
様々な種類がある犬用ブラシにグルーミングスプレー。愛犬にはどれを選んで良いの?どんなときに使えば良いの?詳しい使い方って?と悩んでしまう方は多いのではないでしょうか?
そこで今回は、犬用ブラシとグルーミングスプレーの正しい選び方と詳しい使い方をお伝えしていきます。
愛犬を上手にブラッシングするための犬用ブラシの選び方

犬用のブラシには様々なものがありますが、選ぶときには、使いたい目的&毛の長さ&毛の多さによって使い分けると良いでしょう。
文字で書いていくよりも、目で見た方がぱっとイメージしやすいと思うので、まずは表をご覧ください。
※使う人や犬によっては好みや合う合わないがあると思うので、あくまで参考として見ていただけたらと思います。
犬用ブラシ比較表

愛犬を上手にブラッシングするための犬用ブラシの使い方
それでは、各犬用ブラシはどのように使うのか、どんな犬種に合うのかを詳しく書いていきますね。先ほどの表と照らし合わせながら、愛犬に合ったブラシを見つけてみてください。
スリッカーブラシの特徴と使い方

スリッカーブラシは普段のブラッシングにとても適しています。万能かつ全犬種に使えるので、トリミングサロンではスリッカーブラシを使う事がとても多いです。ピンが多いので毛量が多い犬種でも綺麗にとかす事ができ、もつれや毛玉の除去に大変役立ちます。また、同時に抜け毛も一緒に取り除いてくれます。
特に長毛で毛量が多い犬(トイプードルやポメラニアン、その他の毛量が多くて毛玉が出来やすい犬種)には必須のアイテムと言っても過言ではないくらいです。春や夏、お散歩で足などにくっついた細かい枯葉やタネ類(おみやげと呼んでいます笑)を取るときにも大活躍してくれます。
スリッカーブラシの使い方は?
ピンの先は針金のようになっているため、皮膚に押し付けながらブラッシングをしてしまうと、皮膚に傷がついてしまいます。ですのでスリッカーブラを使うときに一番大切な事は、皮膚に押し付けずにとかすことです。
皮膚とスリッカーが平行になるようにして、優しくリズム良くとかしていくのがコツになります。とかした部分がふわふわになるのを実感できますよ。
ピンの先が皮膚に当たりやすい短毛種、皮膚が弱い子、または脱毛が見られる場合には先丸ピンといってスリッカーのピン先が丸くコーティングされているものや、ピンブラシを使うと安心できます。

ピンブラシの特徴と使い方

こちらも普段のブラッシングに適しています。どんな犬種にも向いているのですが、特に向いているのは
- 長毛種の中でも毛がとても長い犬
- 毛量が少ない犬
- スリッカーのピン先が皮膚にあたりやすい短毛種
- 皮膚に異常がある犬や脱毛が見られる犬
ヨークシャテリアやマルチーズで毛をフルコートに伸ばしている子のブラッシングにぴったりです。毛量が少な目で、櫛を入れたときにスーっとなでるくらいの毛の長さがある犬であればピンブラシを選んでみましょう。
ピンブラシの使い方は?
こちらはピン先が丸くなっているため、スリッカーブラシよりは気軽に使用できます。女性の長い髪の毛をとかすように優しくスーっとブラシをかけてあげましょう。
愛犬にはスリッカーブラシが良さそうだけどちょっと怖いな・・・と思う時には練習がてら、まずはピンブラシから始めてみるのも良いですね!
獣毛ブラシの特徴と使い方

どのような犬種にも使えます。毛の艶出しや静電気防止になるので、スリッカーやピンブラシのように内側から毛をとかすというよりは、ブラッシングの仕上げとしてよく使われます。短毛種の日々の簡単なブラッシングにも向いています。
獣毛ブラシの使い方は?
スリッカーまたはピンブラシで毛をとかしたあとに、毛の表面をなでるようにして毛並みを整えていきます。豚などの獣毛を使っているので、その匂いに愛犬が興奮したり噛もうとする事があり、初めて使用する際には少し注意が必要です。
ラバーブラシの特徴と使い方

こちらは抜け毛の多い短毛種にぴったりです。スムースチワワ、スムースダックス、パグ、コーギー、ゴールデンレトリーバーなどとにかく毛が抜ける、抜け毛を取りたいときにはもってこいです。
緩やかな凹凸のゴム製のブラシですので、毛をほぐしたりもつれや毛玉の除去、毛並みを整える役割りは持っておりません。
ラバーブラシの使い方は?
毛並に沿ってなでる、または毛並みとは逆向きになでていきます。するとゴムの凹凸の間に毛がくっつき、抜け毛がどんどん取れていきます。自宅でシャンプーする場合、ラバーブラシを使って体を洗っていくと毛穴の汚れがよく取れます。この使い方は全犬種対応ですので、手で体を洗うのが大変だと感じる場合はラバーブラシで洗ってみてください。
大型犬にはグローブ(手袋)になっているものがおすすめです。

スクラッチャーブラシの特徴と使い方

スリッカーブラシやラバーブラシでは抜け毛取りが追い付かない!というときにおすすめです。こちらはブラシの先が特殊な形状の刃になっており、毛穴から抜けたけれど完全に抜け落ちていない毛をひっかけて取るという方式のブラシです。
換毛期の中型犬~大型犬に使うと驚くほど抜け毛が取れます。
スクラッチャーブラシの使い方は?
先が刃になっているのでスリッカー同様、皮膚にあたったり背骨にあたると痛いです。ですので、皮膚にあたらないように優しく使ってあげる事が大切です。
また、かなり毛が取れるので同じ場所を何度もとかしたり毎日使ってしまうと、皮膚や被毛を傷つけてしまいますので、週に1~2回程度の使用が良いとされています。もつれや毛玉があると引っかかってしまうため、あらかじめスリッカーでもつれを取ったあとにやると、ブラシの通りがよくなりスムーズに使用できます◎
スクラッチャーブラシに関しては、あまり安いものですと刃の質が悪く、元気な被毛まで引きちぎってしまったり、皮膚を傷つけてしまう恐れがあるため、ファーミネーターという種類のものをおすすめいたします。
犬用掃除機付きブラシの特徴と使い方

スリッカーまたはピンブラシに掃除機機能が付いた画期的なグルーミングブラシです。抜け毛が気になる場合にはこちらも良いですね。
ブラッシング時に出る抜け毛をそのまま吸い取ってくれるので、抜けた毛が舞ってしまったり、床が毛だらけにならずに済みます。
中型犬~大型犬の特に抜け毛が多い子におすすめです。
犬用掃除機付きブラシのの使い方は?
毛並に沿ってブラッシングしてみたり、毛並みとは逆にブラッシングをしてあげます。アタッチメントがあるものは、それを付け替えればそのまま床などについた毛をお掃除する事ができます。掃除機の音が気になってしまう子、大きな音が苦手な子には注意が必要です。
愛犬を上手にブラッシングするための犬用グルーミングスプレーの種類と選び方・使い方

グルーミングスプレーにも様々な種類があり、目的によって使い分けます。
犬用ブラッシングスプレー
もつれや毛玉を予防したい、毛玉取りを円滑にしたい、ブローの後にふわふわの毛並みにしたいときなどに使います。普段のブラッシング時に誰でも手軽に使えるスプレーです◎
犬用トリートメントスプレー
もつれや毛玉予防、毛玉取りを円滑にしたいのはもちろん、トリートメント効果があるので毛に艶を与えたい、切れ毛やパサつきが気になるときにも使えます。毛のコンディションを整えたい、綺麗な被毛を保ちたいときに向いています。
犬用デオドラントスプレー
消臭効果があるので、愛犬の体臭や毛のニオイが気になるとき、に使います。雨に濡れてしまって生乾きのニオイが気になるときや、良い香りにしたいけど香水はちょっと・・・というときにも◎
グルーミングスプレーの使い方
グルーミングスプレーはどれもほぼ使い方は同じで、全身や気になる部分に軽くスプレーしれからブラシでブラッシングをします。仕上げにドライヤーをかけ、乾かしながら更にブラッシングするとふわふわの毛並みになります♪
また、おうちでシャンプーをしている場合、ドライヤーをかける直前に全身にスプレーをしてから乾かしてあげると、綺麗な仕上がりになりますよ♪毎日のブラッシングで使いたい場合は体に優しい天然成分配合のものを選ぶと安心できますね。
愛犬がスプレーを嫌がってしまう場合は、手に直接スプレーをし、愛犬をなでるようにして塗ってあげましょう。
メッセージさいごに

どのブラシも小型犬用~大型犬用がありますので、愛犬の体の大きさに合わせて選んであげてください。また、耳だけ・足先だけなど部分的にブラッシングをしたいときには、小さめのものを選ぶと小回りが利いてブラッシングがしやすくなります。
ブラシを嫌がってしまう場合には無理に続けずに、少しブラシをかけたら褒めておやつをあげたりして、【ブラッシング=楽しい】【ブラッシングをすると良い事がある】と認識させてあげる事が大切です。
毛を引っ張られる感覚が苦手な敏感な子もいますので、そういった場合は引っ張られる感覚の少ない獣毛ブラシを使って、まずはブラシをかけられる感覚に慣れるという事から始めてみましょう。
グルーミングスプレーは必ず必要というわけではないのですが、毛がほぐれやすくなったり、被毛の状態が良くなったり、普段よりふわふわとした仕上がりになるなどメリットがたくさんあるので、毛玉が出来やすい犬やブラッシングが好きな方にはとてもおすすめです。
この記事が愛犬と飼い主さんに合ったものを見つける手助けになっていましたら嬉しいです。
nowa writer
pomu
愛犬 / ぽてちちゃん&とちぎちゃん

小さな頃から動物(特に犬)が大好き!トリミングスクール卒業後はドッグカフェ併設のトリミングサロンのカフェスタッフ兼トリマー兼ペットホテルスタッフとして、犬に囲まれながらお仕事をしてきました。在学中はペットショップでのアルバイトもしていました。出産のため仕事は辞めてしまいましたが、それでも犬に関する何かがしたかったので羊毛フェルトで犬を作ったりしていました。現在は二頭のトイプードルと二人の息子に囲まれ、ワンワンギャーギャーと賑やかな毎日を過ごしています。家庭でできるグルーミング、豆知識、犬用品の事など、飼い主さんと愛犬にプラスになる事を書いていけたらと思います。
※愛犬は二匹。写真の左が「ぽてち」右が「とちぎ」です!