保護犬と出会う前に、相性の良い保護団体と出会おう
次にワンコを迎える際には保護犬から迎えたいと考えている方たちから、「どの保護団体が良いか分からない」というご質問をいただくことが増えました。近年、保護犬への関心が高まり保護団体への注目が集まる一方、寄付金の使い道やボランティアとのトラブルについてSNSで目にする機会も増え、「どの団体なら安心して犬を譲り受けられるのだろう?」と迷われている方もいらっしゃると思います。そこで改めて保護犬を迎える際のポイントと、保護団体とのマッチングを考えてみましょう!
保護団体を探す前にまずは、保護犬を迎え入れられる状況か再確認しよう!
SNSやマッチングサイトでかわいい保護犬を見つけると、この子を家族に迎え入れて幸せにしてあげたい!と思う心優しい方は少なくないと思います。ただ、責任を持ってそのワンコを幸せにできるのか、改めてご自身の今の状況を冷静にみつめてみましょう。
家族全員が同意していますか?
自分が責任を持って新しいワンコのお世話をする!と思っていても、外出時や緊急時には家族や周囲の人々の協力が必要になります。同居している家族がいる場合は全員が新たなワンコを迎えることに賛成しているのかは非常に重要です。また一人暮らしの方は近所に頼れる存在が不可欠でしょう。
ワンコを新たに迎え入れることが可能なライフスタイルですか?
これまでワンコと暮らしていた方は、次のワンコは、これまで共に暮らしてきた先住犬たちとは違う個性を持っているかもしれません。ですから想定外に時間やお金がかかる場合もあります。もし既にワンコと暮らしている方は、保護犬を迎えた後も先住犬の散歩やお世話の時間を維持できるのかも大切なポイントになります。
保護犬とのマッチング可愛い、かわいそうだけで保護犬を選ばない
保護犬に興味を持つきっかけとして「かわいそうな境遇のワンコを幸せにしてあげたい」と思う優しい気持ちは欠かせませんし、見た目がかわいい!というのも魅力のひとつですが、「保護犬を家族として迎えること」には、それだけでは乗り越えられないハードルが幾つも待ち受けていると考えてください。大切なのはあなたとの相性です。
今後ワンコとどのような生活を送りたいかを考えてみよう!
保護犬(成犬の場合)はある程度の犬の性格を保護団体さんが把握している場合もあります。もしアクティブにアウトドアライフやドッグスポーツを楽しみたいなら元気でパワフルなワンコを、お家でゆっくり過ごすことが多いなら落ち着いたワンコを選べるのが保護犬のメリットです。見た目だけでなく、保護犬は性格で選ぶことができることを忘れずに。あなたのライフスタイルと相性の良い子を探しましょう。
保護犬ならどんなワンコでも良いの?
保護犬にも様々な背景があります。ペットとして暮らしてきたが理由があって放棄された犬。犬種のスタンダードに合わず販売されなかった犬。繁殖に用いられていた引退犬。そして野犬や野犬が産んだ子犬です。それぞれに利点(子犬・純血種など)と難点(病気・人馴れなど)があります。保護犬という分類やワンコの見た目だけでなく、その保護犬が背負ってきたこれまでの歴史も鑑み冷静に検討をしましょう。
写真や動画を見て、このワンコと暮らしたい!と一目惚れすることもあるでしょうが、ご自身と考え方や活動のスタイルが合う保護団体とコミュニケーションをとり、自分たち家族に向いている保護犬を推薦してもらう方法もオススメです。
動物保護団体とのマッチング保護団体を選ぶ基準
保護団体の拠点が家の近くにあるかどうか?
保護犬を引き取るまでの間も、引き取った後も頼りになるのが保護団体のスタッフさんや、その犬を預かっているボランティアさんです。何かの際に顔と顔を合わせて相談できる環境は、保護犬との暮らしを始めるにあたっては心強いでしょう。可能であれば近くのエリアで活動する団体さんをお勧めします。
譲渡条件をしっかり比較しましょう
お住まいの自治体が運営する動物愛護センターや、近隣の保護団体を幾つか選び、譲渡条件を比較検討してみましょう。気になる譲渡費用は、団体が保護犬を預かっていた期間の医療費(3〜5万円)を支払うのが一般的ですが、寄付を含む一律の金額が提示されている団体もあります。提示されている条件がその団体の考え方を反映していますから、ご自身が共感できる団体を選ぶことが大切です。
間接的にでも面識がある団体の方が安心
施設(シェルター)の場所を知っている、譲渡会を見かけたことがある、動物病院に新しい飼い主さん募集のチラシが置いてあるなど、地域に根付いて活動を継続していることも信頼に繋がります。ご近所やお知り合いで保護犬を引き取った方がいる場合は、その犬がいた団体について聞いてみることも有益な情報収集になります。
保護団体のホームページやSNSだけで選ばず、
自分の目で確かめよう
気になる保護団体があれば実際に施設や譲渡会へ足を運んでみましょう。そこでスタッフさんやボランティアさんと会話してみると、その団体の雰囲気が分かります。少人数で多くの犬を保護している場合、丁寧な対応をしてもらえないこともありますが、一生懸命さは伝わってくるでしょう。また保護犬をどう扱っているのかも実際に見ることができるので、面倒だと思わずに新しい家族を選ぶための時間をしっかりと確保してください。
動物保護団体とのマッチング保護団体の選び方まとめ
保護犬を引き取る際には犬との相性(ライフスタイルや性格)と、保護団体との相性(譲渡条件や雰囲気)の両方を重視することが大切です。また、可哀想な犬を幸せにしてあげたいという優しい気持ちを大切にしつつ、その犬を引き取ることで自分たちが幸せになれるのかという視点も忘れずに持っていただければ「こんなはずじゃなかった…」というミスマッチを避けることができるでしょう。