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【大型犬のドッグトレーニング】ドッグトレーナーさんの大型犬ドッグトレーニングに密着!

【大型犬のドッグトレーニング】ドッグトレーナーさんの大型犬ドッグトレーニングに密着!

「ドッグトレーニングとは聞くけれど、実際はどんな風にトレーニングするの?」「大型犬のトレーニングはどんなことをするの?」今回は、これから愛犬のトレーニングを考えている飼い主さんの疑問にお答えします。ワンコnowaのnowaチームから、ドッグトレーナーの西岡さんが、同じくnowaチームで愛犬と暮らすイラストレーターのセツサ チアキさん&ウタちゃん(イングリッシュゴールデン7ヶ月。2022年10月取材時点。)のドッグトレーニングに密着させていただきました。

ドッグトレーナー西岡裕記さん、イラストレーターセツサ チアキさん&ウタちゃん

ドッグトレーナー西岡さんに聞く大型犬と暮らす大変さとトレーニングの必要性

サイズ、パワー、声の大きさ。
小型犬とは違うスケール感。

基本的には大型犬でも小型犬でもトレーニングの必要性や内容は変わらないんです。大型犬が異なるのは、その大きさ故に、何かあった時に問題が深刻化しやすい点にあります。

体のサイズ、パワー、声の大きさが異なるんです。小型犬がキャンキャン吠えても、ぴょんぴょん飛びついてきても、「わー!可愛い。」となると思うんです。でも、大型犬の場合だと「ウォンウォン!」「ドーン」と声の大きさも、飛びついてきた時の衝撃も小型犬とは全然違います。どちらも人が好きだからこそ出る同じ行動なのですが、大型犬だと全く与える印象が変わるんです。なので、そういった面での難しさはありますね。大型犬に求められるトレーニングレベルは小型犬などよりもシビアになってきます。

ですから、大型犬を飼う方には「子犬の頃からしっかりトレーニングしなきゃ」という意識の高い飼い主さんが多いと思いますね。大型犬の子って街やカフェで穏やかに飼い主さんの隣に座っているのを見かけることが多いと思うんです。もちろん、大型犬は小型犬などに比べて穏やかな性質の子が多いのもありますが、やはり飼い主さんたちが子犬期からのトレーニングをしっかりされているんですよね。ウタちゃんも最初変にビビリなとこがあったんですけど、チアキさんの場合はそれを放置せずに苦手を克服するように日々取り組んでいてすごいな思いますね。大型犬の怖がりっていうのはほっとくと大きな問題につながったりもするので。

チアキさんのように意識が高い飼い主さんが多いのは、そのくらいトレーニングしておかないと大変というのがあるので、理想はウタちゃんのように4〜6ヶ月くらいからしっかりトレーニングをしてあげるが良いと思います。

ドッグトレーナー西岡さんに聞く大型犬のトレーニングでよくある相談

大型犬だといたずらで家具など大きいものを壊されたというのはよく聞きますが、基本的には「吠える」「いたずらする」「暴れる」「じっとしていられない」など、相談される問題行動は小型犬や中型犬とほぼ変わりません。

大型犬特有の相談でいうと、「力が強くてお散歩できない」というお悩みですかね。体が大きくてパワーがあるので、お散歩で他の犬などを見つけて興奮した際に、ぐいぐい引っ張る子だとご家族でお父さんしかお散歩に連れて行けないということもよくあります。ただ、しっかり小さい頃からトレーニングをしてあげれば、お母さんでもお子さんでもお散歩に連れていけるようになります。

またレトリバー犬種でいうと食に対しての執着が強いので「欲しい!欲しい!」と吠えてしまったり、飼い主さんのご飯が気になってテーブルに手をかけてしまったりするというのはあります。大型犬が立ち上がると簡単にダイニングテーブルに手が届いてしまうので。

ドッグトレーナー西岡さんに聞く大型犬トレーニングに大切なこと

トレーニングの基本は小型犬・中型犬と一緒で、「誰に対しても、どんな犬にたいしても友好的にできる」「吠えない、噛まない」「暴れないで落ち着いていられる」「過剰に怯えすぎない」ように、いろんな物や人、シチュエーションに触れ合わせて、どんな時も落ち着いていられるように社会化を行っていくことが大切です。

「興奮させ過ぎない」接し方が重要

強いて大型犬のトレーニングで大切なこととを挙げると「いかに興奮させすぎない日頃の接し方」ができる、という点になります。小型犬であれば多少はしゃいで暴れても飼い主さんが抱き上げたりできるのでなんとかなるんです。でも大型犬が興奮したりはしゃぐとどうにもできないので。

うまくできた時に大袈裟に褒めてしまうと嬉しくなって興奮してしまうんです。悪気がなくてもはしゃいで周りの方に迷惑をかけてしまうことになりかねません。なので大型犬の場合は、飼い主さんも冷静に「Good!」と声かけるくらいで、「興奮させ過ぎない」ことが重要になってきます。もちろんそれは散歩などのトレーニング以外、日常の生活の中での接し方でも同様です。愛犬が落ち着いていられるように、意識し、飼い主さんが接していくことが大型犬との暮らしでは大切になってきます。

ドッグトレーナー西岡さんに聞く知っておきたいトレーニングのポイント

トレーニングをする上で大切なポイントもいくつかお伺いしましたので、参考にしてみてください。全ての基礎になるとても大切な項目ばかりです。これを読んでから実践編をご覧ください。

お座りから始まって、お座りで終わろう。

トレーニングをする際はメリハリをしっかりとつけ、ヒールポジション(犬が飼い主の左横。飼い主さんの左側に寄り添っている状態)でシット(お座り)&ステイ(待て)から始め、最後もシット(お座り)&ステイ(待て)で必ず終えるようにしましょう。

できなかったらもう一度やり直す。一貫したルールで。

もしシット(お座り)のコマンド(指示)を聞かずに勝手に歩き出したり、別の行動をとった場合は、もう一度最初からシット(お座り)をやり直しましょう。もしシット(お座り)しない場合はお尻あたりを優しく押して誘導してあげても良いです。大切なことはできるまで何度でも繰り返し、できたら「次」にいくというのを繰り返すことです。「今回はできてないけどいいか」と前に進んでしまうと犬も混乱し、やらなくてもOKと覚えてしまいます。犬は絶対に覚えていますので、例外を作らずにコマンドを聞けたら次にいく!という一貫したルールで向き合いましょう。

コマンド(指示)はなるべく英語で

コマンド(指示)はなるべく英語を使うようにしましょう。英語の方がシンプルで犬も覚えやすいからです。日本語だと「お座り」「お座りしなさい」「座って」などさまざまな表現を使いがちなので、犬も迷ってしまいます。英語だとご家族の誰が接しても同じ言葉で伝えることもできます。

興奮させ過ぎないことを心がける

褒める際も「Good!」とさらっと声をかける程度に止めましょう。トレーニングがうまくいくと飼い主さんのテンションもあがると思いますが、常に「愛犬を興奮させない」ということを心に留めて接するようにしましょう。

大型犬のドッグトレーニング大型犬のドッグトレーニング散歩編!

まずはお散歩編からです。今は通常時はチアキさんの左側に寄り添って上手にお散歩できるウタちゃんですが、どんなトレーニングをしているのか覗かせてもらいました。お散歩トレーニングのポイントと一緒に解説します。

01ヒールポジションでのSIT&STAYからスタート

他のワンコがきになっていたウタちゃんですが、チアキさんのコマンドをしっかり聞いて、まずは「SIT&STAY」からスタートです!

02ヒールポジションで歩くトレーニング

お散歩スタート!飼い主さんの左側に寄り添って常にヒールポジションで歩くトレーニングです。リードはヒールポジションを保つ長さで持ちます。慣れるまでは緩め過ぎず、この距離で歩くんだよ、ということを教えてあげます。また横断歩道などでは、ヒールポジションで止まり「よし」というまでステイする練習も実践の中で教えていきます。

03方向・ペース・タイミングを
飼い主さんに合わせられるように

次に向かったのは人通りの少ない緑道。ここで50m程度の道を何度も何度もターンしては戻るを繰り返して歩きます。写真には映っていませんが、道の途中に西岡トレーナーや編集部スタッフが立っています。最初は気になってチアキさんを引っ張りながらこちらに向かってきてしまっていたウタちゃんでしたが、繰り返すうちにチアキさんの横をぴったりよそ見せずに歩き始めました。アイコンタクトもばっちりです。

「このように、どんな時でも方向、ペース、タイミングなどを飼い主さんに合わせて歩けるようにトレーニングを繰り返すんです。」と、西岡さん。

04興奮しないトレーニング

次にお散歩中のワンコとすれ違う練習やワンコが前を通ってもステイをして動かない練習、そして、初めて見る猫に挨拶をするなど、どんな状況でも落ち着いていられる社会化のトレーングです。初めての猫にはウタちゃんが興味津々でしたが、お利口に挨拶できました。

05メリハリも大切に

トレーニングにはメリハリも大切です。広く周りに誰もいないスペースでフリーにさせてあげる時間をとります。トレーニング中はキリっと頑張っていたウタちゃんでしたが、フリーになった瞬間、甘えん坊全開です。しっかりON/OFFができていてお利口さんです。

06苦手をなくそう。いろんな経験をさせよう。

今回のトレーニングでは行いませんでしたが、ウタちゃんの場合は、エレベーターが怖かったり、芝生だと芝をガジガジしてしまうという個性があるので、トレーニングの中でそのような苦手や問題の克服を行っていきます。
お散歩コースも毎回同じではなく、橋や池など経験したことのない場所を経験できるように変えているようにです。お散歩でもついつい同じコースを歩きがちですが、新しいコースで愛犬の社会化勉強をするのがおすすめです。

大型犬のドッグトレーニング大型犬のドッグトレーニングカフェ編!

次にカフェの実践トレーニングに密着です。カフェトレーニングは、カフェやレストランなど外食をした時のためだけではないのだそう。「レトリバー系は特に食欲が強いので、ゴールデンレトリバーがダイニングテーブルから「欲しい、欲しい」と離れないので、飼い主さんはいつも台所でご飯を食べているというご家族もいました。おうちでのご飯の時も、カフェなど外出した時も「食べ物」「人」「犬」などに興奮せずに落ち着いて待てるようにトレーニングしていくことが大切です。」と西岡トレーナー。

01カフェに入ったら飼い主さんの足元、他のお客さんの邪魔にならないようにダウンステイ(伏せ待て)を。

カフェに入ったら愛犬が同席することを伝え、席まで移動しましょう。テーブルについたら、大型犬は体が大きいので他のお客さんや店員さんの通行の邪魔にならないよう、飼い主さんの足元にダウンステイ(伏せ待て)をさせましょう。動き回るようなら、足でリードを踏み動ける距離を限定してあげるようにしましょう。この時、太ももにリードを一巻きすると、女性でも楽に大型犬の動きをセーブすることができます。

02店員さんが近づいてきても、食事がきても、食べている時も興奮せず、ダウンステイでリラックスできることを目指そう。

カフェに入った直後は店員さんや、後から入ってきたお客さんやワンコが気になってソワソワ、「可愛い〜」と声をかけられるとついついそちらが気になっていたウタちゃん。そんな間もチアキさんは足元のリードでコントロールを忘れません。飼い主さんは、食事やお話をしながらもこのコントロールを忘れず、愛犬のことを見つつコントロールをしていきましょう。この繰り返しを行うことで愛犬もカフェでのマナーを学んでいきます。

オーダーした食事がきて食事が始まるとだんだん落ち着き、最後の方はとてもリラックスした表情でくつろいでいました。外出先でも我慢して待つのではなく、この「リラックスした状態でダウンステイ」できることが理想の形なのだそう。人やワンコだけでなく飼い主さんの食べ物にも反応しないようにトレーニングしていくことが必要です。

カフェもお散歩と同様で、SIT&STAYからスタートし、できないところはできるまで何度でも繰り返して教えてあげましょう。どんな場所や状況でも周りの人や犬、食事に興奮しないように、様々なカフェやレストラン、食事形態など場所を変えてトレーニングをしてあげることもポイントです。

ドッグトレーナーさんとの出会い方飼い主さんと愛犬にマッチするドッグトレーナーさん、ドッグトレーニングの見つけ方

日中預けるタイプのしつけ教室や合宿タイプ、土日パーソナルトレーニングなどたくさんのドッグトレーニングの形があり、ドッグトレーナーさんがいる中で、自分と愛犬にマッチするドッグトレーニングやトレーナーさんを選ぶコツはあるのでしょうか?ドッグトレーニングを検討されている飼い主さんが抱く疑問について、西岡トレーナー、チアキさんに伺ってみました。

Q.西岡トレーナーにドッグトレーニングを任せたいと思ったのはどんな部分でしょうか?

愛犬とどんな暮らしがしたいのか、自分の理想をしっかり伝えて、それを理解し共感してもらえたこと。

チアキさんワンコとの関係や暮らし方って、人それぞれいろんな形があると思うんです。私の求める犬との暮らしは、たとえドッグカフェじゃなくても、どんな場所でも落ち着いて足元に寄り添っていられること。私の生活に合わせて仕事の打ち合わせも旅行も、どこにいくにも連れていける、それが私の理想の犬との暮らしで、先代犬のさっちゃんともそれでとても幸せだったので、ウタともそんな暮らしがしたいと最初に西岡さんに伝えたんです。あとは、「おやつ」を多用するトレーニングはしたくなかったので、それも伝えました。

西岡さんの場合は、トレーニングをお願いする前に西岡さんが大型ワンコたちとお散歩しているのを見かけていたのですが、ワンコたちがみんな「このリーダーといれば大丈夫」という安心感を持って歩いていて、まさにそれが理想のお散歩だったんですよね。

相談をしている中で、私の理想の暮らし方を理解してもらえて、トレーニングについての考え方やお話を聞いていてもすべてに納得がいって、共感ができたんです。それで安心して任せられました。この理想を一緒に共有してもらえるかは、自分に合うドッグトレーナーさんを見つける上ではとても大切だと思います。

Q.さまざまなトレーニング形態がある中で、どのようにその子に合ったトレーニングを組み立ていくのでしょうか?

飼い主さんがどんな愛犬との暮らしを求めているか、そしてその子のキャラクターを見てトレーニングを決めていきます。

西岡さんまずは飼い主さんが何を求めているのか、どんな理想があるのかを最初に伺います。あとはワンコのキャラクターや抱えている問題、ストレスレベルなどを見ながらトレーニング方法を決めていきますね。都会の大型犬の場合は運動不足からくる暴れる・吠えるという問題行動に繋がっている子も多いんですが、そういう場合は先にお預かりして遊ばせ、ストレスをゼロにしてからトレーニングに入るというパターンもあります。
ウタちゃんの場合は一度お預かりしたんですが、元気いっぱいなだけで特に大きな問題行動がなかったので、チアキさんの理想に近づくために飼い主さんと一緒に日々の生活の中でのマナーのトレーニングをしていきましょうとご提案しました。

Q.実際にトレーニングをしてみてどのような変化がありましたか?

ウタとの絆が深まったように思います。

チアキさん実はトレーニングを始める前は、ウタは少し私に対してそっけないところがあったんです。朝起きても喜んで寄ってくる感じではなく「あ、おはよう」ってあっさりした感じで。あとは先代犬のさっちゃんと比べると目が合うことも少なかったんです。

それが一緒にトレーニングを始めるようになってとても変わりました。アイコンタクトができるようになりましたし、朝も私が起きると尻尾をふって喜んでくれるようになったんです。もちろん散歩での引っ張りや少し頑固な部分もあったんですが、それも改善してお散歩が楽しくなりました。今はウタのトイレのタイミングや考えていることもわかるようになって、前よりもずっと絆が深まった気がします。もっと早くにトレーングをお願いすればよかったなと今は思います。

Q.ドッグスクールの預けても問題行動が改善しないという悩みもよくお伺いしますが、ウタちゃんのようにうまくトレーニングが進むためのコツはあるのでしょうか?

飼い主さんが愛犬と一緒にトレーニングに向き合うことが重要。

もちろん、トレーナーさんやトレーニングとの相性もあるとは思いますが、根本的にはやはり飼い主さんが一緒に取り組むことが重要だと思いますね。預ければ改善すると思っている方もいるかと思いますが、預けるだけではやはり難しいです。

チアキさんがすごいのは、トレーニング以外でも毎日ウタちゃんといろんなところに散歩に行って、学んだことを復習したり、エレベーターが苦手だったら次のレッスンの時までに練習してきてくれるんですよ。だからお散歩やカフェのトレーニング上達もとても早いんです。いくらドッグスクールなどで問題行動を改善しても、おうちに戻って飼い主さんがそれを維持できなければ、そっちの時間の方が長いのでやはりゼロにも戻ってしまうんですよ。

特に大型犬の場合は、トレーナーさんと飼い主さんと愛犬が一緒にトレーニングするスタイルのところがおすすめですし、飼い主さんが日々の生活でも愛犬と一緒に取り組むことが重要になりますね。

ドッグトレーニングまとめドッグトレーニングで一番大切なこと「根気よく」

今回取材の中で、西岡トレーナーとチアキさんに、ドッグトレーニングで一番大切なことはなんですか?と伺ったところ、二人とも「根気です!」と回答してくれました。トレーニングに同行している際も、お座りができなければ何度でもやり直し、「よし」の合図なく勝手に動いたらまた最初からと、繰り返し繰り返し同じコマンドを練習されていました。

ついついワンコに人の社会でのルールを理解してもらうための近道はないかと考えてしまいますが、ドッグトレーナーさんにトレーニングを受けながらも、大切なのは愛犬と毎日の暮らしの中で教わったことを「飼い主さんと」できるように根気よくトレーニングを続けることだということを改めて教えていただきました。

そして今回、楽しそうにトレーニングをするチアキさんとウタちゃんを見て、愛犬と一緒に同じ経験を積み重ね、一緒に成長していけると思うと、トレーニングも愛犬と暮らす中での一つの楽しみなのだと感じました。一緒に時間を重ねた先に、きっと理想の愛犬との暮らしが待っているのだと思います。

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