レオンベルガーの基本データ
原産国 | ドイツ |
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サイズ | 超大型犬 |
犬種グループ | 使役犬 |
飼いやすさ・しつけのしやすさ | 上級 |
運動量 | 多 |
トリミング | 不要 |
ブラッシング | 週2~3回 |
お散歩 | 1日1~2時間 |
飼育費用 | 月3~5万(医療費別途) |
かかりやすい病気・怪我 | 股関節形成不全、胃捻転、鼓腸症 |
レオンベルガーの歴史
レオンベルガーはその名前の通り、ライオンを目指して交配された犬種です。1830年代末頃、ドイツのレオンベルグ市議員であったハインリッヒ・エスィヒは、市のシンボルのライオンに似た犬を作ろうと思いつきました。
主にセントバーナードやグレートピレニーズ、ニューファンドランドといった超大型犬をかけあわせ、1846年にはエスィヒ氏が求めていた犬が完成したと言われています。
ドイツから諸外国へ紹介されわたっていきましたが、イギリスではあまり評判をふるわず、なかなか新しい犬種として認めてもらえなかったようです。しかし風格のある外見と堂々としたレオンベルガーの振る舞いは王族にも好まれ、少しずつ認められていきました。
第二次世界大戦では多くの犬種が絶滅の危機にさらされたことで知られていますが、レオンベルガーも同様で、戦後に残っていたのはわずか8頭のレオンベルガーのみであったと言われています。
そこから再びレオンベルガーは数を増やし、人気犬種となり、イギリスケネルクラブやアメリカケネルクラブでも登録がされていきますが、ひとえに、レオンベルガー愛好家たちの努力と活躍があってこその結果と言えます。
レオンベルガーの性格と特徴・飼いやすさ
レオンベルガーは体格こそ大きな犬種ですが、常に落ち着いていて、家庭犬としては最適ともいえる、とても優しい性格をしています。
子どものことも好きですが、体の大きさとパワーがあるため、小さな子どもと一緒に過ごす場合は他の家族や保護者が同伴し、注意をはらいましょう。
見た目とは違い、落ち着いていて温和なレオンベルガーは性格的には飼うことが難しい犬種ではありませんが、しっかりとお散歩ができる時間を確保することが必要です。
また、体の大きなレオンベルガーがゆったりと過ごせるスペースの確保やフード、医療にかかる費用も小型犬とはかなり違うため、レオンベルガーを飼う前にはまず、じっくりと検討することをおすすめします。
レオンベルガーの被毛と種類
ライオン・イエロー、レッド、レディッシュ・ブラウン、サンド(フォーン、クリーム)、また、これらのカラーを組み合わせたカラーがあり、体のあちこちでさまざまな色が混じったように見えます。どのレオンベルガーもブラック・マスク(顔が黒い)です。毛先は黒いことがありますが、黒が基本色となることはありません。
毛先や飾り毛の基本色が淡くなることがあります。胸に白い小さなまだらや、縞模様があるレオンベルガーもいます。
基本的に直毛ですが、ウェーブがかかっていたり、くせ毛のような毛質のレオンベルガーもいます。
- ライオン・イエロー
- レッド
- レディッシュ・ブラウン
- サンド
レオンベルガーの大きさ・体高・体重
力強い体躯が魅力的なレオンベルガーはその名の通り、ライオンのような風格があります。成犬のレオンベルガーは体高と体長の比率が9:10が理想で、胸の深さは肩甲骨までの高さの50%が理想的です。
レオンベルガーの体重 | レオンベルガーの体高 |
---|---|
40kg以上 | 65~80cm |
レオンベルガーの平均寿命と人間年齢
レオンベルガーの寿命は8~9歳です。長く元気で過ごしてもらうためにも定期的に動物病院で健康チェックをしましょう。
人間に換算した場合の年齢は下記の表をご参照ください。
犬の年齢 | 人間に換算した年齢 | 成長ステージ |
---|---|---|
1歳 | 10歳 | 子犬 |
1歳半 | 15歳半 | |
2歳 | 19歳 | |
3歳 | 29歳 | 成犬 |
4歳 | 39歳 | |
5歳 | 49歳 | シニア犬 |
6歳 | 59歳 | |
7歳 | 69歳 | |
8歳 | 79歳 | 高齢犬 |
9歳 | 89歳 | |
10歳 | 99歳 | |
11歳 | 109歳 | 超高齢犬 |
12歳 | 119歳 |
こちらの表は、
- 小型犬・中型犬「24+(犬の年齢-2)×4=人間に相当する年齢」
- 大型犬「12+(大型犬の年齢-1)×7=人間に相当する年齢」
の方式に基づいて計算しています。詳しくは、下記の記事をご覧ください。
レオンベルガーのかかりやすい病気
レオンベルガーのかかりやすい病気 1 股関節形成不全
大型犬に多い遺伝性疾患です。若齢期に発症する型と、中齢から高齢にかけて発症する型があります。
症状には、お散歩を嫌がる、車に飛び乗ることができない、等がありますが、膝関節の疾患や馬尾症候群のような神経の疾患でも同様の症状が見られることがあるため、異変に気付いたらまず動物病院で診断を受け、治療について相談しましょう。
レオンベルガーのかかりやすい病気 2 胃捻転
胃が拡張するため、胸~腹部が大きく膨らみます。ふくらむ原因は空気なので、指で叩いてみるとサッカーボールを叩いた時のような感触が感じられます。
急激にぐったりとしはじめ、吐こうとするが吐けない、多量のよだれが出るなどの症状が見られます。すぐに処置をしないとかなり危険な病気のため、症状に気付いたらすぐに病院へ行きましょう。また日頃から食事のあとに運動をさせない、1回の食事で大量に食べさせないといったことに気を付け、胃捻転を予防しましょう。
レオンベルガーのかかりやすい病気 3 鼓腸症
胃捻転の前に見られることがある病気です。胃や腸にガスがたまってしまうことにより胃捻転を引き起こす可能性があります。
食物繊維を多く含む食品や乳製品をたくさん与えるとガスが発生しやすいので、一度にたくさん与えないようにしましょう。犬は食物繊維を多く消化できないので、与えるときも注意が必要です。
レオンベルガーの飼い方・飼う際の注意点
レオンベルガーの飼い方・飼う際の注意点 1 超大型犬に合った運動量を確保しよう
レオンベルガーは超大型犬のため、1日1~2時間のお散歩時間を確保してたっぷりと運動させてあげることが必要です。
走ったりジャンプしたりといった激しい運動は関節に負担がかかりやすいため必要ありませんが、ゆったりと歩いてのお散歩やドッグプールでの水泳もおすすめですよ。
レオンベルガーの飼い方・飼う際の注意点 2 落ち着くことができる場所を作ろう
落ち着くことができる安全な居場所やドッグベッドを置いてスペースを作ってあげることが必要です。
また、体の大きなレオンベルガーはたいていの場所が届いてしまうので、人間の食べ物や医薬品、洗剤といった誤飲した際の危険性が高いものはしっかりと扉が閉まりロックができる戸棚等にしまうか、背の高いペットゲート等を活用して生活スペースを区切ると良いでしょう。
レオンベルガーは暑さに弱いため、エアコンを使って適正な室温になるように管理をしましょう。
レオンベルガーの飼い方・飼う際の注意点 3 しつけは早い段階から継続しよう
超大型犬のレオンベルガーは温和な性格であることが多いですが、優しい性格に育ってもらうためにも子犬からのしつけや社会化は欠かせません。
パピークラスへ通ったり、しつけを家族と一緒に学ぶことで、物事に動じない順応性を身につけることができます。
また、特に女性や子どもは、レオンベルガーに力で負けてしまうことが考えられるため、オスワリ、マテやオイデといった基本的なトレーニングを教え、コントロールがしやすいように備えましょう。
レオンベルガーの飼い方・飼う際の注意点 4 週に2~3回はブラッシングをしよう
被毛が豊かなレオンベルガーは週に2~3回はブラッシングをしてあげましょう。ブラッシングしてあげることで、飼い主さんとのコミュニケーションにもなり、また皮膚疾患やそのほかの病気を早期に発見できることがあります。
日頃から体を細かくチェックしてあげることは健康管理にも繋がります。
レオンベルガーの飼い方・飼う際の注意点 5 一緒に行ける旅行先を探そう
レオンベルガーは家族のことが大好きです。超大型犬はペットホテルでもお預かりが難しい場合があり、またペットホテルにお泊りさせると料金が高めであることも多いため、大好きな家族と一緒に行ける旅行先を探したり、キャンプやアウトドアを一緒に楽しむのはどうでしょうか。一緒に過ごす休日は素敵な思い出になること間違いありません。
レオンベルガーをお迎えする方法
ブリーダーさんからお迎えする
レオンベルガー専門の優良ブリーダーをネットなどで検索してみましょう。ブリーダーから子犬をお迎えする場合は両親が明らかなので、毛色や体格、性格などがわかるメリットがあります。
また、お迎え後もブリーダーさんに困った時に相談ができたり、兄弟犬の輪が広がったりとサポートしてもらえる繋がりがもてるのも心強いポイントです。
保護犬のレオンベルガーを探して里親になる
動物保護施設や動物愛護ボランティア団体などでは、繁殖犬を卒業して保護された子や、飼い主の事情で手放されて保護されているレオンベルガーを見つけられるかもしれません。事前にサイトやSNSなどで探してみてくださいね。
レオンベルガーの値段・価格の相場
価格相場は30~50万円です。価格は性別や血統によっても変動するので、まずはブリーダーさんに尋ねましょう。
まとめ
その名の通り、ライオンのような見た目のレオンベルガーは存在感が強く一度見たら忘れられない犬種です。見た目とは違って、穏やかで家族思いのレオンベルガーは海外でも家庭犬として大切にされています。飼育にかかる費用やスペースは小型犬とは規模が全く違うため、誰でも飼える犬種ではありませんが、一度は一緒に暮らしてみたい犬種ですね。