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シーズーの寿命|平均寿命と病気

シーズーの寿命|平均寿命と病気

この記事はワンコnowa編集部が取材・監修を行っています。

小型犬種のシーズーは、マズルがとても短く、愛嬌のある独特の表情をしています。被毛は絹のようにしなやかでツヤがあり、顔周りの毛はフサフサ、丸みを帯びた小さな頭には菊の花が開いたような飾り毛、また「プリュームテイル」と呼ばれる羽根状に垂れ下がった尻尾など、気品に富んだ容姿が魅力です。

胴も脚も短く、眼は大きくクリッとしていてとても愛らしいのですが、どこか高貴なイメージを感じさせます。それは、中国の宮廷犬としても寵愛されていた歴史があるからかもしれません。

この記事では、シーズーの平均寿命と、かかりやすい病気、健康寿命を伸ばすために今からできることをご紹介します。

シーズーの平均寿命と最高齢記録

2014年のアニコム損害保険会社が調べた「犬種別平均寿命調査」によると、日本で飼育されるシーズーの平均寿命は13.6歳でした。シーズーの平均寿命は全犬種の中で13位となっており、寿命は決して短い方ではない犬種です。

平均寿命は平均寿命は13〜15歳といわれていますが、 これは人間の68~76歳くらいです。しかし、ギネス最高記録では23歳まで長生きしたシーズーもいます。飼育環境によっても異なるので、室内飼育して適切な環境を整え、定期的に健康診断を受けることが大切です。

シーズーの人間に換算した場合の年齢は下記の表をご参照ください。

犬の年齢 人間に換算した年齢 成長ステージ
3か月 4歳 子犬
6か月 7歳半
9か月 11歳
1歳 15歳
1歳半 19歳半
2歳 23歳 成犬
3歳 28歳
4歳 32歳
5歳 36歳
6歳 40歳 シニア犬
7歳 44歳
8歳 48歳
9歳 52歳
10歳 56歳
11歳 60歳
12歳 64歳
13歳 68歳
14歳 72歳 高齢犬
15歳 76歳
16歳 80歳
17歳 84歳
18歳 88歳
19歳 92歳
20歳 96歳

シーズーがかかりやすい病気

シーズーがかかりやすい病気1膿皮症などの皮膚炎

シーズーはダブルコートであり、日本の高温多湿の環境ではマラセチアなどの菌が繁殖しやすいため、脂漏性皮膚炎や膿皮症などの皮膚疾患に注意が必要です。

膿皮症は主に細菌感染によって起こります。犬の皮膚や被毛には細菌が少なからず付着していますが、体の免疫力が低下したり、年をとったりして皮膚が抵抗力を失うと、菌が異常に増えて化膿することがあり、皮膚が部分的に赤くなって痒がるようになります。細菌や真菌など原因菌はさまざまですが、中には菌によるものではない場合もあります。
発症した場合は投薬や、症状にあった適切なシャンプー剤の選択などのスキンケアが大切です。根気よく治療を続けてあげましょう。

シーズーがかかりやすい病気2角膜炎

シーズーの眼の形状から、角膜などに炎症を起こしやすく「白内障」「ドライアイ(乾性結膜炎)」「結膜炎」「角膜炎」「涙流症」などにかかりやすいといわれています。

目ヤニが多かったり、急に目ヤニが増えたりした場合は、かかりつけの動物病院を受診しましょう。体質によるものか、病気によるものかについて、自己判断は危険なので、獣医師への相談をおすすめします。

シーズーがかかりやすい病気3短頭種気道症候群

シーズーは短頭種ですが、短頭種は呼吸器(鼻、軟口蓋、喉頭、気管など)に形態的な異常を持っていることが多く、鼻の穴や通り道が狭い(狭窄性外鼻孔)、ノドの蓋となる軟口蓋とよばれる部分が長い(軟口蓋過長)、ノドから肺までで気管が狭くなっている場所がある(喉頭室外反、喉頭虚脱、気管虚脱)などの異常が複合的に合わさって、呼吸器症状を起こす場合があります。

これを短頭種気道症候群といい、睡眠時にいびきをかいたり、ピーピーやガーガーといった呼吸をしたり、運動時にすぐにハァハァと舌を出してパンティングをし始めたり、舌が青っぽくなったり、など症状が見られる病気です。

シーズーがかかりやすい病気4外耳炎

シーズーは耳が長い毛に覆われているため蒸れやすく、耳の穴が塞がることで環境が悪くなりがちです。外耳炎とは、耳の穴から鼓膜までの間の耳道に炎症が起こる病気です。外耳炎は耳の垂れた犬種に多く、黒い耳アカや膿のようにドロドロ、ジクジクした耳アカが見られたり、耳アカから悪臭がしたり、耳を頻繁に掻くなどの症状が見られます。炎症の原因は、細菌や真菌(カビ)などの繁殖、耳ダニなどの寄生虫、アトピーやアレルギーなどの過敏症、異物混入や腫瘍(しゅよう)などです。

シーズーの健康のために気をつけるべきこと

毎⽇運動や朝⼣30分程度の散歩でストレス発散を

シーズーは運動欲求は高くないので、おうちの中で飼い主さんと遊ぶだけで満足できる子も多いのですが、室内運動だけではなく、短時間でいいので、積極的に散歩に連れて行ってあげることが大切です。室内ばかりだと、問題行動を起こす原因にもなります。また、お散歩は社会勉強にもなります。毎日の散歩で他の犬と触れ合わせることで、社会性が育まれます。

膝蓋骨脱臼に注意!滑りにくい環境を整えてあげよう!

小型犬全般に発症しやすい、膝蓋骨脱臼。シーズーでも、子犬期から発症するケースもあります。遺伝的な要因もあると言われていますので、予防はなかなか難しいですが、フローリングを走り回っているときに大きな負担がかかり、痛めてしまう場合も。滑りにくい床材やカーペットなどを敷くなど足腰に配慮した環境を整えてあげましょう。同時に、大きな段差をなくす、高いところから飛び降りをさせないなどの注意も必要です。

美しい被毛をキープするため毎日ブラッシングを!

シーズーの長くて細い被毛は密度もあり絡まりやすいため、毎日のブラッシングは欠かせません。特に夏は熱がこもってしまわないように、毛のもつれをとき、被毛の通気性を保ってあげるようにしましょう。また目周りの被毛が目に入りやすいのでカットやケアで工夫してあげましょう。

夏は特に熱中症対策を!

短頭種で体温調節が苦手なシーズーは冬でも熱中症になることも。ハアハアと呼吸が激しくなり、ヨダレを大量に流す場合は熱中症の可能性があります。特に夏場は注意が必要です。エアコンでの温度管理や散歩時間を早朝や日暮れ後にしたり、外出時もアスファルトを避けるなど十分な対策が必要です。

シーズーの寿命を伸ばすためにできること

それでは最後に、シーズーにできるだけ元気で1日も長く家族のそばにいてもらえるように、私たち飼い主にできることを考えてみます。小さなことも毎日の積み重ねから。愛犬のためにできることから取り組んでみましょう。

01愛犬の健康診断にいこう!

人と一緒で、犬も病気を未然に防ぐことが大切です。健康診断をすることで、病気の早期発見、早期治療につながります。特に、犬は自分で話すことができないので、飼い主さんが、健康診断で犬の健康状態を把握しておいてあげることが重要です。また、実は、健康診断では「健康時の正常値を知る」ということがとても大事。健康な時のデータが取れていると、何か変化があった際に比較でき、正確な診断に繋がります。だいだい、5歳を過ぎたら毎年定期的に検査をするのがベストではありますが、毎年ではなくても良いので、なるべく元気な時に健康診断をしてあげましょう。

02愛犬に合ったバランスの良い食事を!

犬を健康に育てるには、人と同様やはり食事のバランスがとても大切です。ライフステージごとに愛犬に必要な栄養素が含まれているフードを選んであげるようにしましょう。またアレルギーのある子には、アレルギー用を、既存の疾患などがある子にはその子に合ったフードやサプリなどを組み合わせ、食事で健康を目指しましょう。もしフード選びに迷う際には、獣医師さんに相談し、原料・素材の良いもの、そして疾患などに対応したものを選んでいくようにしましょう。

また、犬は比較的胃が大きく、目の前にある食べ物を勢いよく食べてしまい、満腹感が得られず「もっともっと」とおねだりすることも。ただし、食べ過ぎやおやつの与えすぎは肥満やあらゆる病気につながるので気をつけましょう。
人の食べ物で、犬が食べてしまうと危険な食べ物はきちんと把握し与えないように注意しましょう!人が食べるために味付けされたものも絶対に与えないでください!

03愛犬のシーズーに合った適度な量の運動を!

食事同様に、犬にも適度な運動が必要です。犬にとって散歩や運動は、心と身体の健康維持に不可欠です。特に散歩は毎日の適度な運動になるだけでなく、ストレス解消や気分転換になります。散歩の頻度は1日に2回、朝と夕方に行うのが理想的ですが、必要とされる散歩量は、体の大きさや種類、年齢、健康状態によって異なるため、愛犬に合わせて調節することが大切です。

子犬期はお散歩だけでは足りない場合もあるのでさまざまな玩具を用いて遊びながらトレーニングをしたり、シニア犬の場合も認知症予防に玩具を使った遊びや無理のない散歩、運動を取り入れることで健康寿命につながってくるでしょう。

04早めの去勢・避妊手術を!

オスの精巣、メスの卵巣や子宮を摘出する去勢・避妊手術は、望まない繁殖を防ぐだけでなく、ワンコの病気予防やストレス軽減、行動改善といったメリットがあります。愛犬の健康状態を見ながら、かかりつけ動物病院の先生と相談し、適切な年齢で去勢・避妊手術を受けることは愛犬の健康に繋がってきますので、子犬を迎えたばかりの方へ一度、動物病院で相談してみてください。

ドッグトレーナーさんが教える
シーズーと相性の良い家族

運動欲求は高くない犬種なので、「毎日散歩や運動が必要」というわけではありません。1~2日ごとに散歩をしてあげれば、満足する子が多いでしょう。おもちゃで遊ぶのが好きな子もいますが、頻繁に求めてくることは少ない印象です。

知らない人やワンコに対して怯えることは少ないので、ドッグカフェなどへのおでかけは問題なく行けるでしょう。運動はあまり好まないので、海や山でのレジャーとなると、少し難しいかもしれません。

寂しがり屋な部分もあるので、家の中で飼い主さんに抱っこされたら喜びますし、名前を呼んだら寄ってきれくれるでしょう。ただ、基本的にはマイペースなので、ワンコ自身が満足したら飼い主さんのもとから離れていくことが多いです。その適度な距離感が、シーズーの魅力ともいえます。

Advisor

DOG WORKS ZERO代表
西岡 裕記さん

ドッグトレーナー。高校卒業後、地元の三重県から上京し、青山ケンネルカレッジで動物について学ぶ。警察犬訓練所やトリマー、ショップの店舗管理などを経験し、フリーのドッグトレーナーとして独立。“ゆる~く楽しくHAPPYに!”をモットーに、ワンコのトレーニング法を伝えている。

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