小豆(あずき)にはさまざまな種類があり、一般的に小粒で赤色をしたものを小豆と呼びます。日本各地で生産されており、主産地は北海道で国内収穫量の8割以上を占めています。
小豆をご飯と一緒に炊いた赤飯が有名ですが、主に砂糖と合わせてあんこに加工されることが多く、たとえばどら焼きや大福などの小豆菓子があります。
私たち人間が普段から食べている小豆を犬に与えても大丈夫なのでしょうか。
ANSWER 小豆は犬に食べさせても大丈夫です。
小豆には犬にとって害となる成分が含まれていません、よって、犬に与えても良い食材です。ただ、小豆に含まれる成分をうまく消化できないなど、与え方に注意が必要です。
この記事では、小豆の栄養素と正しい与え方について紹介します。
「愛犬に小豆やあんこを与えてもいいのか気になる」という飼い主さんは、この記事をぜひ参考にしてくださいね。
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小豆の主な成分や栄養素
食物繊維
食物繊維は水に溶けやすい水溶性食物繊維と水に溶けにくい不溶性食物繊維に大きく分けることができます。腸内環境鵜を整えたり蠕動運動を活発化して排便を促進したりする働きがあります。
過剰摂取すると、消化不良を引き起こす可能性があるため与える量に注意が必要です。
ポリフェノール
ポリフェノールは、他の物質を酸化させる力が強い活性酸素の産生や増殖を抑える働きがあります。殺菌作用や抗菌作用もあるので、老化防止や病気の予防やつながると期待されています。
カリウム
体内に溜まった余分な塩分を尿と一緒に排出する働きを持ち、血圧の安定・維持に効果的だといわれています。また、心筋や筋肉の機能維持、さらには神経刺激の伝達などの働きをしています。
しかし、血中カリウム濃度が上昇する高カリウム血症の危険性から、過剰摂取に注意しなければなりません。
サポニン
小豆の皮に含まれる成分で、抗酸化作用や免疫力を高める働きがあるといわれています。コレステロールや中性脂肪の増加を抑え、血糖値の上昇抑制作用なども期待できます。
食事のバランスを考えながら取り入れると、健康維持に大きく貢献するでしょう。
小豆を犬が食べた際の犬への効果・影響
小豆には抗酸化作用を持つポリフェノールやサポニンが多く含まれています。小豆の摂取により、血流改善や病気の予防など、老化防止効果が期待できます。
犬に与えてよい小豆の量は?
小型犬の場合 | 30~50g |
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中型犬の場合 | 50~100g |
大型犬の場合 | 約100g |
子犬の場合 | 消化器官が未発達なのでなるべく与えないほうが良い |
老犬の場合 | ごく少量を与えよう |
犬に小豆を与える際の注意点
小豆のおすすめの与え方
加熱し皮を取り除いてから与えよう
生のままでは、犬の消化器官で消化することができず、下痢や嘔吐を起こす場合があります。中心部まで柔らかくなるようしっかり加熱しましょう。
また、小豆の皮は消化しにくいので、取り除いてあげると食べやすくなるでしょう。加熱した小豆は皮を取り除き、ペースト状にして与えるのが理想です。
あんこは少量であれば与えてもOK
小豆と砂糖を混ぜて作られたあんこは、犬に与えても良い食べ物です。食べ過ぎると砂糖の過剰摂取で肥満になるおそれがあるので、少しずつ与えましょう。
あんこは風味豊かな食べ物なので、嗜好性アップも狙えます。ドッグフードにトッピングするなど、食欲のない愛犬に与えてみてください。
大福はのどに詰まらせるのでNG
小豆が使われている人間用のお菓子は、基本的に犬に与えてはいけません。糖分の過剰摂取になるだけでなく、砂糖の味を覚えてドッグフードを食べなくなる場合もあるからです。
特に小豆が使われている大福には注意が必要です。犬にとって害となる成分は含まれていませんが、のどに詰まらせてしまう危険性があります。少量でも危険ですので、大福などの餅が含まれているお菓子は与えないようにしてくださいね。
小豆の保管場所に注意しよう
小豆は常温保存が可能なので床に近い場所に保管している人も多いでしょう。しかし、愛犬の口や鼻が届く場所に置いていると、食べてしまう場合があります。
蓋付きの収納ケースや、扉のある棚に保管してくださいね。
こんな時は犬に小豆を食べさせないこと
何らかのアレルギーを持っている愛犬に小豆を与えないようにしましょう。小豆を食べて嘔吐や下痢、目が充血するなどの症状が見られたときは、すぐに与えるのを止めましょう。症状が長引くようなら、獣医師の診察を受けてくださいね。
また、小豆に対してアレルギー反応が出た場合は、その他の豆類に対してもアレルギー反応が出る可能性が高いです。小豆を食べて何か異変を感じたら、家族に共有しておくと良いですよ。
まとめ
小豆には犬にとって害となる成分が含まれていないので、与えても問題のない食材です。加熱し、ペースト状にすると、愛犬も食べやすくなりますよ。
ただ、人間用に味付けされたものは、糖分や塩分の過剰摂取になるおそれがあるので与えないようにしましょう。愛犬が欲しがらないなら、無理に与える必要はありませんよ。
Adviser
ペットフーディスト 佐々木なるみ
愛犬の偏食をきっかけに資格を取得。これまでに4匹のわんちゃんと暮らしてきた。動物愛護に関心を寄せ、犬を含む多くの動物が幸せに暮らせる日本を目指している。