鯛は古くから日本で食べられている魚で、縁起が良い魚といわれています。主に愛媛県や長崎県、福岡県でたくさん獲られており、養殖鯛の生産量でいえば愛媛県が1990年以降日本一をキープしています。
鯛は脂質が少なく淡白でクセがなく、魚が苦手な人でも「鯛なら食べられる」という人がいるほど人気の高い魚です。
私たち人間は揚げ・煮つけ・生食などさまざまな食べ方で鯛を楽しみますが、はたして犬に与えても大丈夫なのでしょうか。
ANSWER 鯛は犬に食べさせても大丈夫です。
鯛は犬に与えても大丈夫な食べ物です。栄養価が高く食べやすい食べ物なので、ドッグフードのトッピングにするなどして与えると良いでしょう。しかし、骨やウロコのある魚なので、与え方に注意が必要です。
鯛の栄養や食べ方について紹介するので、犬に鯛を与えても良いのか不安だった飼い主さんは、ぜひこの記事を参考にしてくださいね。
鯛の主な成分や栄養素
タンパク質
タンパク質は体の筋肉や皮、臓器を作るうえで欠かせない成分です。タンパク質の摂取不足は免疫機能や抵抗力の低下を引き起こす可能性があるため、毎食摂取することを心がける必要があります。
タウリン
タウリンとは魚介類に多く含まれるアミノ酸に似た成分です。コレステロールを減らす、肝臓や心臓の機能を高める、高血圧の予防、視力の回復などの効果があると考えられています。体内で生成することも可能ですが、必要量に達しないことから食事からの摂取が必要です。
ビタミンD
カルシウムの吸収をサポートする役割があり、骨の健康維持に役立つ成分です。犬は体内でビタミンDをほんの少ししか作ることができないため、食事で補う必要があります。
EPA・DHA
オメガ3脂肪酸(n-3脂肪酸)であるEPAと DHAは、体内生成できないため食事から摂取する必要があります。DHAは脳を活発化することが期待されており、EPAは体内のコレステロールや脂肪分を減らし、血管の流れを良くする働きがあると考えられています。
鯛を犬が食べた際の犬への効果・影響
犬が鯛を食べることによって、生きるうえで欠かせない栄養素を補えるだけでなく、骨や血液の健康といった健康寿命を伸ばすうえで必要な栄養を摂取することもできます。
犬に与えてよい鯛の量は?
小型犬の場合 | 13~15g程度 |
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中型犬の場合 | 30~35g程度 |
大型犬の場合 | 55~65g程度 |
子犬の場合 | 少量与える |
老犬の場合 | 少量与える |
犬に鯛を与える際の注意点
鯛のおすすめの与え方
必ず加熱して与えよう
生の魚にはアニサキスなどの寄生虫が寄生しているおそれがあります。イカや鮭に比べて寄生している確率は低いといわれていますが、リスク回避のためにも必ず火を通してから与えましょう。
不安な人は、アニサキスが死滅する60℃で1分以上の加熱、またはマイナス20℃以下で24時間以上冷凍すると安心ですよ。
骨を取り除いてから与えよう
鯛には大きな骨や小さな骨がたくさんあります。犬が骨を飲み込んだ場合、うまく吐き出すことができずのどに詰まらせてしまう危険があります。
犬は人間のように「骨に気をつけながら食べよう」と心掛けることはできません。加熱した鯛は手でほぐし、骨がないときちんと確認したうえで与えましょう。
味付けNG
犬に鯛を与える際は、味付けせずにシンプルに焼いたり茹でたりしたものを食べさせましょう。人間が食べるのと同じように味付けをしてしまうと、塩分や糖分の過剰摂取になる場合があります。また、ワサビやネギといった薬味は、犬の健康を害する危険性もあります。
濃い味付けで与えてしまうと、愛犬がその味に慣れてしまうこともあるため、健康のためにも必ず味付けをせずに与えてくださいね。
淡白な味だからといって与えすぎには要注意
鯛は魚の中でも比較的脂質が少なく、食べやすい味です。そのため、「たくさん与えるほど健康に良いだとう」と思っている人もいるのではないでしょうか。
もちろん鯛は栄養価が高く、犬が摂取することで健康を促進することが期待できます。しかし、毎日食べているドッグフードにプラスで与えてしまうと栄養の偏りが生じる場合があります。
鯛を愛犬に食べさせる際は、ドッグフードのトッピングやおやつ程度に与えてくださいね。
こんな時は犬に鯛を食べさせないこと
何かしらのアレルギーを持っている愛犬には、鯛を与えないようにしましょう。もしも愛犬が鯛を食べた後に下痢や嘔吐、皮膚のかゆみなどの症状が現れたら、すぐに食べさせるのをやめてください。それでも症状が治まらないようであれば、獣医師の診察を受けることをおすすめします。
まとめ
鯛は犬の健康を促進する栄養素がたくさん含まれている食べ物なので、愛犬に与えても大丈夫です。しかし、寄生虫が寄生している、骨をのどに詰まらせるといった危険があるため、必ず加熱しほぐしてから与えてくださいね。
Adviser
ペットフーディスト 佐々木なるみ
愛犬の偏食をきっかけに資格を取得。これまでに4匹のわんちゃんと暮らしてきた。動物愛護に関心を寄せ、犬を含む多くの動物が幸せに暮らせる日本を目指している。