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犬の発情期|発情期には性格が変わるのはどうして?犬の思春期と反抗期について

犬の発情期|発情期には性格が変わるのはどうして?犬の思春期と反抗期について

東京農業大学教授の増田先生と一緒にお届けする、ワンコともっと良い関係を築くためのヒント。ワンコから見えるモノゴト、ワンコの考え方、感じ方など、ワンコたちに見えている世界を私たちにも見せてくれる増田先生シリーズ「ワンコno世界」。

今回は「犬の発情期」についてです。発情期が来てから愛犬の性格が変わってしまった!去勢したのに赤チンが出てくるのは異常なの?犬にも思春期や反抗期はあるの?など、犬の発情期に関する疑問を増田先生に伺ってみました。時間を意識して、愛犬とより良い生活を送りたいですね。

Advisor

増田 宏司教授

東京農業大学 農学部 動物科学科 教授。東京大学大学院を修了後、同大学院で学術研究支援員を務め、2006年から東京農業大学で研究と学生への指導を行う。研究だけでなく、飼い主向けのカウンセリングやワンコのしつけに使えるグッズの開発など、ワンコと飼い主が幸せに暮らせる社会を築くため、幅広く取り組んでいる。

いつもはいい子なのに発情期になると愛犬がわがままになります。
発情期になるとどうして性格が変わってしまうのでしょうか?このまま性格は戻りませんか?

犬の性格形成に影響する要因と時期はいくつかありますが、発情期にも犬の行動は大きく変化します。

一般的には、それまでは落ち着いていた犬が、うろうろ、イライラしたりと、落ち着きが無くなることが多いようです。

雌雄別にみてみると、メスは発情期になるとホルモンバランスが変化して、神経質になります。また大体、年に2回ほど発情を迎え、フェロモンを出すようになります。一方でオスは発情期のメスが出すフェロモンに反応して発情しますが、落ち着きなく吠える、マーキング、マウンティングをしようとするなどの行動が増えます。

またマウンティングの対象が人間や他の動物、物にまで及ぶこともあります。これらは発情期が過ぎると落ち着くものですが、きっと、飼い主さんの声掛けや制止に応じず、いつまでも落ち着かない様子を見て「わがままになった」とお感じなのかもしれません。

遊びやおやつで気分転換をするなど、工夫をされると良いと思います。

去勢している男の子ですが、興奮すると赤チンが出てしまいます。
これは異常なのでしょうか?

まず、赤チンという表現を初めて知りました笑。ネットで調べてみると、割とよく使われている表現のようですね。

安心してください。決して異常ではありません。去勢していても、時おり赤チンを出すのは、おっしゃるとおり「興奮している」からです。

遊びに夢中になっている、コミュニケーションとして相手にマウンティングをしている時など、多くの場面で犬は興奮します。その時についつい出てしまうわけです。

見えているものがものだけに、驚いて(うろたえて)大騒ぎをしてしまうかもしれませんが、そもそも興奮→赤チンの順で物事が進んでいます。

すなわち、さらに興奮させてしまうと、いつまでも赤チンの状態が続きますので、飼い主さんが取るべき態度は、赤チンに大騒ぎして犬をさらに興奮させることではなく、相手にしない、あるいは無視をすることです。

発情期を迎えてから、愛犬が飼い主を試すような行動をとってきます。
犬にも反抗期や思春期があるのでしょうか?

犬にも思春期や反抗期はあります。性成熟を迎える6か月齢以降位に見られますが、この時期は様々なことを自分で考え、経験値に変え、それらを蓄積して大人になってからの処世術と成すための訓練期間と言えるでしょう。

いろいろ考え「自分で」色々とやってみたい時期ですから、時に飼い主さんの思い通りには動いてくれないでしょうし、度重なる失敗に、犬がかんしゃくを起こすことだってあるでしょう。

そうやって失敗を繰り返しながらもいろいろ出来るようになっていき、そのうちに何事もわきまえた、立派な大人の犬に成長していくのでしょう。

今しかない貴重な時期だと思って、一緒に成長して楽しんでください。

この時期の犬と付き合うコツは「これまで通り」を強く意識することです。

この時期に変にちやほやしてしまうと、いい歳になってもなお、目上(上司)に平気で噛みつく私のような困った大人になってしまいかねませんので、気を付けましょう笑。

女の子なのにマウンティングをしてきます。
やめさせたほうが良いのでしょうか?

女の子でもマウンティングをすることがあります。その理由はさまざまで、興奮状態である、かまってほしい、人の気を引くため、ストレスがたまっていてそれを発散させるため、などが挙げられます。

例えば子犬同士のマウンティングであれば、それは自分の順位を試すなど、学びの機会でもあるため、そっと見守る程度で良いと思います。

ただ大人の犬になった後に、人間の立場から見ているとあまり行儀の良い行動とは思えない状況や、相手の犬や人が極端に嫌がっているなど、どう考えてもやめさせた方が良いと判断できる状況に多く見られる場合は、やめさせても良いと思います。

マウンティングよりも興味を示すおもちゃやおやつを使って、注意をそらしたり、興味を別のもの・ことに移したりして気分を変えながら、やめることを教えていきましょう。

Message for dog owners

今回はとても興味深い内容でした。なにが興味深かったかというと、発情期や思春期の犬に対して興味や疑問をお持ちの方が案外多いことを、この記事を書くための下調べ(特にネットの記事検索)の段階で容易に感じ取れたことが、です。

内容が内容だけに、知り合いに聞くのもはばかられることは想像に難くないですし、聞ける状況にあったとしても、どんな顔をして聞けばいいのか、聞けたところで、その後のうちの子の評判になにか影響してしまうのではないか、といった懸念など、身構えてしまう要素がたくさん溢れています。

ある意味、私にお聞きくださって良かった、と思える内容でした笑。

そして今回に関しては、回答を作成する私も、いつも以上に気を使いました。読者の方に私自身が「変な人だ」と思われてしまう(かもしれない)ことに、今更気を使う理由はどこにも見当たりませんが笑、書きかたによっては気分を害してしまう読者の方がいらっしゃるかもしれない、というプレッシャーと闘いながらの執筆でした笑。

いずれにせよ、発情期や思春期の犬にまつわる疑問は、気軽に身近な人には聞けない内容なのでしょう。

私でよろしければ、これからも遠慮なくお聞きください笑。

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