本記事はペット管理栄養士が執筆・監修を行っております。
ANSWER みかんは犬に食べさせても大丈夫。
「みかん」も「オレンジ」も愛犬に食べさせても大丈夫な果物です。ただし、みかんの外皮・薄皮、種、葉は与えないようにしましょう。
みかんには、犬が中毒を起こすような成分は含まれていないため、与えても基本的には問題ありません。柑橘類のにおいや酸味を苦手とする犬もいますが、みかんやオレンジなどの果物は、低カロリーながら果糖を含み甘みがあるので、好む犬も多い食べ物です。食欲が落ちている愛犬の手軽なビタミンや水分、糖質が補給にも有効です。またオレンジには便通促す効果がある食物繊維「ペクチン」が豊富なので、便秘の犬に食べさせると、便秘の解消が期待できます。
みかん、オレンジに限らずですが、もちろん与えすぎは禁物です。食べ過ぎや丸呑みが消化不良につながるリスクもありますので、特に子犬やシニア犬には少量ずつ与えてください。 また、みかんアレルギーを起こす犬や持病のある犬、特に腎臓病を持つ犬は、カリウムの排泄機能が落ちていることがありますので、与える際に注意が必要です。また、皮、種、葉は消化しにくいので与えるのは避けましょう。とくに皮には農薬や防腐剤が付着している危険性もあるので、食べさせないように気をつけましょう
犬に与えてもよいみかんの量は?
みかんのサイズはSS~2Lまであり、1個の重さは平均80~180gほどになります。
ここではみかんMサイズ(約100g)の場合を前提に避妊・去勢手術済みの成犬の場合に与えて良い量について記載します。
小型犬の場合(10kg未満) | 1〜1.5個程度 |
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中型犬の場合(10kg以上~25kg未満) | 2~2.5個程度 |
大型犬の場合(25kg以上) | 3.5個程度 |
子犬の場合 | 食べ慣れるまでは少量ずつ愛犬の様子を見ながら与えましょう。 |
老犬の場合 | 少量ずつ愛犬の様子を見ながら与えましょう。 |
犬にみかんを与える際の注意点は?
犬にみかんを与える際は外皮、薄皮は必ず剥いてから与えましょう!
みかんの外皮には「ソラレン」という、摂取することで下痢や嘔吐、目の充血や湿疹などを起こす可能性がある成分が含まれているため、犬に与えないようにしましょう。
子犬や老犬に犬にみかんを与える際は絞った果汁にしましょう。
子犬やシニア犬には、絞った果汁を飲ませるのがおすすめです。酸味で胃腸を荒らさないように少量にとどめましょう。子犬やシニア犬は成犬にくらべ消化機能が弱く、与えすぎると消化不良や下痢、嘔吐などにつながケースがあるためです。
まだ青い未成熟なみかんは与えないようにしましょう。
まだ熟していない緑色のみかんには、アルカロイドと呼ばれる有毒成分が含まれています。犬が摂取してしまうと下痢や嘔吐などの中毒症状を引き起こすこともあります。犬にみかんを与える際は、必ず完熟したオレンジ色のみかんを選んで与えるようにしましょう。
腎臓病や糖尿病など持病のある犬は事前に獣医師に相談を!
みかんにはカリウムが多く含まれており、体内のミネラルバランスを調整している腎臓に負担がかかってしまいます。カリウムがうまく排出できずに体内でカリウム濃度が上がってしまうと、心臓の機能に影響を及ぼし、心不全や心停止を起こすことも。そのため、腎臓病などの持病を抱える犬に与えるのはさけましょう。
またみかんは糖質が多く含まれていますので、糖尿病や肥満などの犬についてもなるべく与えない方が良いでしょう。
犬のみかんアレルギー
みかんで犬が食物アレルギーを起こしてしまう可能性もあります。みかんを初めて与える場合は少量だけ与えて体調に変化がないかを注意深くチェックしてください。もしも下痢や嘔吐、目の充血、元気がないなどの症状があった場合は、すぐにかかりつけ動物病院に相談するようにしましょう。
まとめ犬にみかんを与える際は外皮・薄皮は必ずむいてから。
与える量に注意してあげましょう。
犬は人と違いうまく外皮・薄皮・すじを消化できないため、必ずそれらをとった状態でみかんを与えることが大切です。また栄養豊富なみかんですが、食べ過ぎは犬にとって糖分やカロリーの摂りすぎにつながりますので、与える量にも注意しましょう。
Adviser
伊藤 悦子さん
麻布大学獣医学部環境畜産学科(現・動物応用科学科)出身。ペット栄養管理士・家畜人工授精師(牛)資格所持。動物医療発明研究会会員。NPO法人「NEWSつくば」記者。犬は5匹、猫は6匹の他にモルモットやセキセイインコ、文鳥たちと暮らしてきました。現在は17歳になる茶トラの猫「りんごちゃん」がいます。人とペットの幸せを願って執筆しています。