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全国の自治体に設置されている動物愛護センターや保健所で、保護されているワンコを譲渡してもらえるということをご存知でしょうか。動物愛護センターは、さまざまな理由で捨てられたり、居場所がなくなったりしたワンコや、自然の中で生まれた野犬などを動物愛護の観点から保護し、新しい飼い主さんを募集して譲渡する事業を行っています。
環境省では、ワンコ、ニャンコなどの動物は私たちの心を癒やし、生活を豊かにしてくれる存在であり、その命を尊重し感謝の念を持つ動物愛護精神の元に、さまざまな事業を展開しています。その一つとして、動物愛護センターで保護犬を新しい飼い主に譲渡する活動をしているのです。
動物愛護センターでは、動物保護や動物愛護普及事業、動物取り扱い対策事業なども行われています。動物愛護センターは都道府県や市区町村などが運営しているため、日本の各所に設置されています。この記事では、全国の動物愛護センターから10カ所をピックアップして、その活動内容や譲渡方法などをご紹介します。全国の保護犬を譲渡する施設保護犬を譲渡してもらえる施設を、北海道から沖縄まで、それぞれご紹介していきます。
保護犬をお迎えする日にはハーネスやリード、キャリーケース等を必ず持参してください。
北海道で保護犬譲渡を行う施設札幌市動物管理センター福移支所
札幌市動物管理センター福移支所での譲渡の場合は、保護されているワンコたちを見学後、決まった子がいれば、職員と面談をし、所定の手続きを経て即日譲渡されます。身分証明書、首輪とリードまたはキャリーケージの持参と、市への登録手数料(札幌市内での飼育の場合)として3,200円が必要となります。
里親の条件
- 福移支所までワンコを引き取りに行くことができる
- 18歳以上
- 同居家族全員が飼育に賛成している
- 譲渡誓約書の内容遵守
- 過去に譲渡を受けている場合、譲渡誓約書の遵守事項に違反していない
など
秋田で保護犬譲渡を行う施設秋田県動物愛護センター ワンニャピア
秋田県動物愛護センター ワンニャピアは、「動物にやさしい秋田」のキャッチフレーズもある動物の命をつなぐ拠点とした施設で、ワンコやニャンコの適正飼養の啓発や保護犬の譲渡の推進などが行われています。
保護犬は、合同譲渡会やホームページ等に掲載されます。気に入った子がいれば、センターに来所して面接等を行い、譲渡への手続きを進めます。譲渡が決まれば、飼い方等の講習を1時間程度受講が必要です。
里親の条件
- 秋田県在住
- 適正な飼養管理
- 終生飼養する
- 不妊・去勢手術をする
- 同居家族全員が飼育に同意している
- 高齢者の場合は、親族等による継続飼養
- その他センターが求める誓約事項を遵守すること
など
静岡で保護犬譲渡を行う施設静岡市動物愛護館 動物指導センター
静岡市動物愛護館 動物指導センターでの譲渡の場合は、事前登録制で、希望のワンコはどのような子かヒアリングされ、該当するような子がいればセンターから連絡が入ります。その後来所して保護犬と対面し、一旦トライアルとして自宅に連れ帰ることもできます。そして、お互いの相性が良ければ正式譲渡となります。
里親の条件
- 同居する家族全員の同意
- 終生飼育
- 避妊・去勢手術の実施
- 飼育のために必要な出費があるのを理解していること
- 健康管理や病気予防、怪我や病気の際の治療をすること
- 営利目的でないこと
- 犬の登録
- 飼い主がわかるように首輪に鑑札や注射済み票を付けること
- 狂犬病予防法や動物の愛護及び管理に関する法律、静岡市飼い犬条例などの法律・条令遵守
- 狂犬病予防注射を受けさせること
など
愛知で保護犬譲渡を行う施設名古屋市動物愛護センター
名古屋市動物愛護センターでは、センターで保護されたワンコを譲り受けて里親探しを請け負う、譲渡ボランティアの名古屋市獣医師会が運営する「人とペットの共生サポートセンター」が譲渡会を開催し、里親探しをしています。また公式サイトでは、長期にわたって里親が見つからない子が掲載されています。気に入った子がいれば直接センターへお問い合わせください。
里親の条件
直接センターへお問い合わせください。
三重で保護犬譲渡を行う施設三重県動物愛護推進センター あすまいる
三重県動物愛護推進センター あすまいるの場合は、譲渡申し込み前にいくつかのチェックを行った後、誓約書提出をしてからの譲渡となります。チェック項目は、住居形態や家族構成、譲渡後の訪問が可能かなどです。なお、手数料として3,500円〜4,000円の支払いがあります。
里親の条件
- 三重県在住であること
- 多頭飼い不可
- 20歳未満の未成年は不可
- 飼養する場合の誓約事項遵守
- 終生飼養
- 犬の登録と狂犬病予防注射接種
- 避妊・去勢手術
- 迷子札を付ける
- 適切に健康管理をし、病気や怪我は治療を受けさせる
- 転売したり、他人の代わりに譲受しない
- 飼育困難になった場合の引受先があること
- 譲渡後に行われる調査に協力する
など
京都で保護犬譲渡を行う施設京都動物愛護センター
京都動物愛護センターは、ドッグランやトリミングルームまで併設されているセンターです。まず所定の申込書等を提出し(郵送でも可)、希望の条件に合う保護犬がいればセンターから電話で案内され、その後面会となります。里親となることが決まれば、必要な書類(引き渡し願1枚)記入後に譲渡となります。
里親の条件
- 京都府内在住
- 成人で飼養者本人の飼育であること
- 動物の飼養が認められている住居であること
- 終生飼養
など。詳細はセンターへ直接お問い合わせください。
大阪で保護犬譲渡を行う施設大阪府動物愛護管理センター
ここでの譲渡までの流れとしては、必要書類を公式サイトよりダウンロードして窓口か郵送、E-mailなどで提出します。その後、譲渡前調査として自宅へ職員が訪問し、講習会を受講し希望する子と面会、後日譲渡となります。トライアルも可能です。
また、このセンター以外にも、『アニマル ハーモニー大阪 ~ともに、つなぐ~』という大阪府動物愛護管理センターが運営するマッチングサイトもあります。
里親の条件
- 大阪府在住
- 成人であること
- 営利目的ではないこと
- 譲渡前講習受講
- 終生飼養
- 適正に飼育するための知識があり法令を遵守すること
- 食費、医療費など飼育のための費用の負担ができること
- 避妊・去勢手術
- 家族全員の同意
- 飼育不可住居への転居の予定がないこと
- 飼育者が日常的に不在とならないこと
- 適正に飼育できる環境であること
- 飼育可の住居であること
- 誓約内容の遵守
など
香川で保護犬譲渡を行う施設香川県さぬき動物愛護センター しっぽの森
香川県と高松市が共同でワンコやニャンコの譲渡事業に取り組んでいます。里親の条件に合っていることが確認できれば、譲渡前講習を受講します。後日、保護犬とマッチング(相性確認)をし、別日の譲渡となります。
里親の条件
- 飼育可能な住居であること
- 引っ越し予定がないこと
- 飼育できるライフスタイルであること
- 家族全員の同意
- 家族の中に、動物アレルギーを持っている人がいないこと
- 生涯にわたる適正な飼養
- 避妊・去勢手術
- 終生飼養
- 譲渡前講習受講
- 食費、医療費など飼育のための費用の負担ができること
- 飼育困難になった場合の引受先があること
など
福岡で保護犬譲渡を行う施設福岡県動物愛護センター
一般利用も可能なドッグランが併設されています。譲渡条件に合っていれば講習会を受講でき、その後保護犬と面会します。相性が良いと判断されれば誓約書を提出し、後日の譲渡となります。お迎えの日には記念写真を撮影してくれますよ。
里親の条件
- 食費、医療費など飼育のための費用の負担ができること
- 避妊・去勢手術
- 現在飼育中のワンコがいる場合、不妊去勢手術ができていること
- 終生飼養
- 20歳以上65歳未満
- 営利目的でないこと
- 一人暮らしでないこと 留守時間が長くないこと
- 動物アレルギーの家族がいないこと
- 家族全員の同意
- 必ず散歩をさせること
- 飼育可能な住居であること
など
沖縄で保護犬譲渡を行う施設沖縄県動物愛護管理センター
譲渡条件の確認後、ホームページに掲載されている保護犬の中から希望する子とお見合いすることができます。譲渡講習会参加の際に飼養環境事前確認書の提出が必要となります。希望するワンコが決まれば、職員が自宅訪問して環境調査をします。その後譲渡の可否の連絡があり、正式譲渡となります。譲渡後も、1年以内を目安に追跡調査があります。
里親の条件
- 終生飼養
- 家族全員の同意
- 飼育可能な住居であること
- 食費、医療費など飼育のための費用の負担ができること(生涯飼育には最低180万円が必要です)
- 65歳以上、または一人暮らしの場合、飼養不可になった時の預かり先があること(60歳未満であること、飼育可能な住居であること)
など
まとめ
ここまで、日本の10カ所の動物愛護センターを紹介しました。この10カ所以外にも、お住まいの地域の動物愛護センターや保健所で、新しい家族を待っているワンコたちがいます。
インターネットなどで検索して、保護犬たちに会いに行ってみてはいかがでしょうか。