロリには独特な香りがあるため、好き嫌いが大きく分かれる食べ物でもあります。
セロリの主な成分や栄養素
水分
水分は生命維持に欠かせない成分で、体を冷やす効果があります。セロリには約95%の水分が含まれています。
食物繊維
食物繊維には、水に溶けやすい水溶性食物繊維と水に溶けにくい不溶性食物繊維があり、セロリには水溶性が0.3g、不溶性が1.2g含まれています。腸内環境鵜を整えたり蠕動運動を活発化して排便を促進したりする働きがあります。過剰摂取すると、消化されずに腸に残った食物繊維が便と一緒になってどんどん膨れ上がります。結果として、消化不良を引き起こす可能性があるため与える量に注意が必要です。
カリウム
体内に溜まった余分な塩分を尿と一緒に排出する働きを持ち、血圧の安定・維持に効果的だといわれています。また、心筋や筋肉の機能維持、さらには神経刺激の伝達などの働きをしています。しかし、血中カリウム濃度が上昇する高カリウム血症の危険性から、過剰摂取に注意しなければなりません。
βカロテン
βカロテンは、犬の体内でビタミンAに変わる性質を持ちます。体内で必要とされている分だけビタミンAに変換するため、βカロテン摂取によってビタミンAが過剰になる心配はありません。ビタミンAに変換したβカロテンは、視力の維持や皮膚や粘膜の健康維持をサポートします。また、ビタミンAとして働くだけではなく、βカロテン自身も活性酸素の発生を抑え、老化を防ぐことが期待されています。
セロリを犬が食べた際の犬への効果・影響
セロリを摂取することで、犬の健康に効果的な食物繊維やカリウム、βカロテンを補給できます。さらに、セロリには水分が豊富に含まれているため、水分補給としても役立ちます。
犬に与えてよいセロリの量は?
小型犬の場合 | 葉っぱ2枚または茎5㎝ |
---|---|
中型犬の場合 | 葉っぱ2枚または茎5㎝ |
大型犬の場合 | 葉っぱ2枚または茎5㎝ |
子犬の場合 | 消化器官が未熟な状態の子犬には与えない方がいいでしょう。 |
老犬の場合 | 腎臓病がある場合は避け、健康な犬であっても少量ずつ与えましょう。 |
犬にセロリを与える際の注意点
セロリのおすすめの与え方
茎のスジは取り除いて細かく刻む
セロリのスジは固くて食べにくいため、消化できずに胃や腸に負担をかけるおそれがあります。必ずスジを取り除いてからセロリを愛犬に与えてくださいね。
スジの取り方は簡単です。まず葉の部分と根元部分を半分にカットし、カットした切れ目に包丁を当ててスジを持ち上げるようにして引っ張ります。ピーラーでもスジ取りできますよ。
また、セロリには食物繊維が豊富に含まれているため、かみ砕くクセのない愛犬であれば、消化不良を引き起こす可能性があります。なるべく小さくカットするか、ミキサーにかけて与えてくださいね。
生でも加熱でもOK
より消化しやすい方法で食べさせたいのであれば、生のままではなく加熱して与えると良いでしょう。熱を加えることによって、ミネラルであるカリウムはお湯の中に溶け出してしまいますが、反対にβカロテンの吸収率がアップすることが分かっています。
まずは犬にとって食べやすいかどうかを基準に与え方を工夫してみてくださいね。
葉っぱも与えよう
葉っぱに含まれるβカロテンは、茎の2倍といわれています。茎だけでなく葉っぱも一緒に与えましょう。
モシャモシャして食べにくそうであれば、小さくカットしてあげると良いでしょう。茎よりも葉っぱを好む犬もいるかもしれないので、まずは愛犬の好みを確認するためにも、茎と葉っぱの両方を食べさせてみてくださいね。
無理やり与えない
セロリの香りは好き嫌いが分かれます。健康な犬であれば、ドッグフードから必要な栄養素を十分に摂取できるので、愛犬が嫌がるようであれば、無理に与える必要はありません。
一度口に入れても吐き出す可能性もあるので、まずは少量与えてみて、様子を見ましょう。
こんな時は犬にセロリを食べさせないこと
何かしらのアレルギーを持っていたり、腎臓機能が弱っていたりする愛犬に、セロリは与えないほうがいいでしょう。
セロリを食べて痒がったり吐き気や嘔吐などの症状が見られたりしたら、すぐに獣医師の診察を受けましょう。
まとめ
セロリは犬にとって害のある成分が含まれていないため、与えても大丈夫な食べ物です。ただ、茎の部分には固いスジがあるので、きれいに取り除き、なるべく小さくカットして与えましょう。
水分だけでなくさまざまな栄養が含まれているセロリは、愛犬の健康をサポートしてくれる食材として期待できます。
Adviser
ペットフーディスト 佐々木なるみ
愛犬の偏食をきっかけに資格を取得。これまでに4匹のわんちゃんと暮らしてきた。動物愛護に関心を寄せ、犬を含む多くの動物が幸せに暮らせる日本を目指している。