ドックフードの材料やトッピング、おやつとして、とても馴染みの深い鶏肉ですが、その主な成分や栄養素、適切な与え方や量などの詳細は知らないという飼い主さんは多いのではないでしょうか?
よって今回は鶏肉の栄養素や犬に与えることによって期待できる効果、犬種や年齢による適切な量、さらには与えるときの注意点などを解説していきたいと思います。愛犬のためにも、ぜひ参考にしてみてくださいね。
ANSWER 鶏肉は犬に食べさせても大丈夫です。
鶏肉を使用した犬用のドックフード、トッピング、おやつなど様々な商品が多数販売されていることからも、鶏肉は犬に与えても大丈夫な食べ物となります。
ただ、後ほど改めて詳細をご説明しますが鶏肉といっても以下のような状態のものを愛犬に与えることはおすすめできません。
- 生肉
- 味付き肉
- 骨付き肉
また愛犬が鶏肉を大好きだからといって、鶏肉ばかりを与えていると偏食につながる危険性もありますし、中には鶏肉にたいして食物アレルギーを引き起こしてしまう体質の犬もいるため注意が必要です。
鶏肉の主な成分や栄養素
タンパク質
三大栄養素の1つであるタンパク質が、とてもバランスよく含まれており、特に身体を作るためには欠かすことのできない必須アミノ酸は豚肉や牛肉よりも多く含まれているため良質なタンパク質源ということができるでしょう。
また、肉食に近い雑食の犬においては植物性タンパク質よりも動物性タンパク質のほうが効率よく吸収することができると考えられています。
ビタミンA
油に溶けやすい性質を持つ脂溶性ビタミンであり、体内に入ると脂肪とともに小腸から吸収され、大半が肝臓に蓄えられます。被毛や皮膚、粘膜を健康に保つ働きがあり、また視力の維持にも役立ちます。ビタミンAが不足してしまうと免疫力の低下や骨の形成不全などにつながるため、かかすことのできない栄養素の1つでもあります。
亜鉛
タンパク質の合成に関わる酵素などの様々な酵素を活性化することで、肝臓、腎臓、膵臓といった臓器だけではなく、皮膚や被毛の代謝、骨の形成などの様々な機能に関わる重要なミネラルとなります。
グルタミン酸
腸粘膜細胞のエネルギー源として使われることで、腸粘膜の健康維持に重要な働きをすることが知られています。また、免疫力の増加によって腫瘍の成長や転移の速度を低下させる可能性があることも報告されているアミノ酸となります。
鶏肉を犬が食べた際の犬への効果・影響
必須アミノ酸がバランスよく含まれている良質なタンパク質源のため、皮膚や被毛などの健康を維持する効果があるといわれています。また、エネルギー源になることから疲労回復、さらには老犬にとって筋肉維持や関節の動きを助けるなどの効果が期待されるでしょう。
また、特に渡り鳥の胸肉には抗酸化作用のあるイミダゾールペプチドが多く含まれているため、活性酸素を抑えることで老化防止の働きにも役立つと考えられます。
犬に与えてよい鶏肉の量は?
小型犬の場合 |
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中型犬の場合 |
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大型犬の場合 |
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子犬の場合 | ごく少量ずつ与える |
老犬の場合 | ごく少量ずつ与える |
犬に鶏肉を与える際の注意点
鶏肉のおすすめの与え方
生のまま与えてはいけません
生の鶏肉には大腸菌やサルモネラ菌、カンピロバクターなどの細菌が付着している危険性が非常に高いため、必ず茹でるなど火を通してから与えるようする必要があります。
もし、愛犬が生で鶏肉を食べてしまった場合にはこれらの菌によって感染症が引き起こされてしまい、下痢や嘔吐などの消化器症状や最悪の場合には命の危険につながる可能性もあります。
味がついている鶏肉の加工食品は与えないようにしましょう
フライドチキンや唐揚げなどはの鶏肉の加工食品は、においがきついものも多く、欲しがる愛犬も多いかもしれませんが必ず与えてはいけません。
というのも、加工食品には塩や砂糖、香辛料などによって味つけはされているため、人間用の加工食品を犬が食べた場合には塩分過多や肥満といった健康に悪影響を与える危険性が高いからとなります。
骨付きの鶏肉は必ず骨を外してから与えましょう
飼い主さんの中には犬といえば骨付きの肉をかじっているというイメージを持っている方も多いかもしれませんが、骨についた肉や骨自体を噛ませることはおすすめできません。
なぜなら、骨を噛むことで歯が折れたり欠けたりする可能性があることや、噛み砕いた骨が喉に刺さったり、腸で詰まって腸閉塞となってしまうことも考えられるからです。
よって、鶏肉を与えるときには骨がついていないか事前によく中止してあげてくださいね。
特に初めて与えるときはアレルギーに注意
実は、犬にアレルギーを引き起こすといわれている食材の中でも牛肉、乳製品に続いて鶏肉は3番目に報告が多い食材とされています。よって鶏肉を初めて与えるときは飼い主さんが愛犬の様子をよく観察することができて、かつ動物病院が診療している時間帯を選ぶことをおすすめします。
また、初めてでなくても鶏肉を与えた後に下痢や嘔吐、目の充血や皮膚をかくといった症状が見られた場合は与えるのをやめてすぐに動物病院を受診するようにしましょう。
こんな時は犬に鶏肉を食べさせないこと
鶏肉に含まれている成分の1つに骨を作るのに欠かすことができない栄養素であるリンというミネラルがありますが、腎臓病の犬などにとってはリンを摂ることで健康状態を悪化させてしまう危険性があります。
よって鶏肉を何かしらの持病がある愛犬に与える前には、必ずかかりつけの獣医師に相談してからにしましょう。
まとめ
基本的に鶏肉は犬に与えても問題がありませんが、鶏肉だけをメインに与えてしまうと栄養に偏りが出てしまうこともあり、また鶏肉でも生や人間用の加工品は犬の健康に悪影響を与えてしまうため、避ける必要があります。
愛犬が鶏肉を好むようならば、犬用の鶏肉のおやつやトッピングを適量分あげることをおすすめします。
Supervisor
松本 千聖 Chisato Matsumoto
岐阜大学応用生物科学部獣医学課程を卒業後、3年ほど獣医師として動物愛護団体付属動物病院やペットショップ付属動物病院にて主に一次診療業務、ペット保険会社では保険金査定業務などに従事しました。
現在は、製薬関係の業務に携わり、プライベートでは個人で保護猫活動並びに保護猫達の健康管理を行っています。