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ひと口にアイスといっても、成分によって名称が変わります。アイスクリームは、乳固形分15.0%以上、うち乳脂肪分8.0%以上。アイスミルクは、乳固形10.0%以上、うち乳脂肪分3.0%。ラクトアイスは乳固形分3.0%以上。氷菓は乳固形分3.0%未満。
チョコレート味やいちご味などさまざまなアイスがありますが、はたして犬に与えても大丈夫なのでしょうか。
ANSWER アイスは犬に与えないほうがいい食べ物です。
アイスは脂質量が多いことから、犬に与えないほうがいい食べ物です。犬にとって害のある成分が含まれていないアイスであれば、すぐに健康被害を起こす可能性は低いといわれています。ただ、含有成分を考えると、少しの摂取で肥満になるおそれが非常に高いです。
この記事では、アイスを与えないほうが良い理由を詳しく紹介します。
アイスの主な成分や栄養素
糖質
糖質は、同じエネルギー源であるタンパク質や脂質よりも即効性の高いエネルギー源で、アイス100gに対して20〜30g含まれています。体内に糖質が乏しい状態が続くと、思考力や集中力の低下のような症状が出る可能性があります。脳の働きをサポートするためには、継続的な摂取が必要です。
脂質
脂質は、タンパク質や炭水化物の2倍以上のエネルギーを供給できます。その他にも内臓保護や体温調整を行い、脂溶性ビタミン(A・D・E・K)の吸収を促進します。
タンパク質
タンパク質は体の筋肉や皮、臓器を作るうえで欠かせない成分です。不足すると健康面でさまざまな支障が起きることから、毎日継続的な摂取が欠かせません。
水分
水分は生命維持に欠かせない成分で、体を冷やす効果があります。アイスには6~7割程度の水分が含まれています。
アイスを犬が食べた際の犬への効果・影響
犬に与えないほうがいいです。
犬に与えてよいアイスの量は?
小型犬の場合 | 与えないほうが良い |
---|---|
中型犬の場合 | 与えないほうが良い |
大型犬の場合 | 与えないほうが良い |
子犬の場合 | 与えないほうが良い |
老犬の場合 | 与えないほうが良い |
犬にアイスを与える際の注意点
アイスのおすすめの与え方
アイスは糖分が多いから与えないほうが良い
アイスには大量の糖分が含まれています。アイスの種類によっては、たった1口で1日の必要カロリーを超える場合があります。
1口の積み重ねで肥満になるおそれもあるため、愛犬にアイスを与えないようにしましょう。
犬用アイスならOK
最近では、犬用アイスが販売されています。人間用よりはるかにカロリーは低く、安全な食材しか使われていないので、与えても大丈夫です。
熱い日が続く夏に水分補給として与えるのもおすすめです。
ただ、食べ過ぎるとお腹が冷えてしまうので、少しずつ与えましょう。
犬にとって害のある成分に注意
アイスには、さまざまな味付けのものが販売されています。
以下の食材が含まれているアイスは中毒症状を引き起こすおそれがあるので、絶対に与えてはいけません。
- チョコレート
- ぶどう
- レーズン
- マカダミアナッツ
- キシリトール
食べ終わった空の容器の置き場所に気をつけよう
食べ終わったアイスの容器は、すぐにゴミ箱に捨てましょう。
犬は鼻が良い動物です。アイスの香りを嗅ぎ分けて、容器に付いたアイスを舐める可能性があります。ほんの少量のアイスであったとしても、飼い主の習慣や行動を覚えて毎日舐めれば、肥満になる可能性も出てきます。
食べ終わったら机の上に放置せず、蓋付きのゴミ箱に捨ててくださいね。
こんな時は犬にアイスを食べさせないこと
乳糖不耐症の愛犬には絶対に与えてはいけません。乳糖不耐症という乳糖をうまく消化できない愛犬にアイスを与えると、お腹を壊したり嘔吐したりするおそれがあります。
どれほどの量の乳糖で下痢になるかは、犬の体格や年齢によっても差があるため一概にはいえません。ただ、危険性を考えると少しでも与えないほうが良いでしょう。
まとめ
アイスは糖分が多い食べ物なので、少しの量で肥満になるおそれがあります。たとえチョコレートやぶどうなどの中毒性のある食材が含まれていなくても、与えないほうが良いでしょう。
犬用のアイスであればカロリーも低いので、おすすめですよ。
犬に食材を与える際の注意点
その食材が犬に与えて良いものかどうかを調べましょう。
食材には以下の4つのパターンがあります。食材を与える際にはそれがどれにあたるかを把握する必要があります。
01.中毒・アレルギーを起こす絶対に与えてはいけない食べ物。
犬に与えると「テオブロミン」という成分が、嘔吐や下痢などの中毒症状を引き起こすチョコレート、「アリルプロピルジスルフィド」という成分が、貧血症状や下痢、嘔吐を引き起こすねぎや玉ねぎ。それ以外にもぶどう・レーズンや、アボカド、マカダミアナッツ・クルミ、キシリトールなど、食材の中には犬に与えると重篤な症状を引き起こすものがあります。
犬に手作りご飯や食材トッピングなどをする際は必ずこの犬に与えてはいけない食材を把握しておくようにしましょう。下記の記事でも詳しく解説しておりますので、参考にしてみてください。
02.与える際に注意が必要な食べ物
食材の中には基本的には与えても大丈夫ですが、与え方によっては注意が必要なものがあります。例えばじゃがいも。じゃがいもは犬に与えても大丈夫ですが、じゃがいもの芽や皮には「ソラニン」「チャコニン」という毒素が含まれていますので、与える際には芽や皮をしっかり取り除く必要があります。また、豚肉や刺身なども犬に与えて良い食材ですが、生の豚肉を食べると細菌やウイルスに感染してしまうリスクがありますし、人間用として処理された刺身は犬に与えても大丈夫ですが、食中毒などの危険性があるため、なるべく加熱してから与える方が良いでしょう。
それ以外にも、魚を与える際は骨をとる、野菜・果物を与える際は種やヘタを取り除くなど、食べられる食材の中にも与え方によって注意が必要な食べ物もあります。
03.人用に加工された食べ物
たとえば、その食材自体は食べさせられるものであったとしても、ジュースや缶詰、ドライフルーツ、ジャーキーなど人用に加工されたものは、油や調味料、糖分などが多く含まれており、犬に与えない方が良いものがほとんどです。食材は与えて大丈夫なものでも、与える前には人用に加工されたものではないか確かめるようにしましょう。
04.健康な成犬に与えても大丈夫な食べ物
犬に与えても大丈夫な食べ物もあります。ただし、子犬や老犬に与える際には小さく刻んだり、茹でて柔らかくして与えてあげましょう。また持病のある犬については特に注意が必要です。新しい食材を与える前にはかかりつけの獣医師さんに相談してから与えるようにしましょう。また、元気な成犬でも与える量については注意が必要です。どんな食べ物も食べ過ぎには注意しましょう。適度な量を愛犬に合わせて少しずつ与えてあげるようにしましょう。
フードに食材をトッピングする際の注意点
いつものフードに食材をトッピングしている飼い主さんも多いのではないでしょうか?トッピングがうまく活用することで足りない栄養素を補えたり、愛犬のフードの食いつきを高めることができます。ただし、与える際には下記のことに注意が必要です。注意すべき食材や栄養バランス、摂取量に十分注意しながら、上手にバランスの良い食事を心がけましょう!
処理やサイズなど与え方に注意を。
特にトッピングする際には、愛犬が喉に詰まらせないよう食べやすい大きさにカットして与えるようにしましょう。固い野菜などは茹でて柔らかくしてかけてあげたり、すりおろしてあげるのもおすすめです。また果物や野菜をトッピングする際には、皮や芯、種やヘタをしっかり取り除いてからあげましょう。特に種や芯には、犬が中毒を引き起こす成分が含まれる場合があるのでしっかりした下処理が大切です。
フードと合わせたカロリーバランスを考える。
フードに混ぜて、トッピングする場合のトッピングの適正量は多くても1日の摂取カロリーの10%までといわれています。
愛犬に与えているフードのカロリーや栄養素を調べ、愛犬の体重と年齢などに合わせ1日の栄養・カロリーがトッピングと合わせてバランスよくなるように調整することが大切です。心配な場合は与えている量とトッピングの内容をかかりつけ動物病院の先生に相談してみましょう。
初めて与える食材は少しずつ
どんな食材でも犬によってはアレルギーを起こす可能性があります。初めて与える食材の場合は少量を与え体調の変化がないかを見るようにしましょう。特に持病のある犬については特に注意が必要です。新しい食材を与える前にはかかりつけの獣医師さんに与えて大丈夫か相談してから与えるようにしましょう。
Adviser
ペットフーディスト 佐々木なるみ
愛犬の偏食をきっかけに資格を取得。これまでに4匹のわんちゃんと暮らしてきた。動物愛護に関心を寄せ、犬を含む多くの動物が幸せに暮らせる日本を目指している。