モロヘイヤはアオイ科の一年草です。刻むとオクラのような粘りが出るのが特徴です。
暑さに強い野菜で、病害虫にも比較的強く、初心者でも育てやすい野菜といわれています。収穫期間は6~10月頃までと長く、沖縄県や群馬県で多く栽培されています。
私たち人間は茹でたり炒めたりして食べますが、はたして犬に与えても大丈夫なのでしょうか。
ANSWER モロヘイヤは犬に食べさせても大丈夫です。
モロヘイヤを犬に与えても問題ありません。ただ、加熱したものに限ります。
というのも、生のモロヘイヤにはシュウ酸が多く含まれており、生のまま食べると結石ができてしまうおそれがあるからです。
この記事では、モロヘイヤから得られる栄養素と、与え方について詳しく紹介します。愛犬にモロヘイヤを与えてもいいのか気になっている人は、ぜひ参考にしてくださいね。
モロヘイヤの主な成分や栄養素
カルシウム
摂取したカルシウムのうち約99%は、骨や歯に使われています。
カルシウムは体内で合成ができないため、食べ物から補う必要がありますが、カルシウムを摂取することで吸収が阻害される栄養素もあることから、与える量には注意が必要です。
ビタミンE
脂溶性ビタミンであるビタミンEは、体内の脂質の酸化を抑制する抗酸化作用を持ちます。細胞の老化を防ぐ効果も期待できることから、免疫力の向上や動脈硬化予防につながるといわれています。
βカロテン
βカロテンは、必要量のみ犬の体内でビタミンAに変換され、皮膚や粘膜の健康維持や視力維持をサポートします。また、ビタミンAとして働くだけではなく、βカロテン自身も活性酸素の発生を抑えたり免疫を強くしたりするなど、アンチエイジング効果も期待されています。
マンナン
胃の粘膜を保護する、糖の吸収を緩やかにして血糖値の上昇を抑えるといった働きがあります。
モロヘイヤを犬が食べた際の犬への効果・影響
犬にモロヘイヤを与えることで、免疫力の強化やアンチエイジング効果が期待できます。さらに、モロヘイヤは野菜の中でもカルシウム含有量が多い野菜で、歯や骨を丈夫にすると考えられています。
犬に与えてよいモロヘイヤの量は?
小型犬の場合 | 約8g |
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中型犬の場合 | 約15g |
大型犬の場合 | 約25g |
子犬の場合 | 約8g |
老犬の場合 | 約15g |
犬にモロヘイヤを与える際の注意点
モロヘイヤのおすすめの与え方
加熱してから与える
生のモロヘイヤは結石の原因となるため、必ず加熱してから与えましょう。 。必ず少量ずつ与えましょう。特に胃腸の弱い犬には注意が必要です。
おすすめの料理法は茹でることです。アクと一緒にシュウ酸の成分がお湯の中に溶け出し、シュウ酸の含有量を減らすことができます。
ただし、加熱しすぎると栄養素が抜けてしまいます。30秒を目安に茹でればOKです。冷ましてから与えてくださいね。
種子・茎・枝・若葉はNG
モロヘイヤの種子・茎・枝・若葉には、ストロファンリジンという毒性の強い成分が含まれています。
このストロファンリジンを摂取すると、中毒症状を引き起こすおそれがあります。過去にストロファンリジンを摂取した牛が死んでしまったという事例もあるほど。
スーパーなどでは、すでに若葉などが除かれているものが販売されていることが多いですが、「必ず取り除かれているわけでない」と考え、調理する前にしっかりチェックしましょう。
モロヘイヤは繊維が多く、そのまま与えると消化されないおそれがあります。みじん切りや薄切りよりも、すりおろしたものや絞り汁を与えるほうが、愛犬にも負担がかからないのでおすすめです。
味付けをしてしまうと塩分・糖分過多になるおそれがあるので、味付けなしで食べさせてください。調味料を使用しなくても、素材の味と風味、食感があれば食べてくれますよ。
与えすぎに注意
モロヘイヤは食物繊維の多い野菜です。
犬は食物繊維の消化を得意としておらず、一度に大量の食物繊維を摂取すると胃腸に負担がかかります。嘔吐や下痢などを引き起こすおそれもあるため、少しずつ与えましょう。特に初めてモロヘイヤを与える場合は、様子を見ながら与えてくださいね。
こんな時は犬にモロヘイヤを食べさせないこと
過去に結石を担ってしまったことのある愛犬や、尿石のリスクのある犬にモロヘイヤを与えることは、避けましょう。
愛犬にモロヘイヤを与えてもいいのか気になる場合は、獣医師に相談してみると良いですよ。ただ、モロヘイヤから得らえる栄養素は普段のフードで摂取している栄養素がほとんどなので、無理に与える必要はありませんよ。
まとめ
モロヘイヤを愛犬に与える際は、必ず加熱してから与えましょう。生のモロヘイヤには、シュウ酸が含まれており、大量に摂取すると結石の原因となります。
また、種子・茎・枝・若葉には、ストロファンリジンという毒性の強い成分が含まれています。必ず種子・茎・枝・若葉を取り除き、加熱してから与えましょう。
犬に食材を与える際の注意点
その食材が犬に与えて良いものかどうかを調べましょう。
食材には以下の4つのパターンがあります。食材を与える際にはそれがどれにあたるかを把握する必要があります。
01.中毒・アレルギーを起こす絶対に与えてはいけない食べ物。
犬に与えると「テオブロミン」という成分が、嘔吐や下痢などの中毒症状を引き起こすチョコレート、「アリルプロピルジスルフィド」という成分が、貧血症状や下痢、嘔吐を引き起こすねぎや玉ねぎ。それ以外にもぶどう・レーズンや、アボカド、マカダミアナッツ・クルミ、キシリトールなど、食材の中には犬に与えると重篤な症状を引き起こすものがあります。
犬に手作りご飯や食材トッピングなどをする際は必ずこの犬に与えてはいけない食材を把握しておくようにしましょう。下記の記事でも詳しく解説しておりますので、参考にしてみてください。
02.与える際に注意が必要な食べ物
食材の中には基本的には与えても大丈夫ですが、与え方によっては注意が必要なものがあります。例えばじゃがいも。じゃがいもは犬に与えても大丈夫ですが、じゃがいもの芽や皮には「ソラニン」「チャコニン」という毒素が含まれていますので、与える際には芽や皮をしっかり取り除く必要があります。また、豚肉や刺身なども犬に与えて良い食材ですが、生の豚肉を食べると細菌やウイルスに感染してしまうリスクがありますし、人間用として処理された刺身は犬に与えても大丈夫ですが、食中毒などの危険性があるため、なるべく加熱してから与える方が良いでしょう。
それ以外にも、魚を与える際は骨をとる、野菜・果物を与える際は種やヘタを取り除くなど、食べられる食材の中にも与え方によって注意が必要な食べ物もあります。
03.人用に加工された食べ物
たとえば、その食材自体は食べさせられるものであったとしても、ジュースや缶詰、ドライフルーツ、ジャーキーなど人用に加工されたものは、油や調味料、糖分などが多く含まれており、犬に与えない方が良いものがほとんどです。食材は与えて大丈夫なものでも、与える前には人用に加工されたものではないか確かめるようにしましょう。
04.健康な成犬に与えても大丈夫な食べ物
犬に与えても大丈夫な食べ物もあります。ただし、子犬や老犬に与える際には小さく刻んだり、茹でて柔らかくして与えてあげましょう。また持病のある犬については特に注意が必要です。新しい食材を与える前にはかかりつけの獣医師さんに相談してから与えるようにしましょう。また、元気な成犬でも与える量については注意が必要です。どんな食べ物も食べ過ぎには注意しましょう。適度な量を愛犬に合わせて少しずつ与えてあげるようにしましょう。
フードに食材をトッピングする際の注意点
いつものフードに食材をトッピングしている飼い主さんも多いのではないでしょうか?トッピングがうまく活用することで足りない栄養素を補えたり、愛犬のフードの食いつきを高めることができます。ただし、与える際には下記のことに注意が必要です。注意すべき食材や栄養バランス、摂取量に十分注意しながら、上手にバランスの良い食事を心がけましょう!
処理やサイズなど与え方に注意を。
特にトッピングする際には、愛犬が喉に詰まらせないよう食べやすい大きさにカットして与えるようにしましょう。固い野菜などは茹でて柔らかくしてかけてあげたり、すりおろしてあげるのもおすすめです。また果物や野菜をトッピングする際には、皮や芯、種やヘタをしっかり取り除いてからあげましょう。特に種や芯には、犬が中毒を引き起こす成分が含まれる場合があるのでしっかりした下処理が大切です。
フードと合わせたカロリーバランスを考える。
フードに混ぜて、トッピングする場合のトッピングの適正量は多くても1日の摂取カロリーの10%までといわれています。
愛犬に与えているフードのカロリーや栄養素を調べ、愛犬の体重と年齢などに合わせ1日の栄養・カロリーがトッピングと合わせてバランスよくなるように調整することが大切です。心配な場合は与えている量とトッピングの内容をかかりつけ動物病院の先生に相談してみましょう。
初めて与える食材は少しずつ
どんな食材でも犬によってはアレルギーを起こす可能性があります。初めて与える食材の場合は少量を与え体調の変化がないかを見るようにしましょう。特に持病のある犬については特に注意が必要です。新しい食材を与える前にはかかりつけの獣医師さんに与えて大丈夫か相談してから与えるようにしましょう。
Adviser
ペットフーディスト 佐々木なるみ
愛犬の偏食をきっかけに資格を取得。これまでに4匹のわんちゃんと暮らしてきた。動物愛護に関心を寄せ、犬を含む多くの動物が幸せに暮らせる日本を目指している。