本記事は獣医師やペット栄養管理士が執筆・監修を行っております。
海藻から作られる寒天は、ほとんどが食物繊維と水分でできており、とても低カロリーでダイエットや水分補給に有用な食材です。
しかし、与える際にはいくつかのポイントを押さえ、適切な与え方や分量を守ることで、安心して与えることができます。
愛犬に寒天を与える際には、ぜひ今回紹介した与え方や注意点を参考にしてくださいね。
ANSWER
寒天は犬に食べさせても大丈夫です。
寒天には犬に危険な成分は含まれていないため、与え方や分量を守ることで安心して与えることができます。
特に、寒天は食物繊維が豊富に含まれているため、低カロリーながら満腹感を感じやすいので、肥満気味で体重が気になる子におすすめの食材です。

寒天の主な成分や栄養素
食物繊維
食物繊維には、血中のコレステロールを下げる効果のある水溶性食物繊維と、腸の中で膨らみ便秘改善効果のある不溶性食物繊維があります。
寒天には不溶性食物繊維が豊富で、腸の動きを活発にし、便秘解消や腸内環境の改善に役立ちます。
ヨウ素
寒天には、昆布やわかめなどの海藻に多く含まれるヨウ素が含まれています。ヨウ素は身体の新陳代謝を調節する働きを促進するため、身体には必要な成分です。
カリウム
カリウムはミネラルの一つで、細胞の活性を維持したり、過剰な塩分を排出して血圧を安定させる効果があります。
また、疲労回復にもカリウムは良い効果を与えてくれます。
寒天を犬が食べた際の犬への効果・影響
寒天は身体のなかで水分を吸収し、膨らむことで満腹感を得られダイエット効果が期待できます。
また、食物繊維を豊富に含むため、便秘解消効果や、腸内でのコレステロールの吸収阻害、血圧上昇を抑制する効果もあるのです。
犬に与えてよい寒天の量は?
小型犬の場合 | おやつとして与えるときには1日の最適カロリー量の10%以内。ダイエット目的の場合はドッグフードを通常の4分3くらいの量に抑える。 |
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中型犬の場合 | おやつとして与えるときには1日の最適カロリー量の10%以内。ダイエット目的の場合はドッグフードを通常の4分3くらいの量に抑える。 |
大型犬の場合 | おやつとして与えるときには1日の最適カロリー量の10%以内。ダイエット目的の場合はドッグフードを通常の4分3くらいの量に抑える。 |
子犬の場合 | 成長期なのでダイエットは禁忌。おやつとして与えるときには1日の最適カロリー量の10%以内にする。 |
老犬の場合 | おやつとして与えるときには1日の最適カロリー量の10%以内。ダイエット目的の場合はドッグフードを通常の4分3くらいの量に抑える。 |
犬に寒天を与える際の注意点
寒天のおすすめの与え方

適量を与える
寒天は食物繊維が豊富なため、水分補給やかさ増しダイエットに有効な食材です。
ただし、寒天はほとんどが水分でできているため、寒天だけ食べていると栄養バランスが崩れてしまいます。
ダイエットのために犬に寒天をあげる場合でも、いつものフードを全て寒天に置き換えることはやめましょう。
様子を見ながら、少量ずつ与える
寒天に対するアレルギーを持っている犬もなかにはいます。
ですので、初めて寒天を与えるときは、アレルギー反応がないか確認しながら、少しずつ与えましょう。
万が一、下痢や嘔吐、皮膚のかゆみなどのアレルギー症状が出た場合は、すぐに動物病院を受診してください。
柔らかめに作って与える
寒天はつるっとノドに入り込んでしまうため、硬めに作ると犬のノドに詰まる恐れがあります。
そのため、寒天を与えるときは柔らかめに作って、犬がノドに詰まらせないように配慮しましょう。
味付けはしない
犬に寒天を与えるときは味付けの必要がありません。
人間が美味しいと感じる味付けは、犬にとっては濃く、体にも良くないため、味付けはせずにそのまま与えましょう。
保存方法に気をつける
寒天は手軽に一度で大量に作ることが出来ますが、冷蔵庫で2日程度しかもちません。
また、特に食材が傷みやすい暑い季節には、むやみに大量に作ることなく、保存方法にも気を付けましょう。
こんな時は犬に寒天を食べさせないこと

腎不全など腎臓に疾患がある犬では、寒天のカリウムが正常に排出できず、高カリウム血症になってしまうことがあります。
また、心臓に疾患がある犬がカリウムを過剰にとりすぎると、心臓に負担がかかり病状を悪化させる可能性があるので注意が必要です。
まとめ
寒天は低カロリーで食物繊維も多く、ダイエットに最適で、適量を守れば、愛犬の健康維持に役立つ食材です。
正確な知識を持ち、愛犬の食生活に寒天を是非取り入れてみてくださいね。
Supervisor
西岡 優子 にしおか ゆうこ
獣医師。北里大学獣医学科卒業後、香川県の動物病院に就職。結婚を機に、都内の獣医師専門書籍出版社にて勤務。現在は、パート獣医として働く傍ら、犬・猫・小動物系のライターとして活動。ペット栄養管理士としても活躍中。
