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マグロの漁獲量日本一は静岡、次いで宮城県が2位です。南半球にはほとんど生息しておらず、比較的暖かい地域に分布している魚です。
私たち日本人は古くからマグロを食しており、日本での年間消費量は世界全体のほぼ5分の1を占めているといわれています。
刺身やお寿司といった定番料理だけでなく、マグロのカツレツやステーキなど、いろいろな食べ方を楽しむ傾向があります。
はたしてマグロは犬に与えても大丈夫なのでしょうか。
ANSWER マグロは犬に食べさせても大丈夫です。
マグロは、犬が食べても大丈夫な魚です。栄養が豊富な食材なので、適量であれば犬の健康に役立つでしょう。しかし、人間と同じようにマグロを食べると、下痢や嘔吐などの症状が出る場合があります。愛犬がマグロを欲しがるけれど与え方が分からない飼い主さんは、ぜひこの記事を参考にしてくださいね。
マグロの主な成分や栄養素
タンパク質
タンパク質は体の筋肉や皮、臓器を作るうえで欠かせない成分です。タンパク質の摂取不足は免疫機能や抵抗力の低下を引き起こす可能性があるため、毎食摂取することを心がける必要があります。
タウリン
タウリンとは魚介類に多く含まれるアミノ酸に似た成分です。コレステロールを減らす、肝臓や心臓の機能を高める、高血圧の予防、視力の回復などの効果があると考えられています。体内で生成することも可能ですが、必要量に達しないことから食事からの摂取が必要です。
EPA・DHA
オメガ3脂肪酸(n-3脂肪酸)であるEPAと DHAは、体内生成できないため食事から摂取する必要があります。DHAは脳を活発化することが期待されており、EPAは体内のコレステロールや脂肪分を減らし、血管の流れを良くする働きがあると考えられています。
鉄
血液中の赤血球を作るヘモグロビンの材料で、不足すると貧血になります。マグロの血合いに多く含まれています。吸収促進するビタミンCなどと成分と一緒に摂取すると、より吸収率が高まるといわれています。
マグロを犬が食べた際の犬への効果・影響
マグロは栄養価の高い食べ物です。マグロに含まれるDHAによって、脳を活発化することが期待できます。また、タウリンやEPAの働きにより、体内のコレステロールを減らすことも示唆されています。
犬に与えてよいマグロの量は?
小型犬の場合 | 約30g |
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中型犬の場合 | 約50g |
大型犬の場合 | 約100g |
子犬の場合 | 少量与える |
老犬の場合 | 少量与える |
犬にマグロを与える際の注意点
マグロのおすすめの与え方
生ではなく茹でる・焼くなど加熱する
生のマグロを与えた場合、必ずしも愛犬の健康に悪影響を及ぼす危険性があるとは言い切れません。しかし、生の魚は寄生虫リスクが高いため、加熱してから与えましょう。
マグロを茹でて調理する場合は、茹で汁も一緒にドッグフードにかけて食べさせましょう。嗜好アップを狙えるのでおすすめです。加熱すると保存がしやすくなるというメリットもありますよ。
ツナ缶は塩分・油分を含まないものを与えよう
犬にとって、塩分や油分の摂り過ぎは体に負担を掛けてしまうおそれがあります。1度だけなら問題ありませんが、定期的に与えて愛犬が味を覚えてしまうと、普段食べているドッグフードを食べなくなる場合があります。ツナ缶を与える場合は、食塩無添加・ノンオイルのものを与えましょう。
購入したマグロの切り身は常温のまま放置しない
生のマグロを常温で放置していると、菌が増殖するおそれがあります。マグロで特に気をつけておきたいのが、ヒスタミン食中毒です。ヒスタミンが高濃度に蓄積された食品を食べることによって発症する食中毒で、熱に強い性質を持ちます。
一度ヒスタミンが生成されてしまうと熱処理で分解することはできません。新鮮なマグロを購入し、購入後は速やかに冷蔵庫で保管してくださいね。
骨を取り除いたから与えよう
マグロは、骨がない状態で販売されていることがほとんどです。そのため、骨があるかどうか確認せずに調理することが多いでしょう。
もしも愛犬が骨を飲んでしまうと、喉や消化器官を傷つけてしまう危険性があります。マグロを与える際は、骨に注意しながら食べやすいように身をほぐして与えると良いですよ。
こんな時は犬にマグロを食べさせないこと
何かしらのアレルギーを持っている愛犬はもちろんのこと、食に抵抗のある愛犬には与えないようにしましょう。1度の経験で多くの食べ物を拒絶する場合もあります。どうしてもあげたい場合は、少しずつ様子を見ながら食べさせてくださいね。
もしも嘔吐や吐き気などの症状が見られた場合は、すぐに与えるのをやめてください。症状が収まらない、またはどうしても愛犬の体調が気になって不安な場合は、獣医師の診察を受けてくださいね。
まとめ
マグロは愛犬に与えても良い食べ物です。タンパク質といった生きるうえで欠かせない栄養素だけでなく、健康促進を期待できるEPA・DHAなども多く含まれています。
人間と同じように生の状態で与えると体調を崩す危険性があるので、必ず火を通してから与えましょう。与え方が分からなくなった場合は、ぜひこの記事を参考にしてくださいね。
Adviser
ペットフーディスト 佐々木なるみ
愛犬の偏食をきっかけに資格を取得。これまでに4匹のわんちゃんと暮らしてきた。動物愛護に関心を寄せ、犬を含む多くの動物が幸せに暮らせる日本を目指している。