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柴犬の寿命|平均寿命と病気

柴犬の寿命|平均寿命と病気

この記事はワンコnowa編集部が取材・監修を行っています。

「柴犬」は、日本を代表する犬として古くから飼われてきましたが、近年は海外でも「Shiba Inu(シバイヌ)」と呼ばれ、人気が高まっています。和犬である柴犬は、1936年12月に国の天然記念物に指定されました。日本の天然記念物犬種は6種類ありますが、そのなかで唯一の小型犬です。

微笑んでいるかのような愛嬌のある丸顔や太めの脚、プリッとしたお尻、クルンッと巻き上がった尻尾など、可愛さ満載の柴犬。このほかにも愛される理由がたくさんあります!

この記事では、柴犬の平均寿命と、かかりやすい病気、健康寿命を伸ばすために今からできることをご紹介します。

柴犬の平均寿命と最高齢記録

2014年のアニコム損害保険会社が調べた「犬種別平均寿命調査」によると、日本で飼育される柴犬の平均寿命は14.5 歳でした。柴犬の平均寿命は全犬種の中で4位となっており、寿命は決して短い方ではない犬種です。

柴犬の平均寿命は12~15歳とされていますが、健康で15歳以上の長寿の子も多くいます。ギネスに認定されている「プースケ」(柴犬の血の入った雑種)は26歳8ヵ月まで長生きしました。飼育環境によっても異なるので、室内飼育して適切な環境を整え、定期的に健康診断を受けることが大切です。

柴犬の人間に換算した場合の年齢は下記の表をご参照ください。

犬の年齢 人間に換算した年齢 成長ステージ
3か月 4歳 子犬
6か月 7歳半
9か月 11歳
1歳 15歳
1歳半 19歳半
2歳 23歳 成犬
3歳 28歳
4歳 32歳
5歳 36歳
6歳 40歳 シニア犬
7歳 44歳
8歳 48歳
9歳 52歳
10歳 56歳
11歳 60歳
12歳 64歳
13歳 68歳
14歳 72歳 高齢犬
15歳 76歳
16歳 80歳
17歳 84歳
18歳 88歳
19歳 92歳
20歳 96歳

柴犬がかかりやすい病気

柴犬がかかりやすい病気1アトピー性皮膚炎などの皮膚炎

柴犬は、他犬種と比べて皮膚が弱いと言われることが多い犬種です。

アトピー性皮膚炎は遺伝的な背景を原因とした慢性的なかゆみを伴う皮膚疾患です。柴犬は遺伝的に皮膚バリアの機能が弱く、生活環境にアレルギーを持っていることなどがきっかけとなって発症することが多いとされています。主な症状はしつこいかゆみ。若い年齢(1~3歳)から発症することが多くあります。かゆみから患部を掻き壊してしまうことで、炎症や脱毛、色素沈着が生じます。

柴犬がかかりやすい病気2白内障・緑内障

柴犬は白内障や緑内障など目の疾患も多い犬種です。

白内障は、目の水晶体が白く濁ることで視力低下に陥る病気で、進行するにつれてやがて視力が失われることもあります。治療としては進行を遅らせる点眼を打ったり、若年性の場合は手術を行うこともあります。日頃からよく観察し、早期発見につなげましょう。

緑内障は眼球が内部から押し広げられることで眼球の不快感、痛みが生じます。痛みがあるときは瞬きの回数が増える、頭など眼の近くを触られるのを嫌がるなどの症状がみられます。

目ヤニが多かったり、急に目ヤニが増えたりした場合は、かかりつけの動物病院を受診しましょう。体質によるものか、病気によるものかについて、自己判断は危険なので、獣医師への相談をおすすめします。

柴犬がかかりやすい病気3膝蓋骨脱臼(パテラ)

膝蓋骨とは、膝にある皿状の骨のことで、この膝蓋骨が正しい位置から外れる(脱臼する)ことを膝蓋骨脱臼といいます。膝蓋骨は、太ももの骨である大腿骨にある溝に収まるようになっており、靭帯によって支えられています。膝蓋骨脱臼は特に小型犬で多く、生まれつきこの溝の部分が浅かったり、靭帯に異常があったりなど脱臼しやすくなっている、発育していく段階で十分に骨や筋肉が成長していない、事故などによる外傷などが原因です。

膝蓋骨脱臼を起こすと、急に後肢を不自然に持ち上げたまま使おうとしない、スキップのような歩き方をする、触ると痛がるなどの症状が見られます。

柴犬がかかりやすい病気4股関節形成不全

股関節形成不全は、大型犬によく見られる遺伝疾患ですが、柴犬にも発症することがあります。これは、太ももの骨が股関節にはまらず痛みや歩行に支障が出る病気です。大型犬の場合はモンローウォークとも呼ばれるように腰を振りながら歩くことがこの病気の特徴です。重度になると歩行困難になる場合がありますが、小型犬の柴犬の場合は、大型犬に比べると症状が軽く、サプリメントや痛み止めの投薬が行われます。

柴犬の健康のために気をつけるべきこと

1日2回の散歩や十分な運動をさせましょう

運動が大好きなので、朝夕30分ずつ、1日に1時間以上の散歩は必須です。散歩以外にも、ドッグランやアウトドアスポーツなどにも連れて行ってあげましょう。柴犬は十分な運動量がないとストレスをためやすく、攻撃的になることもあります。また、お散歩は社会勉強にもなります。毎日の散歩で他の犬と触れ合わせることで、社会性が育まれます。

膝蓋骨脱臼に注意!滑りにくい環境を整えてあげよう!

小型犬全般に発症しやすい、膝蓋骨脱臼。柴犬でも、子犬期から発症するケースもあります。遺伝的な要因もあると言われていますので、予防はなかなか難しいですが、フローリングを走り回っているときに大きな負担がかかり、痛めてしまう場合も。滑りにくい床材やカーペットなどを敷くなど足腰に配慮した環境を整えてあげましょう。同時に、大きな段差をなくす、高いところから飛び降りをさせないなどの注意も必要です。

毎日ブラッシングで皮膚もチェック!

柴犬はダブルコートの短毛のため、基本的にサマーカットなどのカットは必要ありません。

ただ、お尻や足裏の毛などの比較的伸びている毛をカットしたり、尻尾を桃尻といわれるスタイルにカットしたりすることがあります。季節の変わり目には大量に毛が抜けるので、ブラッシングがとても大切です。

大人になってから急にブラッシングしようとしてもさせてくれない可能性が高いので、子犬の頃からブラッシングする習慣をつけて慣れさせましょう。またブラッシング時に皮膚の状態もチェックしましょう!

何か合った時、病院で困らないようトレーニングを!

柴犬は、知らない人に対して警戒心を抱きやすいので、子犬のうちから人に慣れさせることも重要です。例えば、動物病院を受診した時に、獣医師や看護師に触られると暴れたり噛みついたりしてしまう子は、落ち着いて診察できないからです。何をされても嫌がらないようなトレーニングをしてあげることが、ワンコのためになります。

柴犬の寿命を伸ばすためにできること

それでは最後に、柴犬にできるだけ元気で1日も長く家族のそばにいてもらえるように、私たち飼い主にできることを考えてみます。小さなことも毎日の積み重ねから。愛犬のためにできることから取り組んでみましょう。

01愛犬の健康診断にいこう!

人と一緒で、犬も病気を未然に防ぐことが大切です。健康診断をすることで、病気の早期発見、早期治療につながります。特に、犬は自分で話すことができないので、飼い主さんが、健康診断で犬の健康状態を把握しておいてあげることが重要です。また、実は、健康診断では「健康時の正常値を知る」ということがとても大事。健康な時のデータが取れていると、何か変化があった際に比較でき、正確な診断に繋がります。だいだい、5歳を過ぎたら毎年定期的に検査をするのがベストではありますが、毎年ではなくても良いので、なるべく元気な時に健康診断をしてあげましょう。

02愛犬に合ったバランスの良い食事を!

犬を健康に育てるには、人と同様やはり食事のバランスがとても大切です。ライフステージごとに愛犬に必要な栄養素が含まれているフードを選んであげるようにしましょう。またアレルギーのある子には、アレルギー用を、既存の疾患などがある子にはその子に合ったフードやサプリなどを組み合わせ、食事で健康を目指しましょう。もしフード選びに迷う際には、獣医師さんに相談し、原料・素材の良いもの、そして疾患などに対応したものを選んでいくようにしましょう。

また、犬は比較的胃が大きく、目の前にある食べ物を勢いよく食べてしまい、満腹感が得られず「もっともっと」とおねだりすることも。ただし、食べ過ぎやおやつの与えすぎは肥満やあらゆる病気につながるので気をつけましょう。
人の食べ物で、犬が食べてしまうと危険な食べ物はきちんと把握し与えないように注意しましょう!人が食べるために味付けされたものも絶対に与えないでください!

03愛犬の柴犬に合った適度な量の運動を!

食事同様に、犬にも適度な運動が必要です。犬にとって散歩や運動は、心と身体の健康維持に不可欠です。特に散歩は毎日の適度な運動になるだけでなく、ストレス解消や気分転換になります。散歩の頻度は1日に2回、朝と夕方に行うのが理想的ですが、必要とされる散歩量は、体の大きさや種類、年齢、健康状態によって異なるため、愛犬に合わせて調節することが大切です。

子犬期はお散歩だけでは足りない場合もあるのでさまざまな玩具を用いて遊びながらトレーニングをしたり、シニア犬の場合も認知症予防に玩具を使った遊びや無理のない散歩、運動を取り入れることで健康寿命につながってくるでしょう。

04早めの去勢・避妊手術を!

オスの精巣、メスの卵巣や子宮を摘出する去勢・避妊手術は、望まない繁殖を防ぐだけでなく、ワンコの病気予防やストレス軽減、行動改善といったメリットがあります。愛犬の健康状態を見ながら、かかりつけ動物病院の先生と相談し、適切な年齢で去勢・避妊手術を受けることは愛犬の健康に繋がってきますので、子犬を迎えたばかりの方へ一度、動物病院で相談してみてください。

ドッグトレーナーさんが教える
柴犬と相性の良い家族

柴犬を含めた日本犬に共通する性格ですが、頑固で、人やワンコとベタベタするのは好まない犬種です。ある程度の距離を保ちたいタイプなので、スキンシップを図ろうとすると嫌がることがあります。あまりしつこくすると、飼い主さんであっても威嚇されたり噛まれたりすることも。

そのため、常にワンコを抱っこしたりなでたりしたい飼い主さんよりは、互いに自立した関係性を望む飼い主さんの方が相性はいいでしょう。

また、飼い主さんには忠実な一面を見せますが、誰に対してもフレンドリーに接する犬種ではありません。人をたくさん呼んで行うパーティーや、知らない人やワンコがたくさんいるドッグカフェなどは、あまり得意ではないでしょう。

ほかの犬種と比べて噛みやすいという特徴もあるので、しっかりトレーニングすることが重要です。過去に柴犬やそのほかの大型犬、中型犬を飼った経験のある人は問題ないですが、初めてワンコを迎える飼い主さんにとっては、難易度の高い犬種といえるでしょう。

Advisor

DOG WORKS ZERO代表
西岡 裕記さん

ドッグトレーナー。高校卒業後、地元の三重県から上京し、青山ケンネルカレッジで動物について学ぶ。警察犬訓練所やトリマー、ショップの店舗管理などを経験し、フリーのドッグトレーナーとして独立。“ゆる~く楽しくHAPPYに!”をモットーに、ワンコのトレーニング法を伝えている。

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