飼い主さんが不安になると、ワンコも不安。飼い主さんが笑えば、ワンコも嬉しい。そんな風に飼い主さんとワンコの気持ちは連動しています。
「Stand by you」では、飼い主さんの小さな不安や心の揺らぎに寄り添い、飼い主さんと様々なお悩みを共有しながら、ワンコの幸せ・ご家族の幸せを一緒に考えていきたいと思います。
今回の「Stand by you」は、お散歩中に人や車・自転車に警戒吠えをしてしまうダックスフントのブイちゃんがきてくれました。ブイくんは最近、山梨から東京にお引越しされたとのことで、大きく変わった環境に戸惑う部分も大きいのかもしれません。
飼い主さんは警戒吠えはブイくんにとっても相手側にとっても危険なのでやめさせてあげたいと悩み抱えていらっしゃいました。もし同じお悩みの飼い主さんがいらっしゃったら是非、今回の相談会を参考にしてみてください。

飛彈 樹里さん(CPDT-KA)
イヌマニック代表。ドッグマインダーとして、ドッグトレーニング、食事・ヘルスケア、シッティング、介護・グリーフケアのトータルドッグケアサービスを通して、パピー期からシニア期のライフステージやそれぞれのご家族に合わせたサポートに取り組んでいる。
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警戒吠えのお悩み実はとっても甘えん坊!ミニチュアダックス 6歳のブイ君

撫でてもらうのが大好きな甘えん坊なブイくん。 お手やおすわりにタッチなどいろんな芸ことを覚えたり、道を覚えるのも得意なお利口さん。
山梨から東京に引越してきたばかりのブイくんは、新しいおうちに変わってからお散歩中に人や車・自転車への警戒吠えをしてしまうのだそう。急に飛び出したり吠えたりするのは危険なのでやめさせてあげたいというのがママさんの現在のお悩みとのことです。
注意したいこと! こんな時に陥りがちな罠。吠えをやめさせるためにリードを強く引いてしまうのは逆効果

お散歩中にワンコが急に走り出したり興奮したとき、皆さんはどのような対応をされていますか?リードを強く引っ張ったり、大きな声でやめさせようとすることはありませんか?
ワンコにとって吠えることは私たちが会話をしながら「コミュニケーション」を取るように、自分の気持ちや状況を教える方法の1つ。吠えることで私たちに何かを伝えてくれようとしています。
お散歩中の吠えが多い場合ついついやってしまいがちなのが、吠えをとにかくやめさせたいと無理にリードをぐいぐいと力いっぱい引いてしまうこと。 実はこの行動、逆効果になってしまうことの方が多いのです。リードをグイグイ引かれると、ワンコが不快に感じたりバランスを取ろうとし、ワンコ自身も引っ張る力を強めて綱引き状態に!それだけでなく、より大きな声で吠えて興奮することを繰り返してしまう可能性も。
- なんで吠えているんだろう?
- 何に対して吠えているんだろう?
と、今起こっている「吠え」だけに注目するのではなく、吠えの原因を考えてみるようにしましょう。
解決のヒント! 愛犬にとっての「大丈夫な距離」を見つけよう!
お散歩中に人や犬、車・自転車に吠える場合は、下記のような原因が考えられます。
- 車や自転車にクラクションを鳴らされたり怖い経験やイヤな経験をした
- 他のワンコに吠えられたり、噛まれたり怖い経験やイヤな経験をした
- 急に歩いてきた人に頭を撫でられるなどして怖い思いやイヤな思いをした

過去の経験からの「〇〇したら怖いことやイヤなことがあった」とういう学習に加え、ブイくんの場合はお引越しという大きなライフイベントがあり、新しい環境にまだ慣れない不安やストレスなどから警戒吠えをしているのかもしれません。 そんな時は、
- 人や他のワンコにどのくらい近づくと吠える?
- 自転車・自動車など、どのくらい近づくと吠えるのか?
- どのくらいの距離を取れば吠えないか?
を観察し、愛犬の「ここまでは大丈夫!ここからはちょっとムリ」というそれぞれのライン(境界線)を探っていきましょう!
対策1 抱っこ散歩でまずは環境になれさせてあげよう!

お散歩に行くのを嫌がったり、お散歩で警戒吠えが多い場合、その子にとってまだ外の環境になれない不安やおうちとは異なる音などの様々な刺激が強すぎるということが考えられます。そんな時は初めのうちは飼い主さんの安心感に包まれた「抱っこ散歩」からはじめてみましょう!
「抱っこ散歩」は犬を甘やかすからダメと思っている方も多いと思いますが、決して一概にダメなわけではありません。
愛犬が興奮して吠えている時に、気になる刺激に早く慣れさせようと近づけたり、その場で留まったりして無理をするのはかえって不安や興奮を上げてしまうことも。興奮状態が高まってますます吠え続けたり、吠え声が大きくなって吠え以外の別行動が出ては本末転倒です。
まずは抱っこして飼い主さんが愛犬の安全基地になることで「怖くないよ」「大丈夫だよ」と安心させながら外の環境に慣らしてあげましょう。
対策2 まずはおうちの中でできる力、できる自信を身に着けよう!
最初は大好きなおやつやおもちゃなど、好きなものを使いながら、飼い主さんに意識を向けられる練習からはじめてみましょう。少しずつ慣れてきたら、 意識を向けてくれた後にお座り・待てをお願いしたり、少し離れた距離からも飼い主さんの合図とともに落ち着いて過ごせるか試してみましょう。
小さな目標を飼い主さんと力を合わせながらクリアしていくことで、愛犬にたくさんの成功体験を経験させてあげて、どんな時でも飼い主さんに名前を呼ばれて意識を向けた後や合図に合わせて行動ができた後には楽しいことがあると覚えてもらいましょう!
対策3 大切なのは吠える前の予防!吠える頻度を減らしていきましょう。
名前を呼んで、飼い主さんに意識を向けられるようになったら、少しレベルをあげて、周りの人や自転車に吠えそうなときに名前を呼んで飼い主さんに意識を向けられるよう練習しましょう。
愛犬が意識を向けられるかどうかはワンコの頑張りだけではなく、飼い主さんの対応が何より重要です!合図のタイミングがちょっとでもズレてしまうとワンコが吠え始めてしまい、吠えをストップさせるのも至難の業に。愛犬の行動をしっかりと見て、どのタイミングで合図を出していくかを見極めていくことこそが飼い主さんのミッションとなります。ワンコだけに頑張らせるのではなく、飼い主さんも一緒にチャレンジしていくことを忘れずに!
もちろんトレーニングを開始して間もない頃はすぐに警戒吠えはなくなりませんが、はじめのうちは大好きなもの(おやつやおもちゃなど)を取り入れながら、焦らず少しずつトライしていきましょう。
「吠え️」の持続時間・回数を少なくしていく!
を目標に、愛犬だけでなく飼い主さんも一緒に「やればできる!」の成功体験を積みながら自信をつけていきましょう!これには飼い主さんに意識を向ける練習も大切ですが、自転車やワンコなど愛犬にとって吠えたりしそうな気になる刺激を見つけたら吠える前に愛犬が飼い主さんへ意識を向けられるよう必要な合図を出し、「吠えない環境=予防」をすることが最も重要です。予防の対策は飼い主さんの対応に掛かっていると言っても過言ではありません。
また、愛犬の吠えが出たときにドキドキしてしまう場面も少なくないですよね。愛犬の不安や興奮を慌てず受け止められるよう、飼い主さんのマインドも一緒に鍛えていきましょう。
吠えないで過ごせる環境をつくってあげること、吠えなくても大丈夫 !という自信貯金をしていくこと、ここが一番飼い主さんに腕の見せ所 !です。愛犬の心の許容がもっともっと広がっていくよう、ご家族皆さんでワンチームとなってがんばりましょう。
飛彈さんからメッセージ

お引越しという環境変化は人だけでなく、ワンコにとっても慣れるまでは時間が掛かるものです。「当たり前の日常」のリズムや空間、周囲の雰囲気などがガラッと変わってしまうと不安になったり、今まで出来ていたことが出来なくなってしまうのは決して珍しいことではありません。
日頃から愛犬がどんなモノ・コトが好き、または苦手なのかを知っておくと様々な場面で役立ちます。飼い主さんの目線から見える愛犬の気になるものと合わせて、うちの子目線から見える景色を置き去りにしないことも大切なポイントです。
愛犬の今の状況を把握し、どのような対応をしたら良いかをプランニングしていくことは飼い主さんだからできること!愛犬にとって「信頼できるリスクマネージャー」を目指して、目の前にある難関を一緒に突破していきましょう!!
飛彈さんにご相談したい方大募集!

うちの子の「早食いを治したい!」「怖がりを治したい!」「お泊りでも眠れるようになりたい」などなど…そんな飼い主さんの願いを叶えるお手伝いを飛彈さんと一緒にお手伝いしたいと思います。
飛彈さんにご相談したい方は、お気軽にワンコnowa公式インスタグラムのDMからご連絡ください!
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