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加熱してそのまま食べるのはもちろんのこと、砕いて料理やデザートに混ぜて食べると美味しいくるみ。非常に硬い殻で覆われており、この殻を割って中の実を食べます。
日本で流通している98%以上が外国産です。中でもアメリカ産が多く、2位のチリ産と比べて約50倍の量だといわれています。
日本でもくるみの栽培はおこなわれており、国内産のくるみの約8割は長野で作られています。
お酒のつまみとして食べたり、デザートとして食べたりすることの多いくるみですが、はたして犬に与えても大丈夫なのでしょうか。
ANSWER くるみは犬に食べさせても大丈夫です。
くるみは、犬に与えても大丈夫な食材です。ただ、食べ過ぎると健康を害するおそれがあることから、積極的に与える必要はない食材ともいえるでしょう。
この記事では、くるみの栄養素や与える際の注意点などについて解説します。「愛犬がくるみを欲しがるけれど与えていいのか分からない」という飼い主さんは、ぜひこの記事を参考にしてくださいね。
くるみの主な成分や栄養素
食物繊維
食物繊維は水に溶けやすい水溶性食物繊維と水に溶けにくい不溶性食物繊維に大きく分けることができます。腸内環境鵜を整えたり蠕動運動を活発化して排便を促進したりする働きがあります。過剰摂取すると、消化不良を引き起こす可能性があるため与える量に注意が必要です。
ポリフェノール
ポリフェノールは、他の物質を酸化させる力が強い活性酸素の産生や増殖を抑える働きがあります。殺菌作用や抗菌作用もあるので、老化防止や病気の予防やつながると期待されています。
ビタミンA
脂溶性ビタミンであるビタミンAは、皮膚や粘膜、目、骨の健康を維持する働きがあります。欠乏すると食欲不振や成長不良を引き起こし、反対に過剰摂取すると肝臓に蓄積されるため、欠乏よりも過剰に注意が必要です。
αリノレン酸
植物油に多く含まれている不飽和脂肪酸のαリノレン酸は、オメガ3脂肪酸に属する成分です。血中中性脂肪の低下や血栓防止、高血圧予防などの作用があるといわれています。体内で生成することができないことから、食事から摂取する必要があります。
くるみを犬が食べた際の犬への効果・影響
くるみには体内で生成することができないαリノレン酸が多く含まれており、血液の健康を維持する働きが期待できます。また、老化防止が期待できるポリフェノールや皮膚や目の健康に役立つといわれているビタミンAなども含まれており、くるみを摂取することで健康を維持することができるでしょう。
犬に与えてよいくるみの量は?
小型犬の場合 | ごく少量を与える |
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中型犬の場合 | ごく少量を与える |
大型犬の場合 | ごく少量を与える |
子犬の場合 | 与えないほうが良い |
老犬の場合 | ごく少量を与える |
犬にくるみを与える際の注意点
くるみのおすすめの与え方
ごく少量を少しずつ与えよう
くるみには犬の健康をサポートする栄養素が豊富に含まれています。一方で、過剰摂取すると健康を害するおそれもあることから、与えすぎには注意が必要です。
愛犬がくるみを欲しがっているようであれば、少量ずつ与えましょう。特に初めて食べさせる場合は、様子を見ながら与えると良いですよ。
細かく砕いてから与えよう
犬は、食べ物を噛まずに丸のみする習性があり、くるみを細かく刻まずに与えてしまうと、そのまま飲み込んでしまうでしょう。うまく消化できず、下痢や嘔吐を引き起こす場合もあります。
愛犬にくるみを食べさせる場合は、包丁やすり鉢などで細かくすり潰してから食べさせましょう。
また、殻に入ったままくるみを与えるのも危険です。のどに詰まらせる恐れがあるので、愛犬の口や手が届かない場所に保管してくださいね。
味付けされたくるみはNG
おつまみとして販売されている薄く塩味がついたくるみを愛犬に与えるのは控えましょう。というのも、そもそもドッグフードに塩分は含まれているので、塩味のくるみを食べてしまうと塩分過多になるおそれがあるからです。
愛犬にくるみを与える際は、素焼きのものを選びましょう。生のくるみを与えてもOKですよ。
無理に与える必要はない
くるみは脂質と食物繊維の量が多い食材です。これらの栄養素は過剰摂取すると肥満や下痢、嘔吐などにつながる危険性があります。
愛犬が欲しがらなければ、無理に与える必要はありませんよ。
こんな時は犬にくるみを食べさせないこと
消化器官が未熟な子犬や肥満気味の愛犬には、くるみを与えないほうが良いでしょう。また、何かしらのアレルギーを持っている愛犬であれば、くるみに対してもアレルギー反応を示す可能性が高いです。
もしも下痢や嘔吐、皮膚の痒みなどがみられたら、速やかに獣医師の診察を受けましょう。与えるのを止めると症状が出なくなった場合も、愛犬の側を離れず体調の変化がないかチェックしてくださいね。
まとめ
くるみには犬の健康を害する成分が含まれていないので、与えても良い食材です。しかし、過剰摂取すると肥満になるおそれがあります。くるみを欲しがらない場合は、無理に与える必要はありませんよ。
Adviser
ペットフーディスト 佐々木なるみ
愛犬の偏食をきっかけに資格を取得。これまでに4匹のわんちゃんと暮らしてきた。動物愛護に関心を寄せ、犬を含む多くの動物が幸せに暮らせる日本を目指している。