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そら豆は、マメ科ソラマメ属にあたる西南アジアが原産の豆類です。さやが空に向かって伸びる様子から「そら豆(空豆)」と名付けられたといわれています。
そら豆の旬は4~6月頃です。鮮度が落ちやすい食材なので店頭に出回る期間は短く、旬を感じやすい食材です。茹でたり焼いたりして調理するのが主流で、主にさやの中の実の部分だけを食べます。
はたして犬に与えても大丈夫なのでしょうか。
ANSWER そら豆は犬に食べさせても大丈夫です。
そら豆には犬にとって中毒性のある成分は含まれていないため、与えても大丈夫な野菜です。ドッグフードのトッピングにすれば、風味や食感をプラスできるでしょう。
ただ、与え方には注意が必要です。そら豆を愛犬に与えてもいいのか気になる飼い主さんは、この記事をぜひ参考にしてくださいね。
そら豆の主な成分や栄養素
タンパク質
タンパク質は体の筋肉や皮、臓器を作るうえで欠かせない成分です。不足すると健康面でさまざまな支障が起きることから、毎日継続的な摂取が欠かせません。
ビタミンB群
ビタミンB群とは、ビタミンB1・B2・B6・B12・ナイアシン・パントテン酸・葉酸・ビオチンの8種類を指し、エネルギー代謝をサポートする補酵素として働きます。
ビタミンB群は水に溶けやすい水溶性ビタミンなので、尿と一緒に排出されてしまう特徴があります。継続的に、そしてまんべんなく取りましょう。
カリウム
体内に溜まった余分な塩分を尿と一緒に排出する働きを持ち、血圧の安定・維持に効果的だといわれています。また、心筋や筋肉の機能維持、さらには神経刺激の伝達などの働きをしています。
しかし、血中カリウム濃度が上昇する高カリウム血症の危険性から、過剰摂取に注意しなければなりません。
鉄
血液中の赤血球を作るヘモグロビンの材料で、不足すると貧血になります。吸収促進するビタミンCなどと成分と一緒に摂取すると、より吸収率が高まるといわれています。
そら豆を犬が食べた際の犬への効果・影響
そら豆には三大栄養素の1つであるタンパク質や、栄養素の働きをサポートするビタミン・ミネラル類が豊富に含まれています。そら豆の摂取により、体全体の健康を維持することが期待できるでしょう。
犬に与えてよいそら豆の量は?
小型犬の場合 | 1粒 |
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中型犬の場合 | 2粒 |
大型犬の場合 | 3粒 |
子犬の場合 | 1粒 |
老犬の場合 | 1~3粒 |
犬にそら豆を与える際の注意点
そら豆のおすすめの与え方
加熱してから与えよう
そら豆を生のまま食べると、消化不良を起こすおそれがあります。必ず加熱してから与えましょう。
そら豆を茹でる際は、まずさやから出します。次に、豆ひとつずつに切り込みを入れましょう。そうすることで、薄皮を剝きやすくなります。
ゆで時間の目安は3~3分半です。のどに詰まらせないよう、少し柔らかめに茹でると良いでしょう。
さや・わた・薄皮を与えるのはNG
さや・わたは、のどに詰まらせたり消化不良を引き起こしたりするおそれがあるので、愛犬に与えてはいけません。さやの中の身を取り出す際は、愛犬の鼻や手が届かない場所で作業しましょう。
また、薄皮は食べても大丈夫ですが、食物繊維の消化が得意ではない犬にはできるだけ与えないほうが良いでしょう。加熱前に豆に切り込みを入れておくと、茹で上がった後に薄皮を剥きやすくなりますよ。
茹で塩は入れない
人間が茹でそら豆を食べる際はお湯の中に塩を入れるのが一般的です。ただ、同様の茹で方をすると、犬の場合は塩分過多になるおそがあります。
お湯の中に塩はもちろんこと、その他の調味料も入れずにそら豆を茹でましょう。
ペースト状にするのがおすすめ
そら豆は、しっかり茹でても食感が残る食材です。特に鮮度の良いそら豆だと柔らかくなりにくい場合があります。
固さのあるそら豆だと消化しにくいため、ペースト状にして与えることをおすすめします。
ただそら豆を潰して食べさせるのも良いですが、潰したそら豆に水や豆乳を混ぜてポタージュにすると愛犬が喜ぶでしょう。水をあまり飲まなくなった老犬や、夏場の水分補給におすすめです。
こんな時は犬にそら豆を食べさせないこと
豆アレルギーを持っている愛犬・腎疾病の愛犬・結石ができたことがある愛犬に、そら豆を与えてはいけません。
もしもそら豆を与えて下痢や嘔吐などの症状が出たら、すぐに食べさせるのをやめましょう。症状が長引くようであれば、獣医師の診察を受けてくださいね。
まとめ
そら豆は犬に与えても良い食材です。タンパク質やビタミン、ミネラルが豊富に含まれており、犬の健康を促進する効果が期待できます。
生のまま、またはさやごと与えると消化不良を起こすおそれがあります。さやから出し、柔らかくなるまで加熱してから与えてくださいね。
Adviser
ペットフーディスト 佐々木なるみ
愛犬の偏食をきっかけに資格を取得。これまでに4匹のわんちゃんと暮らしてきた。動物愛護に関心を寄せ、犬を含む多くの動物が幸せに暮らせる日本を目指している。