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片栗粉とは、ユリ科のかたくりという植物からとれるでんぷん粉のことを指します。ただ、近年流通している片栗粉は、じゃがいもを原料としているものが一般的です。
私たち人間は、とろみをつけたい料理や揚げ物に使用します。生地に混ぜ込むとモチモチとした食感を楽しめますし、小麦粉ではなく片栗粉を使用することで、カリッと軽めの食感に仕上がります。
はたして、片栗粉を犬に与えても大丈夫なのでしょうか。
ANSWER 片栗粉は犬に与えても大丈夫です。
片栗粉には犬の健康を害する成分が含まれていないので、与えても大丈夫です。
ただ、与え方には注意が必要です。
今回は、片栗粉の成分や、与える際の注意点を紹介します。片栗粉を愛犬に与えても大丈夫なのか気になっている飼い主さんは、ぜひ参考にしてくださいね。
片栗粉の主な成分や栄養素
糖質
糖質は、同じエネルギー源であるタンパク質や脂質よりも即効性の高いエネルギー源で、片栗粉100gに対して約81.6g含まれています。体内に糖質が乏しい状態が続くと、思考力や集中力の低下のような症状が出る可能性があります。脳の働きをサポートするためには、継続的な摂取が必要です。
鉄分
血液中の赤血球を作るヘモグロビンの材料で、不足すると貧血になります。吸収を促進するビタミンCなどと成分と一緒に摂取すると、より吸収率が高まるといわれています。
カリウム
体内に溜まった余分な塩分を尿と一緒に排出する働きを持ち、血圧の安定・維持に効果的だといわれています。また、心筋や筋肉の機能維持、さらには神経刺激の伝達などの働きをしています。
しかし、血中カリウム濃度が上昇する高カリウム血症の危険性から、過剰摂取に注意しなければなりません。
リン
リンは、健康を維持するうえで欠かせないミネラルの一種です。体内の約85%は、リン酸カルシウム・リン酸マグネシウムとして歯や骨に存在します。過剰摂取するとカルシウムの吸収を阻害する可能性があるため、摂取量に注意が必要です。
片栗粉を犬が食べた際の犬への効果・影響
片栗粉を摂取することで、エネルギー補給や血圧安定などの効果が期待できます。ただ、糖質が成分のほとんどを占めているため、大きな健康効果は望めないでしょう。
犬に与えてよい片栗粉の量は?
小型犬の場合 | ごく少量を与える |
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中型犬の場合 | 少量を与える |
大型犬の場合 | 少量を与える |
子犬の場合 | ごく少量を与える |
老犬の場合 | ごく少量を与える |
犬に片栗粉を与える際の注意点
片栗粉のおすすめの与え方
飲みこむ力が弱ってしまった老犬におすすめ
片栗粉を混ぜた食べ物は、とろみがつき、飲み込みやすくなります。飲み込む力が弱くなった愛犬や、食欲のない愛犬におすすめです。
ただ、片栗粉を入れすぎてしまうと、固くなりすぎて消化できないおそれがあります。100~150ccの液量に対して、小さじ1/2杯程度の片栗粉を入れると、軽くとろみがついて食べやすくなりますよ。
また、片栗粉と同量または2倍の水をあらかじめ入れて溶いておくのも、ダマになるのを防ぐうえで大事なポイントです。
粉のまま与えない
人間と同じように、愛犬に片栗粉を粉のまま与えてはいけません。消化不良を起こすおそれがあります。
必ず加工されて火が通っているものを与えましょう。
お湯で溶かした片栗粉であれば、再度加熱する必要はありませんよ。
置き場所に要注意
片栗粉を常温保存しているご家庭も多いでしょう。愛犬が誤って口にしてしまわないよう、保存場所に注意してください。
置き場所としては、愛犬の鼻や手が届かない場所に保管するのがポイントです。たとえば、蓋つきのケースの中や、扉付きの棚の中などがおすすめです。
無理に与える必要はない
片栗粉に含まれる栄養素は、毎日のドッグフードで補えます。無理に与える必要はありませんよ。
特に消化器官が未熟な子犬に与えると、無理に与えることで消化不良を起こすおそれがあります。注意しましょう。
こんな時は犬に片栗粉を与えないこと
じゃがいもなどのイモ類に対してアレルギーを持つ愛犬に片栗粉を与えてはいけません。
片栗粉はユリ科のかたくりという植物からとれるでんぷんを指しますが、最近ではじゃがいものでんぶんを使っている商品がほとんどです。
片栗粉を食べて口の周りを痒がったり下痢をしたりした場合は、すぐに食べさせるのを止めてくださいね。
まとめ
片栗粉には害のある成分が含まれていないので、犬に与えても大丈夫です。
必ず水で溶き、加熱してから与えましょう。ご飯にとろみがつくことで、食べ物を飲み込む力が弱くなった老犬の食事をサポートする役目を果たします。
愛犬が粉のまま食べないよう、保存場所には注意してくださいね。
Adviser
ペットフーディスト 佐々木なるみ
愛犬の偏食をきっかけに資格を取得。これまでに4匹のわんちゃんと暮らしてきた。動物愛護に関心を寄せ、犬を含む多くの動物が幸せに暮らせる日本を目指している。