犬はえのきを食べても大丈夫!えのきの与え方と注意点【獣医師監修】

犬はえのきを食べても大丈夫!えのきの与え方と注意点【獣医師監修】

本記事は獣医師が執筆・監修を行っております。

白くヒョロヒョロした見た目と独特の食感のエノキは正式名称を「エノキタケ」といい、本来は榎や小楢などの広葉樹の根元に生えるきのことなります。自然環境下でのエノキは褐色で傘が大きく、柄も短めであり、私たちが店頭で見かける菌床栽培されたものとは見た目が異なるという特徴があります。

鍋物や炒め物、和え物など様々な料理に活用できるエノキですが犬に与えても大丈夫なのでしょうか?

ANSWER えのきは犬に食べさせても大丈夫です。

種類が豊富なキノコ類の中でもエノキは犬に食べさせても大丈夫だといわれています。

特にエノキには心を落ち着かせたりストレスをやわらげたりする効果が期待できるため、愛犬が繊細な性格の場合はぜひ与えたい食べ物となります。

ただ、適切な与え方や与える量を守らなければ逆に悪影響を及ぼしてしまう可能性もあるため注意が必要となります。

えのきの主な成分や栄養素

βグルカン

グルコースという小さな糖が連なった多糖体の1つであるβグルカンはキノコ類に多く含まれており、免疫の活性力を高めることでガンやアレルギーを予防するのに役立つ働きが期待されています。また、食後の急激な血糖値の上昇も抑えると考えられています。

GABA

エノキにはリラックスしたときに出るα波という脳波を増加させることに加えて、休息やリラックスをつかさどる副交感神経を活発にさせる働きがあるGABAが含まれています。よってエノキを摂取することでストレスをやわらげる効果が期待できます。

ビタミンB1

生のエノキは同じ重さの生の椎茸よりも豊富なビタミンB1を含んでいます。ビタミンB1は水溶性のビタミンに分類され、炭水化物をエネルギーとして利用する際に必要不可欠な成分であり、また皮膚や粘膜の健康を維持や疲労を回復する効果が期待できます。

食物繊維

食物繊維には水に溶けない不溶性食物繊維と、水に溶けやすい水溶性食物繊維に分かれます。エノキには不溶性食物繊維がとても豊富であることから水分を吸収し、便のカサを増やすことで腸を刺激して、便通を促す効果があります。

えのきを犬が食べた際の犬への効果・影響

ガンやアレルギーの予防やリラックス効果に加えてエネルギー産生に必要不可欠なビタミンB1を含んでいるエノキを与えることは、愛犬の日々の健康維持に役立つと考えられます。また、不溶性食物繊維がとても豊富なことから、便秘を解消する効果も期待できるでしょう。

犬に与えてよいえのきの量は?

小型犬の場合 30gまで
中型犬の場合 50gまで
大型犬の場合 90gまで
子犬の場合 与えないほうが良い
老犬の場合 与えないほうが良い

犬にえのきを与える際の注意点
えのきのおすすめの与え方

必ず火を通してから与えましょう

生のエノキには「フラムトキシン」という、体内の赤血球を破壊してしまう溶血作用をもつ毒素が含まれています。よって犬にエノキを生のまま与えてしまうと、貧血や高カリウム血症などを引き起こす危険性が非常に高いと考えられるため、必ず過熱してから与える必要があります。

与えすぎないように注意しましょう

エノキはキノコの中でも細いため、ついつい与えすぎてしまう飼い主さんもいるかもしれません。しかし、エノキには食物繊維が豊富に含まれていることから愛犬の体質によっては消化不良を引き起こしてしまう危険性があります。また、栄養は豊富ですがあくまでおやつやトッピング程度の量にとどめておくようにしましょう。

細かくカットしてから与えましょう

習性として、多くの犬はあまり噛まずに飲み込む傾向が強いためエノキを丸ごとそのままやほとんど切らずに与えてしまうと、喉につまらせたり消化不良を起こしたりする危険性があります。よって火を通した後のエノキであっても細かくカットして与えるようにしましょう。また、ペースト状にするのもおすすめの与え方となります。

特に初めて与えるときはアレルギーに注意

犬にアレルギーを引き起こしやすい食べ物としてエノキが挙がることはあまりありませんが、個体差によってはエノキがアレルゲンとなってしまう場合もあります。よってエノキを初めて与えるときは飼い主さんが愛犬の様子をよく観察することができて、かつ動物病院が診療している時間帯を選ぶことをおすすめします。

また、初めてでなくてもエノキを与えた後に下痢や嘔吐、目の充血や皮膚をかくといった症状が見られた場合は与えるのをやめてすぐに動物病院を受診するようにしましょう。

こんな時は犬にえのきを食べさせないこと

エノキにはカリウムも含まれており、腎臓病の犬にエノキを与えてしまうと腎機能が低下していることにより、カリウムをうまく排出しきれずに血液中にカリウムが残ってしまう「高カリウム血症」を引き起こす危険性があります。「高カリウム血症」では主に嘔吐や四肢のしびれなどが見られ、重症の場合は不整脈を起こして生命を落としてしまうという危険性があります。

よって、腎臓病の犬にエノキは与えないようにしましょう。なお、腎臓病以外にも何かしらの持病がある犬の場合は、与える前に必ず獣医師に相談してください。

まとめ

健康効果に加えてリラックス効果も期待できるエノキは犬が食べても多くの場合は問題ないといわれています。

しかし与えすぎたりしてしまうと体調に悪影響を及ぼしてしまう場合もあるため、ぜひ今回紹介した与え方や注意点などを参考にしてくださいね。

Supervisor

松本 千聖 Chisato Matsumoto

岐阜大学応用生物科学部獣医学課程を卒業後、3年ほど獣医師として動物愛護団体付属動物病院やペットショップ付属動物病院にて主に一次診療業務、ペット保険会社では保険金査定業務などに従事しました。
現在は、製薬関係の業務に携わり、プライベートでは個人で保護猫活動並びに保護猫達の健康管理を行っています。

松本 千聖
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