ボクサーの基本データ
原産国 | ドイツ |
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サイズ | 大型犬 |
犬種グループ | 牧畜犬・牧羊犬 |
飼いやすさ・しつけのしやすさ | 中級 |
運動量 | 中 |
トリミング | 不要 |
ブラッシング | 週1回程度 |
お散歩 | 1日2回×1時間程度 |
飼育費用 | 月1〜3万円程度(医療費別途) |
かかりやすい病気・怪我 | 胃捻転、椎間板ヘルニア、肥大型心筋症 |
ボクサーの歴史
19世紀中頃にブレンバイザー(牛噛み犬)と呼ばれていた猟犬が祖先とされており、マスティフ系やブルドック系との交配のもと作られました。
ボクサーの仕事は獲物を捕らえ決して離さず、猟師に引き渡すことだったため、幅広いマズルと下顎がしゃくれたアンダーショットを持つよう選別繁殖されました。猟犬や闘犬として活躍していましたが、現在では家庭犬や警備犬としても活躍の場を広げています。
ボクサーの性格と特徴・飼いやすさ
見た目は少し怖そうな印象があるかもしれませんが、優しく社交的な性格をしており子供に対しても仲良く優しく接します。しつけもしやすく、かっこいい見た目などから海外からの人気が高い犬種です。
基本的には優しくおとなしい子が多いですが、闘犬として活躍していた名残もあり攻撃的になってしまう子も中にはいます。そのような子でもしつけさえしっかりできれば、飼い主の指示に従うことでトラブルなども避けることができるでしょう。
ボクサーの被毛と種類
ボクサーはシングルコートで、その被毛は短くかたく、体に密着しています。全体的に艶と光沢がある美しい被毛です。
フォーン
金色がかかった単色です。ブラックマスクをしているような黒の模様が顔に入っています。
ブリンドル
虎のような縞模様が入っています。こちらもブラックマスクをしているような黒の模様が顔に入っています。
ホワイト
犬種スタンダード(犬種標準)としてJKCの犬種登録はされていませんが、白の被毛の子もいます。
ホワイトの子は聴覚障害を持つ確率が高いとされています。
ボクサーの大きさ・平均体重
大型犬の中でも小さめな方で、中型犬に分類されることもあります。体の割に頭が大きいのが特徴的です。コンパクトかつスクエアな体つきで、強健な骨格を持っています。
性別 | ボクサーの体重 | ボクサーの体高 |
---|---|---|
オス | 30kg以上 (体高約60cmに対して) |
57〜63cm |
メス | 約25kg (体高約56cmに対して) |
53〜59cm |
ボクサーの平均寿命と人間年齢
ボクサーの平均寿命は10〜12歳で人間に換算すると82歳前後と言われています。大型犬の平均寿命と同じくらいなので平均的だと言えます。
ボクサーの人間に換算した場合の年齢は下記の表をご参照ください。
犬の年齢 | 人間に換算した年齢 | 成長ステージ |
---|---|---|
3か月 | 4歳 | 子犬 |
6か月 | 7歳半 | |
9か月 | 11歳 | |
1歳 | 15歳 | |
1歳半 | 19歳半 | |
2歳 | 23歳 | 成犬 |
3歳 | 28歳 | |
4歳 | 33歳 | |
5歳 | 40歳 | |
6歳 | 47歳 | シニア犬 |
7歳 | 54歳 | |
8歳 | 61歳 | |
9歳 | 68歳 | |
10歳 | 75歳 | 高齢犬 |
11歳 | 82歳 | |
12歳 | 89歳 | |
13歳 | 96歳 | |
14歳 | 113歳 | 超高齢犬 |
ボクサーがかかりやすい病気や怪我
胃捻転
胃がねじれることでガスが溜まりショック状態に陥る病気です。よだれ、お腹の膨張、空ゲップ、元気消失などの症状があり、早急な処置が必要となります。処置が遅れると命を落としてしまうことも多くとても怖い病気です。
発症の原因として食後すぐの運動、ご飯の一気食い、水のガブ飲みがあげられます。食後1時間の安静、早食い防止用の器に変えるなどの対策をすると良いでしょう。
また近くの動物病院や夜間でも空いている動物病院なども把握しておくと安心です。
椎間板ヘルニア
椎間板が飛び出してしまうことで脊髄を圧迫し、さまざまな障害を引き起こす病気です。四肢の麻痺、痛み、食欲不振などの症状で気づくことが多いです。
また重度になると排泄のコントロールや立つことすら難しくなるため早めの対処が必要です。軽度の場合は鎮痛薬と安静での治療が可能ですが、重度の場合は手術での治療になります。手術後すぐに回復するわけではなくリハビリが必要になるため、回復にはかなりの時間がかかるでしょう。
拡張型心筋症
心臓の機能低下により、全身にうまく血液を送れなくなる病気です。この病気はボクサーでの発症が非常に多いことから“ボクサー心筋症”とも呼ばれます。
症状としては咳、元気消失、呼吸が速い、体重減少などが見られ、またひどい場合は失神や突然死などが起こり命に関わります。予防や治療法などはなく、定期的な健康診断などで心臓の様子を診ておくと良いでしょう。
ボクサー犬の断耳は必要??
昔は猟犬として活躍していたボクサーは、弱点を減らすために耳や尻尾を切られていました。その名残で現在でも断耳や断尾をされたボクサーをよく見かけますが、もともとは垂れた耳に長い尻尾を持っています。
“家庭犬として過ごす分には断耳や断尾の必要はない”と禁止されている国もありますが、日本では禁止されていません。もし断耳や断尾を希望しない場合は、ブリーダーなどで迎えるといいでしょう。断耳や断尾を行っているところが多いですが、希望しないことを伝えれば切らずにそのままの姿で引き渡してくれるところもあります。
ボクサーに似ている犬種は?
よく間違われる犬種としてアメリカンピットブルやスタッフォードシャーブルテリアが挙げられます。
3犬種とも顔つきや体つきがよく似ていますが、外見でいうとピットブルやブルテリアに比べ、ボクサーは一番体高が高くすらっとした見た目をしています。性格などは少し似ているところもありますが、中でもボクサーが一番社交的で従順な面を持っているため飼いやすいでしょう。
ただ3犬種とも初心者には難しいとされており、飼育にはある程度の知識や経験が必要でしょう。
ボクサーの飼い方・飼う際の注意点
ボクサーの飼い方・飼う際の注意点 1子犬の頃からのしつけを
ボクサーは成犬になるにつれ力が非常に強くなっていきます。そのため子犬の頃からしつけを行い、飼い主がコントロールできるようにしましょう。いざというときに指示に従うことができないと、散歩時の飼い主の転倒や人や犬とのトラブルにつながる可能性もあります。
また子犬の頃からさまざまな環境に連れていったり、犬と触れ合わすなどしておくと良いでしょう。
ボクサーの飼い方・飼う際の注意点 2運動量は非常に多い
ボクサーは非常に活発で運動量も多いです。そのため毎日の散歩は欠かせません。
またジョギングでの散歩やドックラン、アジリティなども活動的なボクサーにはおすすめです。歩くだけの散歩ではボクサーには物足りなく、ストレスが溜まってしまいます。運動不足は問題行動につながるため、体力に自信がない方には飼育は難しいでしょう。
ボクサーの飼い方・飼う際の注意点 3抜け毛対策はこまめに
ボクサーは短毛ではありますが抜け毛が多いです。そのため週1回はラバーブラシでのブラッシングを行いましょう。
ブラッシングは抜け毛を取り除く他に、マッサージやボディチェックなどもできます。そのためコミュニケーションをとれたり怪我や病気の早期発見にもつながるためこまめに行うと良いでしょう。
またブラッシングに加え、月1回程度のシャンプーを行うと皮膚が清潔に保たれ、皮膚病や臭いの予防になります。
ボクサーの飼い方・飼う際の注意点 4適切な温度管理
ボクサーはシングルコートなため寒さに弱いです。そのため冬場には寒さ対策として服などを着せると良いでしょう。また暑さには強いとされていますが、屋内でのクーラーは必須です。
汗をかきにくい犬は熱が体にこもりやすく、夏場に熱中症を引き起こしやすいです。そのため夏場はクーラーなどを使い温度を下げましょう。
ボクサーの飼い方・飼う際の注意点 5できれば屋内飼育で
大型犬は屋外飼育されることが多いですが、現在では大型犬でも屋内飼育が推奨されています。
温度管理が十分にできない他、いたずらや連れ去りなども多く危険です。犬を危険にさらさないためにも飼育スペースを確保し屋内飼育することが望ましいでしょう。
ボクサーの値段・価格の相場
ボクサーの子犬の値段相場は17〜25万円前後とされています。親犬がドックショーなどで良い成績を持っていれば高額になる傾向があります。
ボクサーをお迎えする方法
ボクサーを家族としてお迎えする際の2つの方法を紹介します。
ブリーダーさんからお迎えする
ボクサー専門の優良ブリーダーをネットなどで検索してみましょう。ブリーダーから子犬をお迎えする場合は両親が明らかなので、毛色や体格、性格などがわかるメリットがあります。
また、お迎え後もブリーダーさんに困った時に相談ができたり、兄弟犬の輪が広がったりとサポートしてもらえる繋がりがもてるのも心強いポイントです。
保護犬のボクサーを探して里親になる
動物保護施設や動物愛護ボランティア団体などでは、繁殖犬を卒業して保護された子や、飼い主の事情で手放されて保護されているボクサーを見つけることができるかもしれません。事前にサイトやSNSなどで探してみるのがおすすめです。
まとめ
かっこいい見た目とは違い、社交的で優しい一面を持っているボクサー。そんなギャップに惹かれる方も多いのではないでしょうか。
体力に自信のある方や飼育経験が豊富な方にはおすすめしますが、初心者には難しいでしょう。そのためボクサーを迎える際は、十分な飼育スペースを確保し、ある程度の知識を得てから迎えることをおすすめします。