パグの寿命|平均寿命と病気

パグの寿命|平均寿命と病気

この記事はワンコnowa編集部が取材・監修を行っています。

中国の古くからの愛玩犬として、その昔は仏教寺院育てられて、魔よけになるとして中国の皇室で大切に扱われてきたパグ。パグの名前の由来は諸説ありますが、頭の形やシワの感じが握り拳に似ていたことから、ラテン語の握り拳という意味の「パグナス」からきていると言われています。

パグは大胆で明るく、愛嬌があり人懐こい性格で比較的飼いやすい犬種です。飼い主にも献身的で一緒に遊ぶのも大好き!そんな天真爛漫なパグは根強い人気のある犬種です。

この記事では、パグの平均寿命と、かかりやすい病気、健康寿命を伸ばすために今からできることをご紹介します。

パグの平均寿命と最高齢記録

2014年のアニコム損害保険会社が調べた「犬種別平均寿命調査」によると、日本で飼育されるパグの平均寿命は12.6歳でした。全犬種の平均寿命は14.2歳なので、パグの寿命は決して長い方ではありません。

パグの平均寿命は11〜14歳といわれています。ギネスに認定されているSnookie(スヌーキー)というパグは27歳まで長生きしました。飼育環境によっても異なるので、室内飼育して適切な環境を整え、定期的に健康診断を受けることが大切です。犬にとってストレスの少ない生活環境や被毛・口腔内のケア、適度な運動、定期的な健康診断を受けさせることなどが、長生きの秘訣です。

パグの人間に換算した場合の年齢は下記の表をご参照ください。

犬の年齢 人間に換算した年齢 成長ステージ
3か月 4歳 子犬
6か月 7歳半
9か月 11歳
1歳 15歳
1歳半 19歳半
2歳 23歳 成犬
3歳 28歳
4歳 32歳
5歳 36歳
6歳 40歳 シニア犬
7歳 44歳
8歳 48歳
9歳 52歳
10歳 56歳
11歳 60歳
12歳 64歳
13歳 68歳
14歳 72歳 高齢犬
15歳 76歳
16歳 80歳
17歳 84歳
18歳 88歳
19歳 92歳
20歳 96歳

パグがかかりやすい病気

パグがかかりやすい病気1軟口蓋過長症(なんこうがいかちょうしょう)

軟口蓋過長症は、特にフレンチ・ブルドッグ、パグ、シー・ズー、チワワなどの短頭種に見られる呼吸器系の病気です。

フレンチブルドッグは生まれつき、喉の奥にある軟口蓋という気管の入り口周囲の肉が長くて分厚く、空気の通り道が狭くなっています。それによって多く見られる病気で、 軟口蓋(口蓋の奥にある柔らかい部分)が空気の流れを遮り、呼吸時にいびきに似た音を発し、慢性的な呼吸困難を起こします。

パグがかかりやすい病気2パグ脳炎(壊死性髄膜脳炎)

壊死性髄膜脳炎(別名パグ脳炎)は、自己免疫メカニズムの異常が関連していると考えられている脳炎で、症状としてはてんかん発作がよく見られます。確実な治療法がまだなく、発症すると症状は徐々にまたは急速に進行していき、治療の効果が見られなければ数週間〜数ヶ月で死に至ることもある恐ろしい病気です。

パグがかかりやすい病気3膿皮症・アトピー性皮膚炎などの皮膚炎

膿皮症は主に細菌感染によって起こります。犬の皮膚や被毛には細菌が少なからず付着していますが、体の免疫力が低下したり、年をとったりして皮膚が抵抗力を失うと、菌が異常に増えて化膿することがあり、皮膚が部分的に赤くなって痒がるようになります。細菌や真菌など原因菌はさまざまですが、中には菌によるものではない場合もあります。

アトピー性皮膚炎は遺伝的な背景を原因とした慢性的なかゆみを伴う皮膚疾患です。
パグは遺伝的に皮膚バリアの機能が弱く、生活環境にアレルギーを持っていることなどがきっかけとなって発症することが多いとされています。主な症状はしつこいかゆみ。若い年齢(1~3歳)から発症することが多くあります。かゆみから患部を掻き壊してしまうことで、炎症や脱毛、色素沈着が生じます。発症した場合は投薬や、症状にあった適切なシャンプー剤の選択などのスキンケアが大切です。根気よく治療を続けてあげましょう。

パグがかかりやすい病気4鼻腔狭窄

鼻腔狭窄は、特にパグなどの短頭種の犬に先天的に見られる疾患で、生まれつき鼻の穴が狭い状態のことを言います。常に鼻からグーグーといびきのような音を出して呼吸したり、鼻水をよく飛ばしたり、暑くもないのに口を開けて荒い呼吸をしたりします。

少しの運動でも酸欠になりやすく、激しい運動をした時は舌が青紫色(チアノーゼ)になり、非常に危険な状態に陥ることもあります。夏には体温調整が難しく熱中症になりやすいので注意が必要です。

パグの健康のために気をつけるべきこと

とにかく毎日健康状態をチェックする癖を!

パグはかかりやすい病気も多い犬種です。早期発見できれば治療できるものも多いので、飼い主さんは毎日スキンシップをとりながらどこかいつもと異変がないか観察しましょう。また毎日の尿や便の頻度や状態も把握し、変化に気づけるようにしておきましょう。

ダイエットも兼ねて、室内でのコミュニケーションは十分に!

比較的運動量は少ないですが、遊ぶのが大好きなので、朝晩のお散歩の他にしっかりと室内でも遊んであげましょう。遊んでコミュニケーションをとることで、ストレス解消に繋がります。できれば1日に1回は外のお散歩にいきましょう。
運動と食事で太りやすい犬種ですので、体重管理をしっかり行いましょう。

短頭種で興奮しやすいので熱中症に注意!

短頭種で体温調節が苦手なパグは冬でも熱中症になることも。興奮しやすい傾向もあり体温が上がりやすいため、熱中症対策を充分に行う必要があります。ハアハアと呼吸が激しくなり、ヨダレを大量に流す場合は熱中症の可能性があります。特に夏場は注意が必要です。エアコンでの温度管理や散歩時間を早朝や日暮れ後にしたり、外出時もアスファルトを避けるなど十分な対策が必要です。

しわの間に汚れがたまらないよう注意を!

短毛でもブラッシングは定期的に行ってあげましょう。においは少ない犬種ですが、顔や体のしわには汚れがたまりやすく、においや皮膚病の原因にもなりますので、こまめに犬用のボディシートなどでふき取ってあげましょう。

パグは飛行機にのれないので注意!

パグを含めた短頭種を家族に迎えた際に知っておきたいことの一つとして、基本的に「各航空会社では短頭種の飛行機への搭乗を受け付けていない」ということがあります。もともと短頭種のマズルは短く、鼻腔狭窄である場合には、手術が必要になる子もいます。さらに興奮しやすく、すぐにパンティング(口呼吸)の回数が増え体温も上がりやすいため、普段と違う飛行機の中では体調に変調をきたす事が多く、実際に空輸中の死亡事故も起きています。そのため安全面から搭乗を受け付けていません。もし、旅好きの方はそこを踏まえた上で家族に迎える前に検討が必要です。

パグの寿命を伸ばすためにできること

それでは最後に、パグにできるだけ元気で1日も長く家族のそばにいてもらえるように、私たち飼い主にできることを考えてみます。小さなことも毎日の積み重ねから。愛犬のためにできることから取り組んでみましょう。

01愛犬の健康診断にいこう!

人と一緒で、犬も病気を未然に防ぐことが大切です。健康診断をすることで、病気の早期発見、早期治療につながります。特に、犬は自分で話すことができないので、飼い主さんが、健康診断で犬の健康状態を把握しておいてあげることが重要です。また、実は、健康診断では「健康時の正常値を知る」ということがとても大事。健康な時のデータが取れていると、何か変化があった際に比較でき、正確な診断に繋がります。だいだい、5歳を過ぎたら毎年定期的に検査をするのがベストではありますが、毎年ではなくても良いので、なるべく元気な時に健康診断をしてあげましょう。

02愛犬に合ったバランスの良い食事を!

犬を健康に育てるには、人と同様やはり食事のバランスがとても大切です。ライフステージごとに愛犬に必要な栄養素が含まれているフードを選んであげるようにしましょう。またアレルギーのある子には、アレルギー用を、既存の疾患などがある子にはその子に合ったフードやサプリなどを組み合わせ、食事で健康を目指しましょう。もしフード選びに迷う際には、獣医師さんに相談し、原料・素材の良いもの、そして疾患などに対応したものを選んでいくようにしましょう。

また、犬は比較的胃が大きく、目の前にある食べ物を勢いよく食べてしまい、満腹感が得られず「もっともっと」とおねだりすることも。ただし、食べ過ぎやおやつの与えすぎは肥満やあらゆる病気につながるので気をつけましょう。
人の食べ物で、犬が食べてしまうと危険な食べ物はきちんと把握し与えないように注意しましょう!人が食べるために味付けされたものも絶対に与えないでください!

03愛犬のパグに合った適度な量の運動を!

食事同様に、犬にも適度な運動が必要です。犬にとって散歩や運動は、心と身体の健康維持に不可欠です。特に散歩は毎日の適度な運動になるだけでなく、ストレス解消や気分転換になります。散歩の頻度は1日に2回、朝と夕方に行うのが理想的ですが、必要とされる散歩量は、体の大きさや種類、年齢、健康状態によって異なるため、愛犬に合わせて調節することが大切です。

子犬期はお散歩だけでは足りない場合もあるのでさまざまな玩具を用いて遊びながらトレーニングをしたり、シニア犬の場合も認知症予防に玩具を使った遊びや無理のない散歩、運動を取り入れることで健康寿命につながってくるでしょう。

04早めの去勢・避妊手術を!

オスの精巣、メスの卵巣や子宮を摘出する去勢・避妊手術は、望まない繁殖を防ぐだけでなく、ワンコの病気予防やストレス軽減、行動改善といったメリットがあります。愛犬の健康状態を見ながら、かかりつけ動物病院の先生と相談し、適切な年齢で去勢・避妊手術を受けることは愛犬の健康に繋がってきますので、子犬を迎えたばかりの方へ一度、動物病院で相談してみてください。

ドッグトレーナーさんが教える
パグと相性の良い家族

パグのルーツは中国生まれの愛玩犬で、基本的にはおとなしくてマイペース、やや頑固という特性があります。自我が強い子が多く、イヤなことに対してはきちんと気持ちを示すことがあるでしょう。ただ、吠えたり噛んだりすることはほとんどありません。

頑固さを上回る大らかさがあるので、人やワンコに対して興奮したり怯えたりすることは少なく、友好的になりやすい犬種です。人やワンコに向かって唸ったり威嚇したりするパグは、ほとんど見たことがありません。

多少の差ではありますが、カラーによって性格に違いがあります。フォーンの子はとにかく穏やか。ブラックの子は、フォーンの子と比べると陽気でやんちゃ、よく動き回る子が多い印象です。

骨格や毛の短さから健康面での注意点は多いのですが、気質に関しては心配のいらない犬種といえます。マイペースかつ警戒心が薄いことからトレーニングには向かないので、アジリティなどのドッグスポーツを楽しみたい方には物足りないかもしれませんが、日常生活を送るうえでは問題のないワンコなので、どんな家庭でも迎えやすいでしょう。

Advisor

DOG WORKS ZERO代表
西岡 裕記さん

ドッグトレーナー。高校卒業後、地元の三重県から上京し、青山ケンネルカレッジで動物について学ぶ。警察犬訓練所やトリマー、ショップの店舗管理などを経験し、フリーのドッグトレーナーとして独立。“ゆる~く楽しくHAPPYに!”をモットーに、ワンコのトレーニング法を伝えている。

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