シェルティーの基本データ
原産国 | イギリス |
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サイズ | 小型犬 |
犬種グループ | 牧羊犬・牧畜犬 |
飼いやすさ・しつけのしやすさ | 賢くて優しく愛情深いため、家庭犬に向いている |
運動量 | 多くの運動量が必要 |
トリミング | 月1回程度のシャンプーが目安 |
ブラッシング | 毎日1回程度 |
お散歩 | 1日2回×30分~1時間程度 |
飼育費用 | 月3〜4万程度(医療費別途) |
かかりやすい病気・怪我 | 皮膚病、コリーアイ症候群、甲状腺機能低下症 |
シェルティーの歴史
「シェルティー」との愛称で親しまれているシェットランド・シープドッグですが、ルーツはスコットランドのシェットランド諸島にいた牧羊犬にあるといわれています。シェットランド諸島は厳しい気候で食べ物が豊富な土地ではなかったため、そのような環境に適応するために長い年月をかけて牧羊犬が小型化していったと考えられています。
小型化した牧羊犬は19世紀後半、イギリスの海軍たちによってイギリス本土に連れて帰られ、当時から人気のあったラフ・コリーとの交配によって外見がコリーに似るようになりました。しかし、体格が大きくなってしまっため、今度はポメラニアンやキング・チャールズ・スパニエルとなどとの交配を試み、小柄な体格を取り戻していくように品種改良されて現在のシェルティーとなったといわれています。
シェルティーの性格と特徴・飼いやすさ
ルーツが牧羊犬にあることから、シェルティーはとても賢く、飼い主さんには忠実で愛情深い性格が特徴的です。一度、家族と認めてくれたら、絶大な信頼と好意を持ってくれるため、生涯に渡って大切なパートナーとなってくれるでしょう。
その分、飼い主さん以外には警戒心が非常に強く、見知らぬ人や他の犬には威嚇をしてしまう可能性があるため、迎えてからの社会化などのトレーニングが大切になってきます。また、牧羊犬は吠えることを仕事としてていたこともあり、吠えやすくて声も大きい子が多いといわれています。
なお、愛情深くて甘えん坊であり、長時間の留守番はストレスとなるものの、我慢強い面もあるためそのストレスを表に出さずに溜め込んでしまう場合もあります。
シェルティーの被毛と種類
シェルティーの基本的な毛色は、セーブル、セーブル&ホワイト、トライカラー、マール、ブルーマール、ブラック&ホワイト、ブラック&タンの7色といわれています。これらの毛色に、ブラック&タン以外は首、胸、フリル、脚、尾先に「ホワイト・マーキング」と呼ばれるホワイトの毛色が混じることが特徴的です。
被毛は密なアンダーコートと硬くまっすぐに長く伸びたオーバーコートから成るダブルコートですが、アンダーコートは他の犬種と比較しても柔らかく、すぐにもつれて抜け毛と絡まり毛玉になってしまう危険性があるためブラッシングは毎日行いましょう。
シェルティーの大きさ・体高・体重
小型犬サイズに分類されていますが、比較的大きいサイズの子が多いため「中型犬に近い小型犬」と考えたほうが良いでしょう。よってケージやキャリーバッグなどを選ぶ際は愛犬のサイズを測定してからをおすすめします。
シェルティーの体重 | シェルティーの体高 |
---|---|
6.4〜12kg | 33〜41cm |
シェルティーの平均寿命と人間年齢
シェルティーの平均寿命はおよそ12〜13歳といわれています。これは人間年齢に換算すると64歳~66歳に該当し、人間年齢とすると少し短く思えますが、先天的な病気がなければ比較的丈夫な犬種なので、平均寿命を超えて長生きする子も多いでしょう。
人間に換算した場合の年齢は下記の表をご参照ください。
犬の年齢 | 人間に換算した年齢 | 成長ステージ |
---|---|---|
3か月 | 4歳 | 子犬 |
6か月 | 7歳半 | |
9か月 | 11歳 | |
1歳 | 15歳 | |
1歳半 | 19歳半 | |
2歳 | 23歳 | 成犬 |
3歳 | 28歳 | |
4歳 | 32歳 | |
5歳 | 36歳 | |
6歳 | 40歳 | シニア犬 |
7歳 | 44歳 | |
8歳 | 48歳 | |
9歳 | 52歳 | |
10歳 | 56歳 | |
11歳 | 60歳 | |
12歳 | 64歳 | |
13歳 | 68歳 | |
14歳 | 72歳 | 高齢犬 |
15歳 | 76歳 | |
16歳 | 80歳 | |
17歳 | 84歳 | |
18歳 | 88歳 | |
19歳 | 92歳 | |
20歳 | 96歳 |
こちらの表は、
- 小型犬・中型犬「24+(犬の年齢-2)×4=人間に相当する年齢」
- 大型犬「12+(大型犬の年齢-1)×7=人間に相当する年齢」
の方式に基づいて計算しています。詳しくは、下記の記事をご覧ください。
シェルティーのかかりやすい病気
シェルティーのかかりやすい病気 1 皮膚病
シェルティーは遺伝的や被毛の特色等から、日に当たりやすい鼻筋から鼻先に赤みや脱色・脱毛などが起こる「日光性皮膚炎」や原因不明で皮膚に炎症が起きる「家族性皮膚筋炎」などの皮膚病が起こりやすいという特徴があります。
毎日のブラッシングなどの際に皮膚に異常が見られないか、念入りにチェックが必要となります。
シェルティーのかかりやすい病気 2 コリーアイ症候群
先天性の病気であり、眼球の後方を眼底といいますが、眼底を包む膜である脈絡膜(みゃくらくまく)という膜に欠損が発生します。
症状としては「視力の異常」などが見られますが、飼い主さんは気づきにくいため心配ならば遺伝子検査を検討しても良いでしょう。
シェルティーのかかりやすい病気 3 甲状腺機能低下症
成犬において最も多い内分泌疾患といわれており、甲状腺ホルモンの不足または欠乏により「元気消失」や「脱毛」、「食事の量は変わらないのに肥満」などの症状が見られます。
血液検査での甲状腺ホルモン測定で早期発見することが可能なため、健康診断の際などに測定を追加しても良いでしょう。
シェルティーとコリーの違いは?
よく、シェルティーをコリーの子犬や、コリーのミニチュア版、などと勘違している方がいますが、シェルティーとコリーは異なる犬種です。違いは主に以下の3点にまとめることができます。
- サイズ
- シェルティーとコリーは成犬時の体の大きさが全く異なります。シェルティーは小型犬に分類され、体重は 6.4〜12kgですがコリーは大型犬に分類され、体重は約2倍の20~30kgとなります。
- 毛色
- シェルティーの毛色は7色と多彩ですが、コリーは4色のみとなります。
- 性格
- どちらも飼い主さんには忠実で愛情深い性格ですが、シェルティーは警戒心が強く、家族以外の人には心を許しませんが、コリーはおおらかという違いがあります。
シェルティーの飼い方・飼う際の注意点
シェルティーの飼い方・飼う際の注意点 1 長時間の留守番は控えるようにしましょう
シェルティーは、とても優しくて愛情深い性格のため飼い主さんのことが大好きで甘えん坊な子が多いです。そのため、長時間の留守番は寂しくてストレスとなってしまう危険性があります。
また、賢くて我慢強いという面もあり、その寂しさを表に出さずに溜め込んでしまって体調を崩してしまう可能性もあるため、可能な限り一緒にいる時間を多くとってあげましょう。
シェルティーの飼い方・飼う際の注意点 2 たっぷりな運動が必要です
シェルティーは小型犬ですが牧羊犬にルーツがあることから、体力がある犬種となります。よって可能な限り、1回30分~1時間、1日2回程度の散歩を日課としてあげましょう。
また、広い場所で走り回ったり、飼い主さんと遊ぶことも大好きなので、公園やドッグランなどでボールやフリスビーを使って一緒に遊んであげることもおすすめです。
シェルティーの飼い方・飼う際の注意点 3 社会化のトレーニングを大切にしましょう
シェルティーは警戒心が強いため、見知らぬ人や他の犬には威嚇をしてしまったり、チャイムの音などに過剰に反応して大きな声で吠え続けてしまう場合があります。
よって可能ならば生後約3週齢~13週齢位までの「社会化期」の間に、飼い主さん以外の人間やチャイムなどの日常で生じる音などの様々な環境に慣れさせてあげるようにしましょう。
シェルティーの飼い方・飼う際の注意点 4 毛玉に注意しましょう
シェルティーは基本的にはカットは不要といわれていますが、その分毎日のブラッシングなどによる毛玉の予防がとても大切になってきます。特に春と秋の換毛期は、より多くの毛が抜けるため、場合によってはブラッシングの回数を増やしても良いかもしれません。
もし、毛玉ができてしまったら、小さいものならば自宅で対応しても良いかもしれませんが誤って怪我をさせてしまう危険性もあるためトリミングサロンなどへの相談がおすすめです。
シェルティーの飼い方・飼う際の注意点 5 遺伝病の知識を持ちましょう
シェルティーには「コリーアイ症候群」以外にも血を止める機能に異常がある「フォンウィルブランド病」や主にフィラリア症の予防薬として使用される「イベルメクチン」という薬剤でショック症状が起こる「イベルメクチン感受性」などの遺伝病が報告されています。
これらの疾患に関連する遺伝子を持っているかは遺伝子検査で調べることができるため、不安な場合は動物病院に相談しましょう。
シェルティーをお迎えする方法
ブリーダーさんからお迎えする
シェルティー専門の優良ブリーダーをネットなどで検索してみましょう。ブリーダーから子犬をお迎えする場合は両親が明らかなので、毛色や体格、性格などがわかるメリットがあります。
また、お迎え後もブリーダーさんに困った時に相談ができたり、兄弟犬の輪が広がったりとサポートしてもらえる繋がりがもてるのも心強いポイントです。
保護犬のシェルティーを探して里親になる
動物保護施設や動物愛護ボランティア団体などでは、繁殖犬を卒業して保護された子や、飼い主の事情で手放されて保護されているシェルティーを見つけられるかもしれません。事前にサイトやSNSなどで探してみてくださいね。
シェルティーの値段・価格の相場
シェルティーの子犬の販売価格は30~50万円です。ただ、血統や顔つきなどによって価格に開きがあります。
まとめ
シェルティーは賢い、愛情深い、忠実、と家庭犬にはとても向いている犬種であるため、まるで我が子のように大切な存在となってくれるでしょう。
ただ、甘えん坊で寂しがりな面もあるため、お仕事やレジャーなどで家をあけることが多い方にはあまり向いていないとも考えられます。
また、遺伝病も報告されているため、信頼できる動物病院が近くにあれば理想的ですね。
シェルティーの性格などをしっかり理解して、ご自身のライフスタイルに合っていると思ってから、迎えてあげてくださいね。