イングリッシュ・コッカー・スパニエルの基本データ
原産国 | イギリス |
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サイズ | 中型犬 |
犬種グループ | ポインター・セター以外の鳥猟犬 |
飼いやすさ・しつけのしやすさ | 飼いやすい犬種 |
運動量 | 多い |
トリミング | 必要(月1回) |
ブラッシング | 週2~3回以上 |
お散歩 | 1日2回×30分以上 |
飼育費用 | 月1~2万円程度(医療費別途) |
かかりやすい病気・怪我 | 外耳炎、眼疾患(進行性網膜萎縮症、チェリーアイ)、先天性激怒症候群、脂漏性皮膚炎など |
イングリッシュ・コッカー・スパニエルの歴史
イングリッシュ・コッカー・スパニエルの先祖はイギリス土着のランド・スパニエルと考えられています。ランド・スパニエルは、陸地での猟に使われていた犬たちの仲間であり、イギリスの多くのスパニエルの祖先です。
コッカーの由来は、17世紀頃イギリスのウェールズ地方で「ヤマシギ」という鳥専門の猟犬として活躍しており、コック(シギ)を狩る犬種であることから、コッカーと呼ばれています。1883年には同じく大きな垂れ耳が特徴である「イングリッシュ・スプリンガー・スパニエル」と同じ犬種としてイギリスのケネルクラブに公認されていましたが、1892年に別の犬種「イングリッシュ・コッカー・スパニエル」として分けられることになりました。その後、さらに愛玩犬らしくなるよう独特のウェーブのある長毛と小型でしっかりした体に改良が施されていきます。
イングリッシュ・コッカー・スパニエルの性格と特徴・飼いやすさ
イングリッシュ・コッカー・スパニエルは、フワフワとしたウェーブのある長毛に、美しい飾り毛のある垂れ耳が特徴の外貌が優雅な犬種です。見た目は優雅ですが、性格は陽気で社交的で人懐っこく、親しみやすい性格をしています。
また、鳥猟犬として高い運動機能を備えているので、とても活発で、遊ぶのが大好きです。飼い主さんに忠誠心が高く従順で、利口な犬種のためしつけがしやすく、飼いやすい犬種といわれています。
イングリッシュ・コッカー・スパニエルの被毛と種類
イングリッシュコッカースパニエルの被毛は、一つの毛根から一本の上毛と複数の下毛が密生して生えているダブルコートで、ウエーブがかかった長い毛が特徴的です。
毛色は、ブラック、タン(黄褐色、淡い茶色)、レッド、オレンジ、ホワイト、ゴールドなど20色以上の単色(ソリッドカラー)と、混合色(パーティーカラー)に大きく分けられます。
パーティーカラーは、2色のバイカラーや3色のトライカラー、白い毛が細かく混じったローン、茶色にところどころ黒みがかかったセーブル、黒と茶をベースに額に眉のようなタン模様が入ったブラック&タンなどバリエーションが豊富です。
イングリッシュ・コッカー・スパニエルの大きさ・体高・体重
イングリッシュ・コッカー・スパニエルは体高が体長よりやや長く、骨太でがっしりとしており、実猟性に富んだ体型をしています。オスに比べてメスの方が若干小柄ですが、ほとんど違いはありません。
性別 | イングリッシュ・コッカー・スパニエルの体重 | イングリッシュ・コッカー・スパニエルの体高 |
---|---|---|
オス | 12.5~14.5kg | 39〜41cm |
メス | 12.5~14.5kg | 38〜39cm |
イングリッシュ・コッカー・スパニエルの平均寿命と人間年齢
イングリッシュ・コッカー・スパニエルの平均寿命は10〜12歳といわれています。人間に換算した場合の年齢は下記の表をご参照ください。
犬の年齢 | 人間に換算した年齢 | 成長ステージ |
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3か月 | 4歳 | 子犬 |
6か月 | 7歳半 | |
9か月 | 11歳 | |
1歳 | 15歳 | |
1歳半 | 19歳半 | |
2歳 | 23歳 | 成犬 |
3歳 | 28歳 | |
4歳 | 32歳 | |
5歳 | 36歳 | |
6歳 | 40歳 | シニア犬 |
7歳 | 44歳 | |
8歳 | 48歳 | |
9歳 | 52歳 | |
10歳 | 56歳 | |
11歳 | 60歳 | |
12歳 | 64歳 | |
13歳 | 68歳 | |
14歳 | 72歳 | 高齢犬 |
15歳 | 76歳 | |
16歳 | 80歳 | |
17歳 | 84歳 | |
18歳 | 88歳 | |
19歳 | 92歳 | |
20歳 | 96歳 |
こちらの表は、
- 小型犬・中型犬「24+(犬の年齢-2)×4=人間に相当する年齢」
- 大型犬「12+(大型犬の年齢-1)×7=人間に相当する年齢」
の方式に基づいて計算しています。詳しくは、下記の記事をご覧ください。
イングリッシュ・コッカー・スパニエルのかかりやすい病気
イングリッシュ・コッカー・スパニエルのかかりやすい病気 1 外耳炎
外耳炎とは、耳の穴から鼓膜までの間の耳道に炎症が起こる病気です。外耳炎は耳の垂れた犬種に多く、黒い耳アカや膿のようにドロドロ、ジクジクした耳アカが見られたり、耳アカから悪臭がしたり、耳を頻繁に掻くなどの症状が見られます。炎症の原因は、細菌や真菌(カビ)などの繁殖、耳ダニなどの寄生虫、アトピーやアレルギーなどの過敏症、異物混入や腫瘍(しゅよう)などです。
イングリッシュ・コッカー・スパニエルのかかりやすい病気 2 眼疾患
イングリッシュ・コッカー・スパニエルは、長い毛が目に入りやすく、目の周りの皮膚がたるんでいるためかかりやすいため、眼疾患全般になりやすい犬種です。特に進行性網膜萎縮症は、イングリッシュ・コッカー・スパニエルの遺伝子的な病気の一つといわれており、高い確率で発症するとされています。進行性網膜萎縮症は、眼の奥にある光を感じる透明な構造物である網膜の機能が徐々に失われていき、最終的に失明する眼疾患です。また、チェリーアイは、目頭にある第三のまぶたといわれている第三眼瞼が飛び出し、赤く腫れ上がる病気で、イングリッシュ・コッカー・スパニエルによく見られます。
イングリッシュ・コッカー・スパニエルのかかりやすい病気 3 脂漏性皮膚炎
脂漏症とは、全身の皮脂腺の分泌が盛んになったり、皮膚のターンオーバーが乱れたりすることで発症する皮膚病です。
脂漏症は、感染や炎症、栄養障害や内分泌疾患により引き続き起こされるといわれ皮膚が脂っぽくベタベタになる油性と、逆に乾燥してカサつく乾性の2パターンあります。イングリッシュ・コッカー・スパニエルは、油性脂漏症の好発犬種で、かゆみ、湿疹、脱毛などの症状が見られる場合は動物病院への受診がオススメです。
イングリッシュ・コッカー・スパニエルの先天性激怒症候群とは?
先天性激怒症候群は、突然噛みつくなど攻撃的な行動をしてしまう病気です。別名「レイジシンドローム」とも呼ばれており、遺伝性によるものと考えられています。遺伝性のため、根本的な治療法はないですが、投薬によって攻撃的な行動を多少抑えられることもあるため、動物病院の獣医師に相談しましょう。
ただ、発現した個体や血統はブリーディングから外すなど、ブリーダーさんたちの様々な努力もあり、先天性激怒症候群が発症するイングリッシュコッカースパニエルはほとんどいないと言われております。
イングリッシュ・コッカー・スパニエルの飼い方・飼う際の注意点
イングリッシュ・コッカー・スパニエルの飼い方・飼う際の注意点 1 出来れば毎日1回ブラッシングをしてあげる
イングリッシュ・コッカー・スパニエルの被毛はダブルコートで抜けやすく、換毛期には多量の毛が抜けます。絹のように柔らかく、絹糸状の美しい毛を保つためにも、ピンブラシまたはコームを使って、毎日1回のブラッシングを出来ればしてあげましょう。被毛の美しさをキープするためには、2週間ごとにシャンプーとトリミングを1回ずつ交互に行うことがオススメです。
イングリッシュ・コッカー・スパニエルの飼い方・飼う際の注意点 2 運動させてあげる
猟犬をルーツとしているため、活発で運動量は多めです。毎日の散歩以外にも、ドッグランに連れて行って遊ばせたり、ボール遊びをさせたりなど、ストレスが溜まらないよう、出来るだけ運動させましょう。
イングリッシュ・コッカー・スパニエルの飼い方・飼う際の注意点 3 しつけの際には怒らない
とても賢くて従順なため、しつけはとても楽ですが、感受性が強く、繊細な面もあるので、無理強いはしないようにしましょう。叱るとやる気を失う可能性があるため、叱るよりも褒めて教えるようにすると、喜んでしつけを覚えてくれます。
イングリッシュ・コッカー・スパニエルの飼い方・飼う際の注意点 4 熱中症に気をつける
イングリッシュ・コッカー・スパニエルダブルコートで被毛が厚く、高温多湿な暑さが苦手な犬種なため、熱中症対策が必要です。暑場は、涼しい時間帯に散歩に行ったり、強い日差しが直接当たらない風通しのよい場所で遊んだり、犬が涼しいと感じる最適な室温に設定したりと熱中症対策をしましょう。
イングリッシュ・コッカー・スパニエルの飼い方・飼う際の注意点 5 耳のお手入れをする
イングリッシュ・コッカー・スパニエルは、耳が長く、垂れているため外耳炎になりやすい犬種です。犬はシャンプーの後にブルブルと頭を振ることで、耳の水を自分で外に出せるため、頭を振って耳の縁に付いた水は拭き取ってあげましょう。飼い主さんが綿棒を使うと耳の中を傷付けることがあるため、イヤークリーナーとコットンを使って耳のお手入れを時々してあげることをオススメします。
イングリッシュ・コッカー・スパニエルをお迎えする方法
ブリーダーさんからお迎えする
イングリッシュ・コッカー・スパニエル専門の優良ブリーダーをネットなどで検索してみましょう。ブリーダーから子犬をお迎えする場合は両親が明らかなので、毛色や体格、性格などがわかるメリットがあります。
また、お迎え後もブリーダーさんに困った時に相談ができたり、兄弟犬の輪が広がったりとサポートしてもらえる繋がりがもてるのも心強いポイントです。
保護犬のイングリッシュ・コッカー・スパニエルを探して里親になる
動物保護施設や動物愛護ボランティア団体などでは、繁殖犬を卒業して保護された子や、飼い主の事情で手放されて保護されているイングリッシュ・コッカー・スパニエルを見つけられるかもしれません。事前にサイトやSNSなどで探してみてくださいね。
イングリッシュ・コッカー・スパニエルの値段・価格の相場
イングリッシュ・コッカー・スパニエルの子犬の価格相場は30万円〜です。血統や容姿などでより高額になる傾向があります。
まとめ
イングリッシュ・コッカー・スパニエルは、フワフワとしたウェーブのある長毛に、美しい飾り毛のある垂れ耳が特徴の外貌が優雅な犬種です。性格は陽気で社交的で人懐っこく、親しみやすい性格をしています。飼い主さんに忠誠心が高く従順で、利口な犬種のためしつけがしやすく、飼いやすい犬種です。