チベタン・テリアの基本データ
原産国 | チベット |
---|---|
サイズ | 中型犬 |
犬種グループ | 愛玩犬 |
飼いやすさ・しつけのしやすさ | 中級 |
運動量 | 中 |
トリミング | 必要 |
ブラッシング | 毎日 |
お散歩 | 1日30分~1時間程度 |
飼育費用 | 月2~3万(医療費別途) |
かかりやすい病気・怪我 | 進行性網膜萎縮症、膝蓋骨脱臼、二重睫毛 |
チベタン・テリアの歴史
イギリスのテリアに似ていることから、テリアの名がついていますが、実際はテリアではない、という珍しい犬種がチベタン・テリアです。
くせっ毛のような可愛らしい長毛が特徴のチベタン・テリアの歴史は古く、紀元前に遡ります。チベットの寺院で幸福を招く守護犬として神聖化され、門外不出となっていたため、見た目があまり変わらず保たれてきたと言われています。
チベタン・テリアを手放すと幸福が逃げると信じられていたため、チベットの人はチベタン・テリアをあまり売ろうとしませんでした。チベットでは家畜を守ったり、猟や荷物運びを手伝ったりと様々な仕事をこなしていました。
また、夏には羊のように毛を刈られ、ヤクの毛と混ぜることで衣服に仕立てていたと言われ、様々なことに役立てられてきた犬種です。
1920年代にはヨーロッパへ渡り、チベタン・テリアが広まりました。
チベタン・テリアの性格と特徴・飼いやすさ
テリアと名がついていますが、実はテリアではない、チベタン・テリアは、もちろんテリア犬種特有のテンションの高さを持っていません。
知らない人には警戒することもありますが、チベットの寺院の僧侶たちに愛玩犬として飼われていたため、基本的に優しく、とても落ち着いている犬種です。
家族には愛情深いため、小さな子どもがいる家庭でも飼うことができます。知らない人には警戒し、吠えることもあるため、無駄吠えをさせないようにしつけが必要です。
お手入れは毎日のブラッシングが必要不可欠で、お手入れの時間とお散歩の時間を取ってあげられる人に向いている犬種です。
また、愛玩犬でずっと人と暮らしてきたため、お留守番は少し苦手な傾向があります。
チベタン・テリアの被毛と種類
くせっ毛のようで長い被毛はチベタン・テリアの魅力の1つです。顔、体ともに長い被毛に覆われています。毛玉になりやすいため、毎日のブラッシングは欠かせません。
被毛の色はホワイト、ゴールデン、クリーム、グレー、スモーク、ブラック、パーティ・カラー、トライカラー等があり、チョコレート、或いはレバー色以外であれば何色でも許容されるカラーバリエーション豊富な犬種です。
- ホワイト
- ゴールデン
- クリーム
- グレー
- スモーク
- ブラック
- パーティ・カラー
- トライカラー
チベタン・テリアの大きさ・体高・体重
体は横から見るとスクエアで、体長と体高が同じくらいの長さです。その名前の由来となったテリアに似ています。骨格はがっちりしています。
チベタン・テリアの体重 | チベタン・テリアの体高 |
---|---|
9~11kg | 38~41cm |
チベタン・テリアの平均寿命と人間年齢
チベタン・テリアの寿命は12~15歳です。ストレスがたまらないように適度な運動と発散で健康を保ちましょう。
人間に換算した場合の年齢は下記の表をご参照ください。
犬の年齢 | 人間に換算した年齢 | 成長ステージ |
---|---|---|
3か月 | 4歳 | 子犬 |
6か月 | 7歳半 | |
9か月 | 11歳 | |
1歳 | 15歳 | |
1歳半 | 19歳半 | |
2歳 | 23歳 | 成犬 |
3歳 | 28歳 | |
4歳 | 32歳 | |
5歳 | 36歳 | |
6歳 | 40歳 | シニア犬 |
7歳 | 44歳 | |
8歳 | 48歳 | |
9歳 | 52歳 | |
10歳 | 56歳 | |
11歳 | 60歳 | |
12歳 | 64歳 | |
13歳 | 68歳 | |
14歳 | 72歳 | 高齢犬 |
15歳 | 76歳 | |
16歳 | 80歳 | |
17歳 | 84歳 | |
18歳 | 88歳 | |
19歳 | 92歳 | |
20歳 | 96歳 |
こちらの表は、
- 小型犬・中型犬「24+(犬の年齢-2)×4=人間に相当する年齢」
- 大型犬「12+(大型犬の年齢-1)×7=人間に相当する年齢」
の方式に基づいて計算しています。詳しくは、下記の記事をご覧ください。
チベタン・テリアのかかりやすい病気
チベタン・テリアのかかりやすい病気 1 進行性網膜萎縮症
網膜の異常から視覚障害を起こし、徐々に視力が落ちていき最終的には失明に至る病気です。薬の投与により進行を遅らせることができます。まっすぐ歩けない、暗い場所や夜間のお散歩で見えにくそうにしている、家具や物にぶつかることがあるなど、症状がある場合は動物病院を受診しましょう。白内障を併発することもあります。
チベタン・テリアのかかりやすい病気 2 膝蓋骨脱臼
膝のお皿の部分が外れ、痛みや歩行障害が出る病気です。「パテラ」と呼ばれることもあります。症状の程度によってグレードが1~4まで分けられ、グレード1の場合はほとんど症状がありませんが、まれに膝蓋骨が外れてキャンと鳴いたり、スキップをすることがあります。犬種や年齢によって治療法が変わることが多いため、獣医師に相談しましょう。フローリングなどツルツルすべる場所が住環境に多いと、負担が大きくなるため、カーペット等を敷くようにしましょう。
チベタン・テリアのかかりやすい病気 3 二重睫毛
睫毛が二重に生えることで涙やけを発生させたり、眼の角膜部分に傷がついてしまう病気です。
二重に生えていても毛がソフトなものであれば問題にならないこともありますが、問題がある場合は睫毛を抜いても毛根があるとまた生えてきてしまうため、ガスを使って毛根を破壊したり、手術で毛根を除去したりする治療方法が行われます。
目をしょぼしょぼさせていたり、眼が充血したりしている場合は一度獣医師に相談してみましょう。
チベタン・テリアの飼い方・飼う際の注意点
チベタン・テリアの飼い方・飼う際の注意点 1 外での遊びやお散歩の時間をつくる
優しく落ち着いているチベタン・テリアですが、チベットで家畜の保護や猟の手伝いをしていたので、運動量は少ない方ではなく活発です。毎日外で遊んだりお散歩をして発散をしてあげましょう。雨の日は室内で遊べるようにスペースを確保してあげることと、おもちゃを使って一緒に遊んであげると喜びます。
チベタン・テリアの飼い方・飼う際の注意点 2 毎日のブラシで毛玉を防止
長い被毛が特徴のチベタン・テリアは毛玉を防止するために、できれば毎日ブラッシングをしてあげましょう。またブラシ嫌いになると毎日のブラッシングがストレスになってしまうため、子犬のころからブラシを好きになってくれるように、オヤツやフードをあげながらブラシをするなど、「ブラシ=いいことがある」と繰り返し学習させてあげましょう。
ブラシを快く受け入れてくれるようになるとブラッシングをする人もブラシが楽にできるようになりますよ。
チベタン・テリアの飼い方・飼う際の注意点 3 無駄吠えをしないトレーニングを!
基本的に人には優しいチベタン・テリアですが、見知らぬ人には警戒することもあります。警戒して吠えることもあるので、無駄吠えしないようにトレーニングが必要です。吠えた場合は吠え続けることがないように、なるべく早く落ち着かせる練習をしておくと良いでしょう。
チベタン・テリアの飼い方・飼う際の注意点 4 カットはプロの手を借りよう
長い被毛が可愛いチベタン・テリアですが、全身や足回りなどをカットしたい場合はトリミングサロンへ連れて行き、プロのお願いしてカットをしてもらいましょう。
直毛ではなくウェーブ毛のチベタン・テリアのカットは家庭でカットするには難易度が高いため、プロにお願いしたほうが良いでしょう。
また、毎日のブラッシングが難しい場合もシャンプー時に毛玉がないかプロに確認してもらいましょう。
チベタン・テリアの飼い方・飼う際の注意点 5 社会化で知らない人に会おう
見知らぬ人には警戒することもあるチベタン・テリアは子犬の頃からしっかりと社会化をしておき、見知らぬ人へもあまり警戒しないように慣らしておきましょう。社会化をしておくと、警戒するような出来事があっても落ち着いていられたり、ストレスにも強くなります。
子犬の場合はパピークラスへ参加したり、社会化を意識しながらお散歩をすることで社会化をしてあげることができます。
チベタン・テリアをお迎えする方法
ブリーダーさんからお迎えする
チベタン・テリア専門の優良ブリーダーをネットなどで検索してみましょう。ブリーダーから子犬をお迎えする場合は両親が明らかなので、毛色や体格、性格などがわかるメリットがあります。
また、お迎え後もブリーダーさんに困った時に相談ができたり、兄弟犬の輪が広がったりとサポートしてもらえる繋がりがもてるのも心強いポイントです。
保護犬のチベタン・テリアを探して里親になる
動物保護施設や動物愛護ボランティア団体などでは、繁殖犬を卒業して保護された子や、飼い主の事情で手放されて保護されているチベタン・テリアを見つけられるかもしれません。事前にサイトやSNSなどで探してみてくださいね。
チベタン・テリアの値段・価格の相場
価格相場は60〜100万円です。流通がかなり少ない犬種のため、海外ブリーダーからの個人輸入を検討したほうが良いかもしれません。
まとめ
名前にテリアがついていますが、実際はテリア犬種ではない、チベタン・テリア。長いウェーブした毛が可愛い犬種です。チベットで昔から大切にされ、ずっと人と暮らしてきたチベタン・テリアは家族と一緒に過ごすのが大好きです。知らない人には警戒することもありますが、基本的には人に友好的なので、家族の一員として楽しく毎日を過ごしてくれますよ。お手入れには、少し手間がかかるため、毎日のブラッシングが難しい場合は少しでもブラシをして、トリミングサロンでのシャンプーのときに毛玉やもつれがないかチェックしてもらうなど、プロの手をこまめに借りることも検討してみてくださいね。