豚肉は北海道や青森県で多く生産されており、有名なブランド豚であれば鹿児島県のかごしま黒豚や沖縄県のあぐー豚などがあります。手頃な価格帯で購入できることから、私たち日本人は日頃から口にする機会の多い食べ物です。
豚を使った和食といえば豚の生姜焼きやしゃぶしゃぶなどがあり、焼いても煮ても蒸しても美味しい、使いやすい料理といえます。はたして犬に与えても大丈夫なのでしょうか。
ANSWER 豚肉は犬に食べさせても大丈夫です。
豚肉は犬に与えも大丈夫な食べ物です。犬は肉を食べるのに適した歯や消化器官を持っており、愛犬が欲しがるようであれば与え方に注意しながら食べさせると良いでしょう。
この記事では、豚肉の栄養や与え方について紹介します。「どのくらいの量を与えたらいいのだろう」「豚肉のどの部位を与えたらいいのだろう」といった疑問を持つ飼い主さんは、ぜひ参考にしてくださいね。
豚肉の主な成分や栄養素
タンパク質
タンパク質は体の筋肉や皮、臓器を作るうえで欠かせない成分です。タンパク質の摂取不足は免疫機能や抵抗力の低下を引き起こす可能性があるため、毎食摂取することを心がける必要があります。
脂質
脂質は、タンパク質や炭水化物の2倍以上のエネルギーを供給できます。その他にも内臓保護や体温調整を行い、脂溶性ビタミン（A・D・E・K）の吸収を促進します。
ビタミンB群
ビタミンB群とはビタミンB1・B2・B6・B12・ナイアシン・パントテン酸・葉酸・ビオチンの8種類を指し、エネルギー代謝の補酵素として体内で働きます。いくらエネルギーとして働くタンパク質や脂質だけを摂取しても意味がなく、代謝を助けるビタミンB群を一緒に摂取ることが大切です。
また、ビタミンB群は水に溶けやすい水溶性ビタミンで、尿と一緒に排出されてしまう特徴があります。ビタミンB群は継続的に、そしてまんべんなく取りましょう。
鉄
血液中の赤血球を作るヘモグロビンの材料で、不足すると貧血になります。レバーの次にヒレ肉に多く含まれています。吸収促進するビタミンCなどと成分と一緒に摂取すると、より吸収率が高まるといわれています。
豚肉を犬が食べた際の犬への効果・影響
豚肉にはたくさんの栄養素が含まれています。体作りに効果的な栄養素も豊富なので、発達途中の愛犬ににもおすすめできる食べ物です。また、豚肉はミネラルも多く含んでいるため、皮膚や被毛の健康を保つ働きが期待できます。
犬に与えてよい豚肉の量は？
| 小型犬の場合 | 約22.5g |
|---|---|
| 中型犬の場合 | 約30g |
| 大型犬の場合 | 約37.5〜45g |
| 子犬の場合 | 少量ずつ与える |
| 老犬の場合 | 少量ずつ与える |
犬に豚肉を与える際の注意点
豚肉のおすすめの与え方
中心部まで加熱してから与えよう
生の豚肉を食べると細菌やウイルスに感染してしまうリスクがあります。豚肉の表面が焼けただけでは死滅しない可能性が高いため、中心部までしっかり加熱しましょう。特に豚レバーからのE型肝炎ウィルス感染は命に関わるほど危険です。加熱後はカットして、中心部まで火が通っているかチェックしてから与えてください。
脂身の少ない部分を与えよう
部位にもよりますが、豚肉は牛肉や鶏肉に比べて脂身の多い肉です。赤身と脂身がハッキリ分かれている部分であれば、あらかじめ取り除いておきましょう。ただ、どの部位も脂質は多く含まれている傾向があるため、脂質の過剰摂取にならないように気をつけましょう。1週間に数回など、毎日与えないようにしてくださいね。
食べやすい大きさにカットしよう
犬は肉を噛み切ることはできますが、すりつぶすのは得意ではありません。愛犬が豚肉を丸呑みしてしまわないよう、食べやすい大きさにカットしましょう。特にロースや肩ロースは他の部位よりも硬いため、小さめにカットして与えてくださいね。
脂身以外は基本与えてもOK
豚肉は脂身以外であればどの部位を愛犬に与えても問題ありません。しかし、レバーと骨付き肉には注意が必要です。
レバーは、加熱が不十分の状態で食べてしまうとE型肝炎ウィルスに感染してしまうリスクがあります。他の部位よりも念入りに加熱してから与えましょう。
また、犬は骨が大好きです。与えるといつまでもかじり、結果的に噛み砕いてしまうことがあります。骨を飲み込んでしまうとのどや消化器官を傷つけるおそれがあります。骨についている肉を食べ終わった時点で取り上げるか、最初から骨付き肉は与えないなど、各家庭で与え方を決めておくと良いですよ。
こんな時は犬に豚肉を食べさせないこと
何かしらのアレルギーを持っている愛犬に豚肉は与えないほうが良いでしょう。もしも豚肉を食べて目の充血や嘔吐、ぐったりした様子などがみられた場合は、すぐに与えるのをやめましょう。症状が長引くようであれば、獣医師の診察を受けてください。
まとめ
豚肉は犬に与えても良い食べ物です。体作りや皮膚の健康に効果的な栄養素が豊富に含まれているので、ドッグフードのトッピングとして与えると良いでしょう。
ただ、豚肉は脂身が多い肉です。今回紹介した与え方に注意しながら愛犬に食べさせてみてくださいね。
Adviser
ペットフーディスト 佐々木なるみ
愛犬の偏食をきっかけに資格を取得。これまでに4匹のわんちゃんと暮らしてきた。動物愛護に関心を寄せ、犬を含む多くの動物が幸せに暮らせる日本を目指している。
